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【保護猫TNR】保護猫活動のモノ・カネ・ジカン②

今回は「保護猫活動のモノ・カネ・ジカン」「ジカン」と作業内容についてお話します。
今回は、元隣人Oさんと私、そして入間市と狭山市のボランティアさん2名でこの活動を始めることになるのですが、Oさんと私はド素人。
何をするのか、それにどれだけの時間を要するのか全く理解していませんでしたので、今後、TNRをしてみようという人がいたら参考にしてください。

今回は「ジカン」ということで、単純に猫をTNRするまでに作業別にどれだけかかったかを確認していきます。

作業工数の平均と個人負担率(単位:時間)

まず、全員の活動時間の総数が342.5時間でした。
日数にすると、約14日+14間分です
※千手観音の手と聖徳太子の耳を持った人、そして2週間寝ずにフルパワーで働け、分身の術が使える人が1人で行った場合です※

まず緑色のセルに一人当たりの平均負担を入れてみました。
こちらは、一つの作業項目の総時間÷実際作業にあたった人数で算出しています
人間が一日8時間勤務として計算し、7時間相当かそれ以上かかっている項目を赤くしてあります。
備品手配、募金活動、設備・撤去お世話、通院時間、移動時間
この5つが数字上、個人的負担が多くでています。

次いで、桃色のセルに個人の負担率をいれてみました。
こちらは、全員の活動時間の総数が342.5時間÷個人が動いた時間で計算しています。全体でかかった時間の何%くらいを個人が負担したかを確認できす。
大変申し訳ないことに、横瀬とは縁もゆかりもない狭山市Aさんが断トツで働いてることが分かります。
私やOさんのような無知のボランティアへの指導がご負担になってしまっているのものあります。
そしてAさんとMさんは、作業の度に秩父までわざわざ往復2.5時間の道を来てくださっていますし、更にはAさん(一部をMさん)が秩父から片道2時間の東京立川の動物病院への搬送も行ってくださっていますので、その移動時間たるや大変なものです。

さてこの作業ジカン、一体ボランティアはなにをしているのか?
作業内容を書き出してみましたのでご覧ください。


作業内容(個人別)

個人的に危険な作業、難しい作業、精神的にキタ作業などを赤字にしてみました。

猫を保護するのに、猫の手を借りたい…
そんなアホみたいな事態に急展開です。

今回のTNR計画はAさんに教えていただきながら2人で計画しているのですが、私が保護された猫への変化を把握しきれておらす目測を誤りすぎていたことで大幅にスケジュールも変更となっていくのでした。

~余談 すこまるの話~
今うちにいる猫は元保護猫なのですが、保護された経緯がTNRではありませんでした。池袋のコンビニで〇チキを食べておしゃべりしていた女子高生にすり寄ってくるほど「人慣れしすぎた飢えている猫」だったそうです。
そして現在も赤子から大人まで誰に対しても無謀議です。先日も来客に「この子、誘拐されてもわからないね〜」なんて言われるほど・・・
しかし、この子以外の猫は、来客がくると姿を消していたのを知っていたので、経験上、「本来猫は知らない人や場所が大嫌い」と分かっていたのですが…この5年、すこまるとの生活に慣れて忘れていました。
すこまるこそ猫界のマイノリティだということを・・・

うちの猫すこまるの生体

ですので、捕獲できるとおもいますが…」と最初にいったAさんの言葉を捕獲後によく理解することとなるのでした。

この赤文字で書いてある危険な作業、難しい作業、精神的にキタ作業部分について追記しますね。

【備品手配】
今回は地域猫14匹一斉TNRということで16台の捕獲器を用意いただきました。そして、仮設シェルターを保護ド素人エイミー宅へ設置するために、
小型ケージ10台、3段ケージ3台、キャリーバッグ10個もご準備くださいました。
またAさんたちがご用意くださっている、ペットシートや餌代、ガソリン代などは、寄付もあるけれど、殆ど身銭を切ってるとのことです。それ以外にもお知り合いの個人や団体さんからお借りいただく手配、それを引き取りにいく時間、購入される時間など膨大な時間が必要だったと思います、本当にありがとうございます。

3段ケージ(仮設シェルター用)
捕獲器16台の一部


【募金活動】

今回はご近所Oさん、区長との話合いで保護活動を通して地域へ問題提起するために募金活動にしよう!と、募金で活動しようと決めたで募金活動をすることにいたしました。

地域猫の問題、現状の環境と未来の状況地域の皆さんにより深く知っていただくためです。

募金をするにあたり、役場の方や地域の区長、班長にお力添えいただきましたが、正直、募金活動については心折れそうになりました
私たちは個人のボランティアの寄せ集めであり、信用団体ではありません。
募金の使用用途も信用がありませんので仕方がないのですが、このご時世です。私たちの活動が詐欺に間違われる可能性もあります。その時に、地域住民から役場や区長らに問い合わせもあるだろうと予想して、この活動を役場や区長、班長らが認識しているとお返事をして頂くためです。
また地区内の募金も信用のある区長や班長、Oさんにお願いしました。
約50世帯への度重なるご訪問、本当に大変だったと思います。本当にありがとうございました。

