「大切に残してほしい」オリジナルノートを作りました
現在、bulldogでデザイナーをしています。
この度、オリジナルのノートを作ることにしました。
オリジナルノートを作るきっかけ
子供の頃から横罫線で描くのが苦手でした。
横罫線があると、上下には壁があるように感じてしまいます。
文字を横にひたすら書き連ね、横にしか進めない。
そんなふうに感じてました。
小学生時代のノート
小学生の頃から授業でノートを使い始めます。
当時は、気にした事はなかったのですが、なぜかサイズはB5のノートばかりでした。
最初に使ったノートは、自由帳で無地のものだった気がします。そして、漢字の書き取り用の大きなマス目のもの。
あとは、一般的な横罫線のもの。
低学年の頃のノートは、バリエーションがあって楽しめてました。しかし、上級生になるとほとんどのノートが横罫線になってしまいました。
罫線と幅がしっくりこない
理由は、罫線の種類と幅。
横罫線があると、上下には壁があって、文字を横にひたすら書き連ね、横にしか進めないように感じる。図形を描くのは、さらに難しい。
無地のノートだったらいいのか?
無地のノートは、事務的なメモとしては使いにくい。
大学生になるまで
今はデザインの仕事に就いています。
学生のころはデザインをすることは想像していなかったが、ノートを書く際にレイアウトやデザインには感覚的にこだわっていた方だと思う。
だから、大学生になるまでの12年間、ずっとノートの不自由さにストレスを感じていた。ノートにこだわりすぎるとお金がかかって学生には金銭的に厳しい。
それで、無印良品のノートを一度は通る人も多かったのではないだろうか?
余計なデザインはなく、シンプルで低価格だった理由から私も一定期間使っていた。けど、満足かと言われると疑問だった。
サイズ
使いにくさの原因は、サイズにもある。
大学生になるまでは、A4かB5しか使わなかった。しかし、大学生になり、美大だったからなのか、少し大人になったからなのか、A4とB5は使わなくなった。
そこで使ってみたのが、A5サイズのノート。仕様は方眼タイプ。どうして、義務教育中に方眼紙を使わなかったのだろうか。自分にはちょうど良い罫線だった。
横だけでなく、上下にも線が入り、文字はもちろん、図形を描くにも最適だった。サイズもちょうど良い。大きなバッグでなくても入るので、持ち運びも便利。ノートパソコンと併用しやすいサイズ感。
ロディアについて
大学生になってからはノートが楽しくなった。
それは、ロディアのおかげ。
ロディアは、ポールスミスが使っていて、かっこよかった。
日本にはなかった表紙の色使い。
当時はオレンジの表紙が新鮮でおしゃれに感じた。
彼はデザイン画を描かずに、考えを言葉でデザインをするそうです。
それが、衝撃でした。
当時は、ロディアに魔法の力があるのかと思ってしまうほどでした。
ノートへのこだわり
今、私も職業がデザイナーとなり、ノートへのこだわりが強くなってきた。
だから、今回オリジナルのノートを作ることになりました。
ロディアでも足りないと思うことが多かったのです。
こだわり
今回のこだわりのポイントは4つあります。
・日付・タイトル欄
・線の色の濃さ
・紙の厚さ
・表紙
以下にこだわりの詳細を説明します。
日付・タイトル欄
ロディアのA5方眼ノートには、日付やタイトルの欄がありません。
タイトルや日付を書くスペースが欲しい。
この2つがあれば大体のことは思い出せますし、すぐに見つけられて便利です。
線の色の濃さ
デザイナーとして、こだわりたい部分があります。
デザイナーが使うのは、文字だけではないのでイラストや図を描きやすくしたい。
方眼紙の線の色をもっと薄くすれば、縦にも横にも自由に描きやすく、イラストや図形も見えやすくなります。
さらに、5mm方眼と10mm方眼とタイトル、日付欄の3段階で線の色の濃さを分けています。案内線にメリハリもでき、文字を書いても、絵を描いてもストレスがないように設計しています。
多くの職業やライフスタイルの方に自由に使っていただきたいという思いから方向も縦書き横書きどちらにも使えるような表紙デザインにしています。
紙の厚さ
あとは、紙の厚さ。紙は少し厚めにしたい。
デザインの際、いろんなペンを使います。ペンによっては裏に透けてしまう。多様な種類のペンを使いたいから、紙の厚さにもこだわりました。書き心地はもちろん、耐久性、保存にも適しています。
表紙
表紙にはあおりをつけました。
栞として使えます。
栞以外にも重要な用途があります。
それは、あおりがあることで、片側に書いたものが他人に見られないようになってます。神経質な私のようなタイプの人のための仕様です。
リングノートですと、裏側にページを折り返せるので問題は解決できます。しかし、金物のリングが机や手に干渉することに抵抗がある人も多いと思います。あおりをつけることで解消しようと試みました。
また、表紙の下段にスペース、スペース、underlineとデザインがされた箇所があります。使用期間を記載したり、旅行時に地域を書いても良いです。
最低限のフォーマットのみにし、自由に使って、大切に残していけるノートになっています。
大切に残してほしい
このノートは、「本のように大切に使って、残してほしい」という気持ちで作りました。使い終わったら本棚に入れて残してほしい。
「心地よい」と思えるノートを作りたかった。
良いものが残る
私は洋服が好きでよく買います。
しかし、安くてそれなりの用途のものは、すぐに飽きて捨てることになってしまいます。
大人になればなるほど、大切なものと好きなものがわかってきて、自分にとって良いものをできるだけ買うようになります。
気に入った洋服は心地よく、大事にします。
着ることがなくなっても大切に保管しています。忘れたころにワードローブから出しても新鮮で楽しいアイテムだったりします。
ノートは宝物
ノートも同じです。
気持ちが入って、丁寧に描いたノートは大切な宝物です。
ノートも1冊の「本」のように価値があっても良いと思いませんか?
そんな気持ちで設計しました。
装丁は本のようにガンダレ仕様になっています。
これは本紙を傷つけないためにする仕様です。
普通はノートには採用されない仕様ですが、本棚に本と並べても違和感なく、大切に残すためのものです。
写真家、小説家、デザイナー、音楽家、画家。
すべてのクリエイターに自由に使って大切に残してほしいと思っています。
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