ディープラーニングG検定(2024#3)を受験した。合格でした。

はじめに

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施している、G検定を受験した。
誰でも作れるただの一般社団法人なので、たとえこの検定に合格したとしても、全く何の法的効果もない。
AI関係については、多くの民間資格がある中、自分でその資格の有用性をみきわめる必要があるだろう。
結果は、残念ながら合格だった。

シラバス

「G検定とは」のページには、シラバスより出題、と記載されている。公式には、次回2024#4試験から、シラバスが改定されるのだが、実際にはそれ以前からシラバス外の内容についても出題されている。これは例えば、IPAの試験などでも同様なのだからそんなものだろう。

参考書

シラバス外の問題対応を考えると、参考書選びに当たっては、その書籍の刊行日をよく注意する必要があるだろう。
以下のような書籍を見て、主に2つの書類で勉強した。

2021年4月27日刊行
JDLAが監修した「公式テキスト」なので、間違ったことが書いているわけではないが、当然シラバス外のことは書かれておらず、内容は説明不足な感じがする。

2024年5月27日刊行。
今はこちらの第3版が書店に並んでいると思うが、少しながめたところでは、シラバスの網羅はされているのだろうが、やはり説明不足な感がする。

2022年8月25日刊行
長文の多肢選択式の問題があり、それに関する解説があるという「問題集」で、かなり細かいところまで説明があり役に立った。実際の問題とは違う出題形式で載っているというのが珍しい。
私は紙の書籍を買ったのでページをたぐるのも容易だったが、Kindleでの使い勝手は気になる。この書籍には、「オンライン模試1回分」のプレゼントがついていたのだが、全く気づかなかった。もったいなかった。

2024年1月28日刊行

ここに取り上げた書籍の中では、刊行時期が一番新しいので、生成AIなどの最新情報についても網羅されているし、解説と練習問題と模試が1冊で揃うのは非常にコストパフォーマンスが高いのではないだろうか。

基本的に、「最強の合格テキスト」を中心に勉強したのだが、説明されていない用語も少しあったので、「最短突破」の記述を補う形で使った。

受験本番

受験本番は、時間制限が厳しいことを考えて、かなり焦って問を解いてしまい、計算問題に時間を費やされた。それで少し時間が余ってしまったのだが、体調があまり良くなかったこともあり、見直しの時間を取ることができず、早期終了したのが失敗の原因だろう。

役に立つ(かもしれない資格と教材)

当然AIに関する資格というのは沢山あるわけだが、「G検定は難しそう」という人には、私が受験して合格した「Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals」という資格の存在を取り上げたい、
名前の通り、Microsoft Azureに関するAIの資格なのだが、取り上げられる内容は、機械学習の基礎であったり、画像認識タスク、自然言語処理、生成AIといった、ディープラーニングG検定と被る内容だ。
そして、Microsoftアカウントを持っていたら、この試験のMicrosoftが作った無料ラーニングコンテンツと模擬試験を受験することができる。

ちなみに、このAI-900の日本語に関する教科書は皆無であるが、それでも容易に合格はできるほど難易度は低い。
その程度の試験なので、G検定を目指すなら受験料を払って受験するまでもないところではあるが、AzureのAIに特化してAIを学習するなら有用だろう。

統計学について

やっぱり、ディープラーニングを学ぶ人間は、統計学についても理解しておかないといけないだろうとは思うが、わかりやすくて使い物になる本を探す必要がある。

シラバスには、「統計検定3級程度の基礎的キーワードと計算問題」が出題されるということになっているのだが、これについては言及されているテキストも少なかったし、計算問題の出題はあっても統計検定に関するような問題が出題されなかったように思う。G検定を受ける前に、この本で統計学を勉強したのだが、さっぱり話が頭に入ってこなかった。

そして、それは受験結果にも如実に現れた。他の受検科目はともかく、「数理・統計」の科目については、50%しか取れなかった。
これは完全にデータサイエンティストとしては不合格だろう。

機械学習は、統計学とは切っても切れない分野だ。実際にディープラーニングを「作る」に当たっては、数理・統計の知識が不可欠になる。

そんなわけで、私のG検定合格はエセだ、という話である。


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