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【横瀬】武甲山麓 思索の森を歩く①(宇根天狗様~奥宇根まで)

横瀬町は武甲山を囲むように、猿田彦神3社、愛宕神2社、天王様1社の計6社を祀る。その道を「思索の森」と呼ぶ。

お天狗様の森から横瀬駅をのぞむ

かつての修験道で熊野古道でもあったらしい。
東は、木の間(このま)~奥宇根まで。
所要時間はゆっくり歩いても1時間はかからないと思う。

思策の森は、横瀬駅からすぐそばで民家も近いが、どっぷりと深い森の中に入る。 暗いけれど嫌な感じが全然なくて不安もない。

しかし、今は管理が行き届いておらず、真冬の草がない時期しか歩けない。橋も壊れ、整備もされていない為、ほとんど人が歩かない。
だから猿の親子だけは健在だ。

名前の由来は不明。
論理的に筋道を立てて考えることを思索というが、修験らしい名でもある。

この古道は父と歩いたことがある。
橋が壊れていて、愛宕神社へ下りることができず、再び道を戻ってきた事がある。 
すると、男性が一人歩いてきた。
なぜこの道を知っているのか?聞いてみたが、答えはなく、もくもくと歩いていった。

ここで生まれ育った者にとって、地元の里山は知っているつもりでいたが、
全く初めての未知な森であった。
未知は道だから、歩かないことには道ができない。
そして未知の世界から、知識の森に変わる。

武甲山麓の小さな森に、こんなに大きな木がたくさんあるとは驚きだった。

ヒバなどのヒノキ科やイチイなどは、よく育つ。
冬でもよく日が当たるから。

樹齢は300年近くありそうな木もあり。

カやの木かもしれない。
モミにも似てるが、カヤらしい。
葉を見ると。樹脂はモミっぽいが。

お天狗様を過ぎて杉の森が、何となく心地よい。

お天狗さま(主神は猿田彦命)

お天狗様のお祭りは、毎年二月二十八日であったが、
昭和37年から二月の最終日曜日となった。

この地区の人たちが交代で祭りの一切を行う。
さらに宇根地区の子供たちによる太鼓の奉納が祭りを盛り上げる。

昔は高い梵天をあげていた。
ここに神が降りてくるという。

しかし、高齢化のため継続できず2年前にお祭りは終了した。

武甲山に祀られている蔵王権現社・熊野権現社、現在の御嶽神社の宮司を代々務めてきた神主さんは守屋家。

「一人黙(もく)して 宮司居り。
集いし氏子 華やげど 
天狗の杜は 静かなり。」

武甲山を囲むように猿田彦命を祀る社が多い横瀬。
椋神社という固有の神を祀ることに猿田彦命が関係するとの説があり、「椋(むく)」がアイヌ語説であると、ムクやムコには、塞がれたや、さえぎるような意味があるという。
ムクが、アイヌ語の塞神であるから、猿田彦命を祀るとするなら、椋神社は塞ぐクナト神である。
それが椋という漢字に置きかえられたという。

途中、光るものを見つけてよく見たら、大きな根が。

思索の根っ子。

これは、根が上になってひっくり返ってるみたいだ。

この森から昔は武甲山へ登っていたと聞く。

ここからまっすぐ武甲山まで昔は登っていたというが、修験者だろうか、
ほとんど岩をよじ登るクライミングになりそうだが。

修験の道には、必ず地層がある。

地層が直線上に現れている先に、愛宕神が祀られていた。
まるで地層の道が、神の道のようだ。これも武甲山からの名残。
何か生き物の背骨のように緩やかな線を描いて伸びている。

武甲山ほど古くはないが海底から隆起した地層が埋まっているため、
火神の愛宕神を祀ったと思われる。

愛宕神社

愛宕神の由来
「御祭神は、この大八州日の本の国を肇め給ふ神の御子、迦具土の神、火の神を司り人の心を清める神と伝えられる。
当社の起源は遠く中世戦国時代に甲信越の諸将の絹の地、秩父を窺う時、
横瀬七郷の諸士は合力し根古屋城を築き、この城の前面一帯を外縁の守りとし、山頂に火の神を祀り砦となす。この故に敵の来襲・火難にあうこともなく年々崇敬して四百有余年、神助を得て幸運の郷土を受け継ぐことができた。」


東国征伐に来た時に国境を置かれ、早くから吉田にアイヌのコタンがあったから塞神をたくさん置かれた。
黄泉としてのクナトは、禊の地に。秩父は禊の地とされた。

吉田には、女とつく地名がいくつかあり、女のオナがオオやオオタに変化した説もある。
アイヌ語では、女が大きいことの意味があり、中国雲南省の母系社会でも女の意味は、大きいや親のような大きな存在となる。
大きいから大田や太田になったとも考えられ、そんな女の母系社会から水神を奉ることになったという。

※秩父アイヌ語、縄文語地名考:中澤道三より参照。

吉田の吉については、全国にある吉田町の定説
「アイヌのコタン(村)」であったことの証拠。

アイヌでは湿地帯などあまり人が住めない、よくない場所に
悪い意味をもつ「アシ」を良い言葉に変えて「ヨシ」とする地名が多い。

おきうねの方へ。

熊にあったことは一度もないが、
看板のクマの方が怖い。笑
道は、芝桜の羊山公園まで続いている。
蝋梅

②へつづく(天王様から木の間まで)

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