実際あったお問い合わせの内容
・「周りが募金していた流れで募金したけど、本当はしたくなかった。させられた感があった」
・「根古屋地域のことだから根古屋地域だけで解決してほしいと思った」
・「この活動は本当に行われるのか、実態確認したいです」
住人十色、考え方も感じ方も様々ですが不快な思いをされた方には申し訳ありません。お詫びさせてください。
しかし、今やらないと来年から80~100匹増へのカウントダウンが始まりますし、人間の管理すら適いません。何卒ご理解いただけますと幸いです。

また活動中には「猫の手術反対~」と鉈のようなものを持っている人に追いかけられたり「猫を捕まえるな!」と背後から叫ばれたこともあります。
鉈で追いかけられた時はさすがに命の危険を感じました。

複数作成した募金箱の一つ

【設置・撤去】
今回はAさんの仕事のスケジュールを優先してスケジュールを立てたのですが、それでも1週間で4回も活動に参加いただき3日間、仕事をお休みをしていただくこととなりました。本当にご協力に感謝です。
現場は山間部の別荘地ということで、捕獲器を両手にもって急坂の往復でした。現場の住居は石段を登り降り、とにかく私たちは全員ハァハァと息切れ状態(笑)そしてこの重い捕獲器、持ち手が細いのもありますが、猫が入ると更に重い…🙀
今回、捕獲器をかけてすぐに猫たちが入ってくれたのもあり、初日の開始1時間で10匹、夕方までにさらに3匹の合計13匹を捕獲することができました。
お陰で初日の忙しさは半端じゃなかったです。

初日はOさんが1時間おきに見回りと回収、我が家の仮設シェルターへお届けをしてくれました。
その後3日間、Oさん不在のため、私が朝の10時に捕獲器を開けエサを設置、13時と16時に見回り、夜19時に閉錠するため現地へ伺っていました。
しかし、幸運にも初日に目標頭数13匹を捕獲することができましたし、妊婦猫と思われていた猫も妊婦ではありませんでした。
目撃証言から残るはあと2頭、黒猫ちゃんと長毛のふわふわノルウェージャン風の子だけ捕まりませんでした。
地域住民の方々の防犯カメラの様子で確認したところカメラには写っているものの、お腹を空かせている様子がなく捕獲器には入りません。
ふわふわ君は毛の様子から家猫の可能性が高くなりました。不妊手術済みだといいのですが。

【お世話】
最も大変な作業でした。
Aさんは現在ご自宅に25匹の猫を保護しているのですが(飼育困難や繁殖リタイア犬もいます)
猫カフェのように穏やかな猫たちが可愛く遊んでいます。
そんな様子を想定していた私の目測誤りです…
まず、通常のTNRの流れと今回のスケジュールをご説明します。

イレギュラーだらけのTNRスケジュール

通常のスケジュールでは「起きている猫を移動させていない」のがお分かりになりますでしょうか?
捕獲後、捕獲器のまま病院→手術→麻酔がきいている間に捕獲器へ→翌日キ捕獲器からリターン
これが一般的だそうですが、今回はAさんと私の本職の兼ね合いで3日間の保護期間が発生しました。
3日も捕獲器で猫を過ごさせるのは無理だと判断し、我が家に仮設シェルターを設置することを提案しました。
私は捕獲してから分かったことですが…
「保護猫を移動させること」
これがとにかくリスキーだったのです。


捕獲後の猫は、恐怖に怯えており警戒心MAXです。
威嚇してくるのは当たり前ですが、恐怖心から噛みつきなど攻撃的な子もいます。
(地域で見守っていた時の可愛い姿は、捕獲したあの瞬間からしばらく拝むことはできないのです。)

