2023.3.6 「特別会計の闇」なんかねぇ! 三橋貴明氏
奴らのカネをむしり取れ!財源確保法案と防衛力強化資金の真実!【三橋TV 第673回】 2023.03.06
1:17~
「行政」には、「所管」がある
三橋氏
あのね、「官僚」あるいは「行政の世界」って、「所管」っていう言葉が重要なんですよ。
高家氏
「所管」?
三橋氏
「誰が担当するか?」とかです。
例えば「医療関係」だったら「厚生労働省の所管」、
高家氏
ああ、なるほど。
三橋氏
「労働統計」もそうだよね、毎月「勤務統計調査」とかも「厚生労働省の所管」です。
つまり「どの仕事を、どの省庁がやるか?」っていうのがかなり重要なんですね。
高家氏
どうしてですか?
三橋氏
要は、「専門家」たちじゃないですか。
高家氏
ああ〜、そういうことか。
三橋氏
「厚生労働省の担当に、防衛費を差配させよう」とは誰も思わないじゃないですか。
高家氏
そうですね。
三橋氏
当たり前じゃないですか、そんなの。
ということでですね、それぞれ「行政の専門家」っていうかですね、まぁ「官僚」なんですよね。
新たな「行政」を増やす
で、「新たな行政を増やす」って、これ、かなりでっかい話になるわけなので、だから大揉めに揉めなくちゃいけない、
一回「所管」になっちゃったら、ほぼもう「外せない」ですよね。
つまり「新たな業務を与えます」ってことです。
それを「わかりました」ってことで、始まっちゃったら、よっぽどのことがない限り、それ「省庁再編」とかにならない限り「減らす」ことができない。
高家氏
ふぅ〜ん。
三橋氏
で、今「防衛費を増額しよう」ってことで、日本政府は「防衛力強化資金」というのを作ろうとしてるんですね。
これがですね、ブログのエントリーが、2月19日『 最凶最悪な法案「財源確保法」』でございますけれども、
「防衛費」についての「財源確保法」を作る?
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岸田内閣は、2月3日、閣議で、防衛費の増額の財源を確保するため、税金以外の収入を積み立てる「防衛力強化資金」の創設を盛り込んだ法案を閣議決定しました。
防衛力強化資金の目的は、税金以外の収入について、複数年度にわたって活用できるようにするため、となっているのですが、なぜか「一般会計」です。
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なぜか、「一般会計」で
これ、もう「閣議決定」されてますけれど、「防衛費増額の財源を確保する」と、
まぁ「国債発行」なんだけど、例によって「財源」「財源」やってるから、
「税金以外の収入を積み立てる「防衛力強化資金」の創設を盛り込んだ法案」を「閣議決定」したんです。
で、これ「防衛力強化資金の目的」っていうのが、「税金以外の収入について、複数年度にわたって活用できるようにする」んです。
要は、「基金」にする、貯めといて、それで毎年「支出」していく。
基本的に「予算」って、「その年の支出」は「その年に(精算)」やんなくちゃいけないんです。
高家氏
ああ〜、それを「貯めとけるようになる」ってことですか?
三橋氏
「本来」はね。
「長期計画」、あるいは「長期予算」なんだけど、「長期予算」は、これは憲法で禁じられています。
でも「計画」はいいんだけどね。
ただまぁ「防衛費」っていうのは「長く支出を確保、拡大していかなきゃいけない」っていう性質上、「長期予算」が取り作れないなら、「基金」でもわかんないでもないんだけど、
なぜか、「所管」は「財務省」で
恐ろしいことに、その「所管」が「財務省」なんです。
高家氏
へぇ〜。
三橋氏
いや「防衛省」でしょ? どう考えても。
「一般会計」なんですよ、「防衛力強化資金」って。
これがどれぐらいスゴイことかわかりますか?
