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【葬送のフリーレン】株が右肩上がりのおじいちゃん

昨年、葬送のフリーレンのアニメが非常に盛り上がりましたね。
突如思い立って、この記事を書いております。それは、とあるキャラクターの良さを改めて整理したいと感じたからです。

私はアニメ放送当時、原作を1-3巻程度(アウラ編ぐらいまで)読んでいました。アニメ化すると知ったときは「葬送のフリーレンもアニメ化するんだー時間の流れは早いなー」という印象でした。

また、金曜ロードショーで先行3話を放送すると知った際には、大変失礼ながら「ちょっとヒット狙いすぎじゃない?」とも思っておりました。さらに昨年度の秋アニメは「呪術廻戦-渋谷事変編-」とも被っており、好きなキャラクターが渋谷事変で大量に退場することを知っている身としては、呪術廻戦がどうにも気がかりで、放送を毎週待ち望んでいたのです。

そんなわけで、葬送のフリーレンアニメは正直私の中の優先順位が低く、気づけばNetflixの話数も溜まっていました。
しかし、フリーレンの放送も終わろうとしてる2月下旬。たまたま時間が取れたので、意を決してこれまでの話数を一気見しました。そして、その面白さに感嘆し、温かいやりとりに嬉しい気持ちになり、気がつけばこの作品にどっぷりハマっていました。

《1級魔法使い試験編》


1級魔法使い試験編は、これまでのんびり&時にバトル&ほっこりのロードムービーであった葬送のフリーレンが、がらりと毛色を変えた章でした。

パーティのよきお兄さんであったザインに別れを告げたら、新キャラ登場の嵐。

底知れぬ危険な香りを漂わせるユーベル。
イケメン兄貴枠の可能性を感じるヴィアベル。
お嬢様のようで男勝りのラヴィーネ。
明朗快活に見えて実は繊細なカンネ。

キャラクターが豊かになり画面も映えて、さらにそれぞれの思惑が絡み合うようになりました。面白い...。

ですが、タイトルにもあるとおり印象に残ったのはこのキャラでした。


デンケンです。もう最高です、このおじいちゃん。こんな美男美女が溢れる作品で、後期高齢者キャラクターを推してしまいました。

しかし、見た目はどうみても、ファンを獲得できそうではありません。やはりおじいちゃん。出会ったばかりの私は、まさかこのおじいちゃんが推しキャラになるとは微塵も想像しておりません。

しかも初登場時の説明は「2級魔法使いで、政界の血みどろ権力闘争でのし上がった宮廷魔法使い」です。

その説明を聞いて、大半の視聴者は「はいはい噛ませキャラね」と反射的に感じてしまうものです。この現象は不思議ですよね。創作物の中での「権力者」「貴族」属性の嫌な奴率の高さといったら。
こんなおじいちゃん権力者なんて、フリーレンに向かって「こんな小娘が儂に歯向かうなぞ生意気な。現実を教えてやるわい!」などとイキって「儂は宮廷魔法使いだぞ!?この儂がこんな小娘に~~~!!!!」と叫びながら退場するキャラです。なんなら「金ならあるからシュティレを寄越せ!」とか言います。

きっと運営側もそれを狙っているのでしょうか。キャラクター紹介ビデオでは、小物悪役ジジイ感が漂うセリフをチョイスしています。

そんな彼の印象が変わり始めたのは一次試験の途中。

フリーレンが所属する第2パーティの作戦で、試験区域の大きな湖が完全に凍ってしまいます。試験をぶち壊すつもりか!?と大慌ての受験者たちのなか、デンケンたち第13パーティは冷静でした。デンケンは、どうすればシュティレが手に入るのかフリーレンたちの計画を分析し、作戦を利用しようと画策します。
そして見事フリーレンがシュティレを捕まえた際に、シュティレを奪いに現れます。この辺りで挟まれる高みの見物をしている1級魔法使いたちの会話、ゼンゼとゲナウのやり取りも面白いです。デンケンについて話し合っているシーンがあるのですが…

「デンケンの実力は1級魔法使いと比べても遜色ない」
「富と権力しか興味のないご老体がどうしてこんな試験に…」
噛ませキャラ紹介のお手本じゃないですか。

そして、勇者一行の魔法使いフリーレンとの決闘に。視聴者からしたら「フリーレンに勝てるわけないじゃん笑」です。デンケンは高威力の魔法を見せるも、フリーレンに難なく対処されて敗北します。カタストラービア、かっこいいんですけどね。拘束された後、ラオフェンに試験を受けた目的を尋ねられ、デンケンが答えます。

「儂の故郷は北部高原の奥地でな。今や1級魔法使いしか入れない。久しぶりに墓参りに行きたかった」

なんと。デンケンは、ただ故郷に帰りたいおじいちゃんだったのです。ここで私の好感度メーターはデンケン…!悪いジジイと疑ってゴメン…!となりました。
しかし、シュティレはフリーレンパーティが奪還してしまい、デンケンパーティはほぼ魔力切れ限界集団に。しかし、デンケンは言います。

こういう時、宮廷魔法使いはどうすると思う。最後まで醜く足掻くんだ

は〜好感度上がる。個人的に、デンケンの言葉で1番沁みたのはこれです。辛い状況にいる時、どうしてもきつい時、この言葉を思い出します。

そして、皆様が1番好きであろうこのシーンです。
デンケンたちは敗走したパーティを見つけます。その手にはシュティレが抱えられていますが、仲間を失ったようで気力がありません。交渉を持ちかけるのかとデンケンに尋ねるリヒターですが、デンケンは外套を脱ぎ去って相手のパーティの正面に立ちます。

はい。好きに全振りしましたね。ご老体のくせに、正々堂々肉体勝負です。

ちょっと脳筋ですけど、相手のプライドも尊重した良い案ですよね。私が相手の立場なら交渉を仕掛けられたら「一緒に不合格になっちまえ!」と思ってしまいそうです。しかし真正面から勝負をした結果負けたのなら、中途半端な終わり方ではなく、少しはすっきりと終われるのではないのでしょうか。

私は、アニメをここまで視聴した後、原作の続きを買ってしまいました。
原作既読の人はお気づきでしょうが、私はこの後おじいちゃんの更なる株上昇に、デンケン株を買っておいて良かったと心の底から歓喜したものです。
未読の方はぜひ原作を買っていただくか、アニメをお楽しみに(ありますよね!?)

今回は一次試験までのデンケンの好きな部分を勝手に語りました。もし執筆する気力があれば、二次試験や三次試験のデンケンのお話や、シュタルク&フェルンのことや、例の傑作長編についても語りたいと考えております。

皆様も葬送のフリーレンをぜひたっぷりと楽しんでいきましょう。

では、また次回〜

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