ダニ😡 2022/12/13最終改訂

我が家でヘビダニが発生しました
イベントで買ったボールのせいですあ～あ

健康状態が管理され危険がないことがわかっている既知のショップから購入しないとこういうことになります。

飼育者が行うべきこと

パターン① ダニの発生後の対応

①ダニが確認された生体の隔離
　隔離期間はダニが発生してから2-4週間
　または最後にダニを確認してから2-4週間

②ケージ内のダニの産卵床となり得る物の除去
　チップやソイルの床材を使用している場合は除去
　キッチンペーパーやペットシーツに変更する

③可能であれば全生体のケージを毎日チェックする
　ダニが付着しやすい部位である頭部、鼻孔、目の周囲、
　あごのmental groove、first ventralと呼ばれる部位にダニがいないか
　ほか体表面や床材にダニがいないかどうか

④最低、週2回のケージの清掃(清浄化)
　50℃以上の湯で洗浄(55℃以上、5分間で100％ダニを死滅させる効果あり)
　ケージ内で使用していた床材は袋に密閉しすぐに破棄するか、殺虫剤で処理する
　ダニは暗く湿ったところに集まるほか、上の方に移動する習性があるためケージの天井まで注意して清掃する

⑤隔離した生体の駆虫処置

⑥人間を介して感染しないようにする
　メンテナンスは既存の生体→隔離中の生体の順で行う　もしくは別日でメンテナンスを行う
　清掃具、給餌用のピンセット等は隔離中の生体専用とし、治療中は定期的に洗浄・消毒を行う
　ヘビダニは背中に触れたものにくっつく習性があり、人の手であってもついてきてしまうため、ケージにしか触っていない場合でも必ず石鹸を用いた手洗いを行う

Wikipedia「Mental groove」のページより

隔離方法の例①

夜刀神さん方式
https://twitter.com/yatonokami_0722/status/1589894921343107073

【小噺】
新規導入の生体にダニがいると嫌ですよね
もちろん駆除するんですが、何より嫌なのが他の飼っている生体に移ること

特に蛇に付くダニは移動能力が高いので辟易します

もちろん離した位置に新規生体にを置いて検疫するのが理想的ですが、飼育スペースの関係上近くにしか置けない方も→

— ハープサプライ & 夜刀神 (@yatonokami_0722) November 8, 2022

パターン② 検疫（ダニ発生以前の取り組み）

新たに購入した生体は、既に飼育している個体とは別の場所で検疫を行う事が推奨されています。
販売元にいる間は健康であっても、輸送や環境の変化によってストレスがかかり、免疫力が低下し感染症にかかやすくなることは十分に考えられます。

致死性の病原体が持ち込まれた場合、飼育個体の全滅を招く可能性があるため、どのような入手経路であっても必ず検疫は行って下さい。

①新たに購入した生体を別室で隔離する
　可能であれば空調・換気も別系統であることが望ましい
　別室を用意できない場合は可能な限り既存の生体との距離を離す
　(この場合、飛沫感染は予防できない)
　検疫用ケージの床材はペットシーツや紙類の、外部寄生虫や排泄物の性状が観察しやすいものが望ましい
　検疫用ケージには生体のストレスを最低限にするため、その生体に適した温度勾配、シェルター、登り木を設置することが推奨されている
　なお、木材などの多孔質のものは基本使い捨てで対応する

②身体検査を行う
　体重の測定、体型や外見的特徴の観察・記録

③人間を介して感染しないようにする
　メンテナンスは既存の生体→検疫中の生体の順で行う
　もしくは別日でメンテナンスを行う
　清掃具、給餌用のピンセット等は検疫中の生体専用とし、検疫期間中は定期的に洗浄・消毒を行う。他の生体と共用しない
　ヘビダニは背中に触れたものにくっつく習性があり、人の手であってもついてきてしまうため必ず石鹸を用いた手洗いを行う

③経過観察
　検疫中は動物の行動、食欲、排便の頻度、糞の固さなどを記録する
　受診すべき症状：
　嘔吐、下痢、食欲不振、体重減少、排便困難、跛行や異常な運動、脱水
　これらの症状がみられた場合は検疫期間を延長する

特にWC個体においては目視のみで健康状態が推測できないため、検疫期間を設定することが難しく、怪しい症状がないか注意深く経過観察する必要があります。
(なお、動物園ではWC個体は最低90日間隔離されます。)
CB個体であっても、2週間は隔離してください。隔離をしないのであれば、飼育個体全てを失うことになっても文句は言えません。

ダニに対する処置

以下、安全性が高いとされる順にダニの駆虫方法、殺ダニ剤を紹介します。

あらゆる殺ダニ剤は潜在的に爬虫類に対し神経毒性があるため、薬剤を使わないで済むに越したことはありません。

特に小柄なヘビや、ベビー個体への薬剤塗布は注意が必要です。
シシバナヘビ（Heterodon nasicus）のベビーが、ヘビの成体に使用したのと同じペルメトリン外用剤と同じ用法用量でヘビダニの治療を受けた直後、副作用の出現なく集団死亡事例があります。
ベビーの個体、特に小型のナミヘビは殺虫成分に対して敏感と思われる症例が多数あるため、投与の判断は医師に相談した方がよいでしょう。

＋温浴

ヘビダニは比較的溺死しやすいという特徴がありますが、鱗の下に入り込んでいるダニに関しては温浴のみで死滅させられません。
しかし、他の処置と並行して温浴を行うことにより、生体にとりつくダニの数を減らし寄生負担を軽減させることが期待できます。

