デジタル庁(準備中)、GIGAスクール構想についてのアンケートを分析する事業者を募集

ニュースサイトのようなみだしだが

これが、ツッコミどころのある募集であることが、すでにネットで話題になり始めている。

その全てが、募集要項に記載されている。

話題になっていたのは、主にこの項目。

本業務の実施に際しての、交通費、通信費、事務・消耗品費、会議費等、一切 の経費については、当室から情報の提供を受ける採択事業者が負担することと する。

つまり、無償でやる事業者を募集する、ということである。これをやる事業者のメリットとはどんなものだろうと探してみたが、

応募事業者が当室へ提出した分析結果資料についての著作権、著作隣接権、商 標権、商品化権、意匠権、所有権に関する一切の責任は、応募事業者に帰属す るものとする。ただし、当該分析結果資料等を、当室及び関係府省庁が第三者 に二次利用させることを許諾することを含めて、無償で著作物の利用を許諾す る。

ということであろうか。成果物を国が無償で利用できることは当然であるとして、応募事業者に権利が帰属するということは、事業者自身が分析結果資料を利用できるということでもあるわけだ。

そのほかにも、条件としてどうかと思うのは、8月10日(火)(予定)に秘密保持に関する誓約書の締結をし、8月17日(火)に分析結果中間提出、8月25日(水)分析結果最終提出という短い期間に2つのアンケートを合わせて10万件を超えるという数のアンケートの分析結果資料を作成するということになっている。

また、事業者の採択についてである。アンケートの項目は少なく、このなかからどのような分析をすることができるかを応募事業者のなかから判断するのは、難しいのではないか、採択事業者を決めるにいたった経緯を国民に説明するのは、極めて難しいのではないかという気がする。

政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準と適合するのか

政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準」(以下「統一基準」)とは、内閣サイバーセキュリティセンターが定めた国の行政機関等のサイバーセキュリティに関する対策の基準である。

その中に、「約款による外部サービス」という言葉があり、次のように定義されている。

「約款による外部サービス」とは、民間事業者等の外部の組織が約款に基づきインターネット上で提供する情報処理サービスであって、当該サービスを提供するサーバ装置 において利用者が情報の作成、保存、送信等を行うものをいう。ただし、利用者が必要 とする情報セキュリティに関する十分な条件設定の余地があるものを除く。

約款による外部サービスについては、統一基準では要機密情報を取り扱わないことと定められている。

今回の事業者の応募には、Googleフォームが使われているが、Googleフォームは提供者Googleの約款に基づいて提供され、利用者国によって情報セキュリティの条件設定がない。つまり、約款による外部サービスである。

GIGAスクール構想についてのアンケート分析事業者募集をしようとしている応募者に関する情報とは採択された事業者、採択されなかった事業者の情報であり、国にとって要機密情報になるのではなかろうか

内閣サイバーセキュリティセンターは、内閣官房に設置された機関であるが、現在デジタル庁(準備中)と称しているサイトを運営し、今回の事業者募集をしているのは、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室であるというのを指摘して、唐突に終わる。


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