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HHC規制とその後のイタチごっこから見る文化形成の重要性
※違法薬物や、あらゆる向精神物質の所持、使用を勧めるものではありません。
HHCという大麻にごく微量存在するカンナビノイドが2021年末から流行し、2022年3月には規制され、その後も数々のあらゆるカンナビノイドが日本中で流行したが、イタチごっこのように販売と規制を繰り返した。
HHCは日本のみならず、大麻が規制されている他の国でも販売されており、脱法大麻的な位置付けとして嗜好されている。
問題は、僕の観測する限り、日本では酷く乱用されてしまい、社会問題にまで発展した点である。
このような新成分に関しては研究が進んでいないため断定することは難しいが、個人での使用そのものよりも、他者や社会に与える悪影響が問題視されるケースが多いように思う。
販売業社が乱立して、未成年への販売や、公のイベントでの食事に混入されるまでに至った。
規制が繰り返された暁には、HHCの亜種の亜種の亜種のような、もはやその成分が何なのか誰にもわからないような状況に至っている。
アメリカの一部の州やその他の国では大麻が合法化されているが、そこに至るまでの背景には数十年とたくさんの人々による文化形成があった。
1960年代のベトナム戦争反対運動や公民権運動に起因するカウンターカルチャーや、それに伴う様々な音楽ジャンルを含むサブカルチャーの中での受容があった。
そのような文化形成に、昨今の科学的な研究が組み合わされて初めて一部の国では合法化されたというのが、僕の見解である。
確かに大麻は活用次第では人々の生活に有用だということが、科学的に証明されていることは認めなければいけない。
しかし精神作用のある物質を未成年に販売したり、食事に混入されたと言うのは社会的に許容されるものではなく、科学的な研究結果とは全く別の種類の問題を引き起こしている。
つまり僕の結論としては、日本は科学的に利用方法が確立されたものであっても、扱う側の知識やマナーを含む文化が追いついておらず、結果乱用に繋がってしまったという見解だ。
世界的にもカウンターカルチャーは生まれづらくなっているという指摘を聞くが、社会及び経済的に比較的安定している日本で反体制運動が生まれるのは難しい。