つまり、「厚生労働省の官僚に、防衛費を差配させる」ためです。これ、「財務省」でも同じですよ。
「財務省」って「防衛力」のこととか、「防衛」のこととかそもそもわかるの?みたいな話なんだけど、
それを今、財務省が進めようとしてるのが「財源確保法」なんですよ。
これ、「まじでヤバい」です。
っていうか、こんなことやるんだ?っていうぐらいですね「狂ってる」。
高家氏
「財源確保法」が?
三橋氏
「財源確保法」が。
で、私はね、これ当たり前だけど「特別会計」でやるべきですよ、「防衛力強化資金」とかやるんだったら。
「防衛費」は「特別会計」でやるべき
つまり、「特別会計」で「防衛省の所管」にしてまぁ、そこに「資金入れる」は、いいですよ。
「防衛省が自分の判断で「予算化」して使っていく、それは国民を守るために」、これは筋が通ってる。
高家氏
「一般会計」だと、財務省の(所管になる)?
三橋氏
「一般会計」は、「全部、財務省(の管轄になる)」
高家氏
ふぅ〜ん。
三橋氏
で、「特別会計」っていうと、‥なんかアレだね、言葉の問題もあって「特別」な「会計」(みたいなイメージに感じる)。
まぁ「特別会計の闇」とか、最近聞いたんだけど、一時期言われてたじゃないですか?
「そんなもん、ねぇよ、あほか」みたいな。
「特別会計」って、ちゃんとした「予算」
「特別会計」だって「国会」通ってますからね、「予算つける」ために。
だから(特別会計)説明しておこうかな、改めて。
高家氏
はい。
三橋氏
「特別会計の歳出総額 467.3兆円」、「コレ」です!
これで、「特別会計 400兆円を超える〜」みたいな、「なんか闇があるんだ〜」、本当にこれが「支出」でね、「誰かの所得」になってるんだったら、今頃、日本のGDP「1,000兆円」超えとるわ、ホントに。バカじゃないの?という‥
実際この内の、「国債の借り換え」が「152.9兆円」、
で、「会計間・勘定間のやりとり」が「95.9兆円」、
で、「純計額」が 一応「218.5兆円」、
これでもでかいと思うんだけど、
こん(純計額の)中のやっぱり「92.9兆円」が「国債の償還」、
これも「借り換え」なんだけどね、財布はどうせ「国債」なんだから。
あと、「社会保障給付」(73.6兆円)、
「社会保障」って「税金」と「保険料」で「セットで」、こう、みなさんに配りますから「一般会計から出せない」の。
「保険料」は「厚生労働省」管轄であり、「特別会計」
「保険料」は、「一般会計の歳入にならない」から。
高家氏
ほぇ〜。
三橋氏
だから「別会計」なのね。「厚生労働省」の管轄、なのかな。
あと「財政融資資金への繰入れ」、これ「金貸しました」だから、ぶっちゃけどうでもいいですよ。
「地方交付税交付金」もそうですね。「地方税」と「国税」合わせて「地方交付金」ってやるから、だから「特別会計」でやってる。
あと、「復興経費」あって、
ぶっちゃけ「467.3兆円〜」って言ってもですね、
高家氏
ずいぶん減るんですね。
三橋氏
「6.6兆円」だけなんです。
実際に「各省庁が自分の所管に基づいて、それで支出をしている」という、その「特別会計」ね、これ「一般会計じゃないです」からね、と。
この「6.6兆円の内訳」はですね、
半分ぐらいは、やっぱ「保険事業」ですね。「雇用安定事業」といわれている、ね、そういうものになります。
主に「雇用安定事業」ですね。
だからあれですよ、「失業保険」ですよ、簡単に言うと、「失業保険」ですね。
高家氏
はい。
三橋氏
「エネルギー対策費」、これ「計算庁」がやってると思うけど、「エネ庁」でしょ?「1.1兆円」。
で、「食料安定供給」、「0.9兆円」。
あと「その他」、たいしてないんですど、「外為」とか、これは「外務省」だな、ま、そういうものがこれぐらいありますよ、と。
だから、「特別会計」なんか×○×○んですよ。
「特別会計」は、「財務省」管轄にないので「敵視」されてきた
でも日本だと「特別会計」が、それこそ「敵視されてきた」んですよ。
高家氏
どうしてですか?
