「世渡り上手に楽に生きていく方法」 武田邦彦氏
世渡り上手に、嫌われずに現代を楽に生きる方法 2020.2.16
・会社では全て「さん」づけをする
自分より年下でも、部下であっても「くん」づけにしない。その人たちはいずれあなたを追い抜いて上司になる。その時に「くん」づけから「さん」づけにするのは悔しい。
最初から「さん」づけにしていたら、どうってことない。
・君子危うきに近寄らず
非常に重要。世の中には「タチの悪い人間」は絶対います。
「タチの悪い人間」を改善しようとする人がいるが、できません。人間は25歳をすぎると全く意見は変わりません。
例えば、配置転換させられてイヤな上司のところへ行かされる場合など、できるだけその上司から離れるようにする。あらゆる手段を使う。
同僚などとと酒を飲む機会があったら
「どうも、いい上司なんだけど(本当は悪い)、オレあの仕事だけは向いていないんだよ。いつも上司に迷惑かけてしまうから、職場を変わった方がいいと思うんだよ。」
ということが大事。「タチの悪い人間」の悪口を言おうものならどんな仕返しをするのかわからないため、決して言わないようにする。
・水は低きに流れる
すぐには自分の配置転換とか職業を別にすることはできないが、常に自分の意識の中に少しずつでもいいので低いところ(自分の居心地のいいところ)にズレていく。
「すぐあっちいく」とせずに、もうちょっとだけ自分の居心地のいい方にズレていく、そうすると結構自分の居心地のいいところにズレていたりする。
日本人は努力家なため、自分の不得意なことを克服しようとしたりする。例えば、英語が嫌いなのに、克服しようとして英検2級を取ったり‥。そうすると仕事が英語を使うことになる。
逆に自分の居心地がよくない方にズレていく。そうではなくて自分の快適な方にズレていくのが大切。
自分にはメールの返信でもパッと返す人と、時間を置いて返す人とがいる。
時間を置いて返す人とは、連絡が週一回から、月一回になり、三ヶ月に一回になったりしていく。
すると、だんだんと自分が周りにいて欲しい人たちに囲まれるようになる。
嫌いな人からきたら返さないと角がたち、関係が悪くなるからそれはしてはいけない。
・犬も歩けば棒に当たる
若い頃仕事でサンフランシスコに行ったとき、当時10万円くらいで(お金がなかったので、人に借りて)ハイヤーを雇って一日中行きたいところへ行った。(サンフランシスコへいくのに30万円、そのうちの10万円というのはものすごくつらかった。)
どっか行ったら必ず自分の知らないところへ行く、そうすると運命が開かれる。
私の幸運はほとんど「犬も歩けば棒に当たる」からきている。
すっと家にいて畳に寝て、天井のふし穴を見ててもいいことは何も怒らない。むしろ悪い方、悪い方へ行く。行動力は大事。
日常的には先述のように行動しておく。その上で心の方も大事。
・昨日は晴れ、今日も朝
色紙を求められたらよく書く言葉。
人生はつらいことだらけ。昨日喧嘩した、上司に怒られた、色々あるが、宇宙が爆発してから時間は一方向にしか流れないので昨日に返らない。
昨日は必ず土砂降り。だけど今日起きたら、昨日は返ってきません。だから「晴れだった」と思うことが大事。
昨日は晴れだ、昨日は晴れだ、と思っていると本当に晴れになってしまう。
そうすると「オレの人生良かった(晴れだった)」となり、イヤなことがどんどん外れていく。
曖昧な人間の特性をうまく利用すること。「今日も朝」。明日のことはわからない。
「今日朝がきたら今日だけ頑張る」。非常に気楽になる。
・遅れず‥
私はゴルフにも2時間前、講義は1時間前、テレビなどでは3時間前に行くようにしている。
(早く来すぎて嫌がられることもある)
人間は一つの正義も生涯貫くのも大切。
遅れることとは「相手の時間を無駄にすること」。相手の時間を無駄にしないために、自分の時間を犠牲にする。ギリギリに行かないこと。ギリギリ行くということは、相手に時間より自分の時間の方を大切にするからである。自分が早く行くことによって相手の時間を無駄にさせないこと。
・降ったら濡れる、酔ったらはく
山道を走っている車中、パソコンしてた時に「酔いますよ」と声かけをしてもらったことがある。そのときに「酔ったらはきます」と返事をした。そしたら酔ってきて車を止めてもらって溝に行ってはいた。酔ったらはくと思っていれば人生つらくない。酔ったら困るなと思わない。
また、雨が降ったらずぶ濡れになるといい。まず背広から、靴からぐちゃぐちゃになる。11月ごろだったらちょっと寒いだろう。家に入って、ガスつけて(ガスをつけても20分くらいわかない)寒さに震えて凍えて、沸いたらぬいでお風呂に入ると指先までジーンと温まる。とても快感である。
今の家なんか幸せを感じないだろう。部屋の中と似たような温度である。
そのうえ、飲み屋なんかで「この間、ずぶ濡れになっちゃって新宿から歩いてきて、背広から何からずぶ濡れになっちゃって、最悪だよ」などというと、(友達は自分の不幸を喜ぶ)友達がキャッキャッと喜んでくれる。酒の肴になり、付き合いもよくなる。
傘を持って行ったらストレスがたまる。向こうから来るものは気にしない。
‥‥‥
そう思って生きては来たが、57歳の時に片目が全盲になった。突然失明した。見えないだろうと思った。見えているであろう目を手で隠せば見えないということがわかると知っていたが、怖くてできなかった。見えないと確定することが怖くてできなかった。しかも、よく見えている目がなり、ぼやけている方が残った。
私は「これは、自分がなりたくてなったわけじゃない。向こうから来たものだ。」
と考えて冷静になり、病院へ行った。医者がびっくりして「大変ですよ!本当に歩いて来たんですか?」と言い、「動かないでくださいね!!」と一日半くらいベットにしばりつけられた。
手術の準備ができ、4時間の手術をした。半分くらい人口の眼になった。奇跡的に成功した。
・デリケーション
ある生徒の仕事を違う生徒にやらせる。最初は「オレの仕事じゃない」と嫌がるが、そのうち嫌がらなくなって来る。人間は生きる意味はない。せいぜい他人様の手伝いをするくらいである。
武田先生のありがたいお言葉でした✨