ボランティアMさんはレジェンドといわれるほどの有名ボランティアさんですが、Oさんも「TNRでは捕獲器に入った猫はボランティアの怪我や脱走の原因にもなるので基本的に移動させない」とのことでした。保護した猫の移動がこれだけリスクが高いことをベテランボランティアさんは皆さんご存じだったのです。素人の私の提案がどれだけ安直だったのかお分かりいただけたでしょう…
さて、一体どうやって猫たちを移動させるのか。
正直、猫も怯えていますが、あの可愛かった猫たちに総威嚇された私も意気消沈してしまい猫を移動なんてできるわけないなと半ば諦めムードでした。
しかし、その提案にAさんは「エイミーさんのお覚悟があるならば、やりましょう!」と手を貸してくださったのです。
ここでAさんの御業が炸裂します。
猫に声をかけながらそーっとそーっと近寄り…
「いいこーだね~怖くないよ~」なんて猫をナデナデ~♪してると思ったたら…毛布で猫をくるりん!
次々に3段ケージに入っている猫を輸送用のキャリー(またはSケージ)へ移動させていきます。
※Aさんが小柄なので、Aさん丸ごとケージに入れるのでできる技でもありますが猫が素早かったり大きくなればなるほど難しい技です。

猫が怖がらないように優しく声をかけながら慎重にやりますが、臆病な子はケージの中を暴れたり逃げ回ります。そんなバトルを繰り返しながら、猫を慎重に丁寧に毛布で包みこんでいきます。包み込まれると身動きがとれず、恐怖とパニックでおしっこを漏らす子もいました。
この猫を移動させることが今回のTNRで最も神経を使い、時間がかった作業とも言えます。
今回の一斉TNRのスケジュールでは、なんとこのリスキーな作業が4回発生します。
レジェンドMさんが「本当に(自宅をシェルターにしても)いいのですか?」といった意味、Aさんが「捕獲誰にでもできるけど…(移動は…?)」この時、やっと理解できるようになりますが、時すでに遅しなのは言うまでもありません。

御業 猫くるりん!

【通院】
これは今度Aさんにお話しを伺って追記しようと思いますが、猫の移動は勿論ですが、ご協力頂いている動物病院へ行くにも時間がかかります。

AさんMさんの移動時間
【初日】捕獲・シェルター仮設
入間→横瀬→現場→横瀬→入間 3時間
【4日目】仮設シェルターからボランティア宅
狭山→横瀬→狭山 2時間
【5日目】通院
病院への送り 狭山→立川→狭山 2.5時間
病院から迎え 入間→立川→飯能 2.5時間
横瀬シェルターへ送り 飯能→横瀬→狭山 2.5時間
【6日目】リターン立会い
狭山↔横瀬 2.5時間

これだけの車の運転でも驚きですが、
ガソリン代や高速代は、ボランティアさんの自腹なのです。
しかもAさんは本来、仕事があった日なのをお休みしてくださっているのです。

とりあえずこの5つの作業をピックアップしてお伝えしていますが、他の作業も大変です。

【打合せ】
役場立ち合いのもと、区長と私たちでミーティング。
個人ボランティアの実施する一斉TNRです。
募金もあり不審に思われる方からのお問い合わせなどにお答えいただくため、実施の意味と期間について話し合いをさせていただきました。

【書類作成】
こちらは私が作成配布した案内資料の一例です。
職業上、こんな文字ばかりの配布物を世に出すことはプライドが許さないのですが…
印刷コスト削減のため1枚に納めることになりました。
一回スケジュールと予算を変更したので事前に1世帯2通配布しています。
また、Oさんにはillustratorで地域MAP作成頂き、捕獲器設置場所をボランティアさんたちと共有し、捕獲中の見回りに利用していました。

地域へ配布した募金のお願いとTNRのスケジュール案内
※個人、団体名情報保護のためピンボケでご了承ください

【補助金申請】
今回は保護団体さんからのご支援も受け、
ハナコプロジェクトと埼玉県の補助を受けて実施しました。
プロジェクトによって申請方法が異なります。
基本的には手術前の猫の写真とさくら耳になった猫の写真が必要だったり、
TNRをする経緯を申請したりするのですが、こちらもボランティア団体代表であり動物愛護推進委員のMさんが申請を行ってくださいました。

【その他】
隙間時間にこんな活動してる程度ですが、一応これもTNRの活動の一部ですのでご覧ください。
今回も猫の移動で脱走した子がケージに飛び乗りケージ2台の天井とステップを破壊しました。
ゲージの破壊は結束バンドで行います。
またケージはボランティアAさんの創意工夫が施されスペースが多くなっています。その一例が吊り下げハンモックです。
こちらも暴れた猫に驚き、捕獲されている猫も大騒動になり破壊されましたので修理しました。
材料は主に100円均一で頑張っています。

スペース増策のためのハンモック
ハンモックの四隅につける紐
ナスカンならS字フックより取れにくい
破壊されたケージを結束バンドで修理
破壊されたステップを段ボールで造作

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
今回は「ジカン」目に見えないけれどボランティアに使われている「ジカン」皆様にはどう映りましたでしょうか?
次回は「モノ」と「カネ」についてお話できれば幸いです。










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