三橋氏
それは。、ぶっちゃけね、根本言うとね、アレですけど「財務省の管轄にない」から、ムカついてんですよ、財務省。
高家氏
あ、そっち?
三橋氏
そっち。
高家氏
へ〜。
三橋氏
ということで一つ例を上げると、何回も話してるんだけど、2009年、だったかな?
福田内閣のときの「道路国会」で、ここに入ってた、今までに一番でかかった「特別会計」としては。
「5.数兆円」かな、我々の「揮発油税(きはつゆぜい)」すなわち「ガソリン税」が「特別会計」で「国土交通省の所管」で、「我々の道路を作るために」使われてたんだけど、それが「一般会計」になった。
当然、「道路は作られなくなりました」。
しかも、「暫定税率分は」、その時「外す」と「財務省は約束した」けども、「外しておりません」。
‥という形で、財務省としては「自分の権力の外にある予算をつぶす」っていうのがですね、彼らの「ライフワーク」ですね、「遺伝子」と言ってもいい。
ということで、「特別会計をつぶしまくる」っていうのをやりたかったんですね。
「特別会計」「独立行政法人」の予算をつぶすために行った「事業仕分け」(民主党政権:蓮舫)
たとえば「民主党政権」になったときの、あの「事業仕分け」もそうですね。
あれも「特別会計」とか「独立行政法人」の予算をつぶす、まぁ「事業をつぶせば予算がいらない」じゃん。
というわけで「むしり取る」。
高家氏
ほぇ〜。
三橋氏
っていうことを(財務省、民主党政権)やってきたんですね。
それを簡単にできないから、だから、「独立行政法人」とか「特別会計」とか、こういう事業をやってる方々ね、それを彼らは「天下りだ〜」と。大体「官僚が行く」から。
それで「国民の血税を食いつぶしてる〜」、実際違うんだよ、税金入ってる、あ、これ入ってないわ、これは入ってない。
だけど、そういうレトリックで「特別会計たたき」やったから「特別会計の闇」とかバカなことを言う連中がネットに出てきて「総額(特別会計)は400兆円を超えてる〜」と、こういうような状況になっちゃったんです。
だから基本的に「特別会計」とか「独立行政法人」とかの「天下り〜云々」どうのこうのとか言ってる人たちは、「情弱」か「財務省の手下」です。
ま、「情弱」の方が多いでしょうけど。
高家氏
ああ。
「貧困化している国民」を味方につけて、「独立行政法人に天下った〜」「公金をもらってやがる〜」と煽らせる
三橋氏
何か、ほら「デフレ」で「貧困化」してるから「ルサンチマン」がすごいんで、「官僚やめたと思ったら、独立行政法人のどこどこに天下りが〜」「公金もらって〜」公金もらってないんだけど「云々かんぬん」とか言うんだけど。
私はそれ正しいと思ってるよ、前も言ったけど。
「農水省の官僚が退職しました」と。
ここのね、たとえば「食料安定供給」の事業のとこに入りまして、まあ「天下り」っていったら「天下り」だけど、そこで、「自分の中に蓄積されたノウハウを使う、国民のために」‥何が問題なのよ、と。
高家氏
ありがたい話な気がします。
三橋氏
そう。むしろね、全然別の業界に行かれる方がね、もったいないんですよ。
「官僚」としてね、「何十年積み上げたノウハウ」とかを、「我々(国民)が使えない」ということになっちゃうんだけど、
前ね、こういうことを「正論」というかね、私は「正論」と思ってるんだけど、こういうことを言う人がね、一人もいなかったからね。日本人情弱状態でした。
高家氏
それ、なんか良さそうに見えるから、むかつく、みたいな感じなんですか?
三橋氏
「ルサンチマン」と、あと「説明の上手さ」ね、レトリックとしての。
その辺り、財務省、パーフェクトにわかっていて、それで言ってるわけ。
「積極財政派」でも、「特別会計は〜」「天下りだ〜」と言ってる人は「財務省の手下」の可能性アリ
結構いるよ? なんか、いわゆる「積極財政派の猫をかぶってる人たち」ね、
高家氏
へぇ〜。
三橋氏
そういう人たちも「天下りだ〜」とか「特別会計は〜」とか、そういうこと「たたく」わけ。
高家氏
へぇ〜。
三橋氏
結局「財務省の味方」なんだということなんですね。
「特別会計はなんぞや」っていうのを理解していただかなくちゃいけない。
つまり(特別会計は)「財務省の判断なしに支出できる金」なんですよ。
そりゃあ、「防衛力強化資金」はどう考えてもここ(特別会計)だろ、と。
高家氏
うんうん。だけど「一般会計」に?
三橋氏
「一般会計」に。まぁまだ決まってません。議論されてるから、(でも)おかしいでしょ?
あと、あれね、「消費税」について、その高橋さんたちまだ言ってるんだけど、「社会保障の財源でございます」って言ってるんだったら。
「消費税」を本当に「社会保障」に使うんだったら、目的会計である「特別会計」にするはず
こっち(特別会計)にしろよ、マジで、
「厚生労働省」傘下の「特別会計」にすればいいじゃないですか。
そしたら(消費税)は「目的税」になるから、本当に「社会保障以外に使えない」。
高家氏
うんうん。
三橋氏
「それ(消費税)は、一般会計です」(by 財務省)
「一般会計」って最後に「ぐしゃぁ」ってなって、それで「国債の償還」に使ってるだけだから、(消費税は)「社会保障」のためになんか使われてないんだよ! っていうか使えないよね、順番が違うんだから。
「支出」したあとに「増税」してるんだから。
「消費税」を「一般会計」にしている時点で、「何に使うかわからない」
こういうね、「防衛力強化資金」って、マジでやばくってですね、
一応「基金」の体、装ってるんだけど、これ、「一般会計」になっちゃうと、本当に「防衛力強化のために使われるか」って「わかんない」んですよ!
下手したら「今年、国債の償還が少ないなぁ〜」「じゃあ防衛費から使っちゃちまえ〜」とかね、やれるでしょ!(というふうになっちゃう)
高家氏
はい。
三橋氏
更にはですね、「財源」の部分です。
これ確かに「基金」だから、結局「国債発行」なんだけど、「国債発行」とか得た「日銀口座預金」を「基金」として貯め込んでおくわけ。まぁ「へそくり」だよ、「へそくり」。
「銀行預金のへそくり」なんだけど、
「防衛強化資金の財源は、(他の目的のための)特別会計から、奪います」By財務省
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防衛力強化資金の「財源」は、他の特別会計などからの繰り入れ。単に、防衛省が特別会計など、他の省庁や独法の所管となっている予算を奪いたいだけなのではないの?
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どんどん、他で予算がついたはずの「特別会計」から奪う、「防衛強化」の名の下に By財務省
「財源」は、「他の特別会計などからの繰り入れ 」って、要は「特別会計」嫌いなんだろ?財務省が、と。
つぶしてるんだろ、と。
あと(財源は)「他の省庁や独法の所管となっている予算」、これもね、つぶしたいんでしょうね。
高家氏
へぇ〜。
三橋氏
「自分たち(Z)の権力(の)拡大の妨げ」になってるから。
結局「権力」って「金」じゃないですか。
「金を支出する」人が一番強いんで。
「おれ(Z)と関係なしに、あいつら(他)払ってる」と。
それがずっと続いてるんですけどね。
室伏先生がいい寄稿を書かれたんですけどね、全く私と同じ懸念をもたれてまして、
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