生体が誤飲する可能性があるため、温浴を行う際に薬剤や油、洗剤は混ぜない方がよいでしょう。
もし薬浴をしたいのであれば、事前にぬるま湯のみで温浴をさせてから薬液に移すようにしてください。

①可能な限り手で取り除く

ごく少数のダニの発生で、生体への被害が軽微であればこれが一番良いです。
なお、この場合でも他の生体からの隔離は行って下さい。

②捕食性ダニ

捕食性ダニHypoaspis miles の使用が一部の爬虫類学者によって提唱されています。
捕食性ダニはAmazon等、通販でも購入できるようです。
衰弱した個体に、温浴と併用すれば薬剤を使用することなく寄生負担を軽減できる可能性があります。

③ペルメトリン

ペルメトリンは海外では爬虫類のダニ駆除の一般的な治療法となっています。

Provent-a-Mite
ペルメトリン0.5％含有のスプレー製剤。
米国環境保護庁および米国農務省が爬虫類への使用を承認した、いまのところ唯一の殺ダニ剤です。
生体に対して害があるとされる添加物を含まない事が保証されています。
ペルメトリン処理後24時間以内にダニは100％死亡し、ペルメトリンは1：10000まで希釈しても100％の死亡率が持続したことが確認されています。

予防策として使用する場合は1ヶ月に1回ケージと床材に使用すれば30日間は効果が持続するとのことです。

症例：ケヅメリクガメのベビー、グリーンイグアナのベビー、ロージーボアのアダルト個体にProvent-a-miteを6 回、1 回に推奨量の10倍を投与したが、ペルメトリン中毒の兆候は認められなかった。

Burridge MJ, Simmons L, Hofer CC. Clinical study of a permethrin formulation for direct or indirect use in control of ticks on tortoises, snakes, and lizards. J Herp Med Surg. 2003;13(4):16–19.

一方で、上記に示したようにシシバナヘビのベビー個体において複数個体の死亡事例も報告されています。
ベビーの個体、特に小型のナミヘビは殺虫成分に対して敏感と思われる症例が多数あるため、投与の判断は医師に相談した方がよいでしょう。

④イベルメクチン

ヘビの場合、5mg(10mg/ml)を1Lの水に溶かし、スプレーとして使用します。
(注射の場合は0.2 mg/kgの用量を筋肉注射)
使用前に強く振り、残りの薬剤は不透明な容器に保存し日光に当てないようにしてください。
半減期が長いため(ウシで7日間)、週1回生体に直接スプレーして使用します。薬剤をスプレー後、30分間乾燥させてから拭き取ります。
実施期間は5週間、計5回行います。

ケージにも同じスプレーを全体に吹きかけてください。同様に30分後、洗剤を用いて50℃の湯でケージを洗浄し、乾かしてから生体をケージに入れます。もし洗浄できないレイアウト用品がある場合は事前に除去してください。
ケージに対しても週に1回、5週間続けて処理します。

しかし、他の研究ではマダニは時間の経過とともにイベルメクチンによる麻痺から回復するので、ケージの十分な清掃、ほかの殺ダニスプレーの併用が必要かもしれません。

イベルメクチンは特にカメ、トカゲ、インディゴスネークには使用禁忌です。麻痺、昏睡などの神経症状が現れ、最悪死亡します。
同室内で上記の種を飼育している場合、イベルメクチンのスプレーの使用も避けた方が良いです。

⑤フィプロニル(フロントライン)

フィプロニルスプレー0.29%（フロントラインスプレー）
昆虫に対する神経毒で、爬虫類のダニ治療広く用いられています。
このスプレーは脂溶性基材が用いられているため、一度塗布すると効果が持続すると考えられています。

大型のヘビには、目や口を避けて直接噴霧できます。
直接使用しない場合は手袋にスプレーしてから、アルコールを揮発させたあと手袋を生体にこすりつけます。
薬剤を塗布したら、自然乾燥させてからケージに戻すか、5-10分後に拭き取ってください。

環境処理では、ケージ内の全体にスプレーします。
ただし、生体がケージに戻る前に薬剤が完全に乾くようにし、十分な換気を行ってください。

フィプロニルを生体、あるいはケージに散布した後、24時間はケージ内から水入れを除去してください。
処理は毎週1回、あるいは隔週1回で、6-8週間継続します。

⑤ジクロルボス(バポナ)

以前はジクロルボスがダニ駆除に推奨されていましたが、
動物および人に対しても毒性があるため、現在では使用を避けるべきとされています。

ジクロルボスを使用する利点は、生体と環境の両方を同時に処置できることにあります。
しかし、ジクロルボスのみの使用でダニを根絶できることはあまりなく、2ヶ月後に再発するというパターンがよく見られます。
使用する場合には、ケージの清浄化に取り組むと共に別の処置方法も併用することが推奨されます。

使用される場合は肝毒性があるため、慢性的に使用せず決められた用量と期間を守ってください。

推奨される使用サイズ：1ｍ×1ｍ×30cmの空間に対し、バポナ6㎜×6㎜
通気性のある容器に入れ、ケージ内に吊すように設置する。
週3回、3時間設置し、2週間実施してください。バポナを設置している間は水入れをケージ内から除去し、十分な通気を確保します。

こちらの文献では、推奨用量の投与下では、短期的な中毒例はないとされています。

！バポナは人に対しても毒性があるため、取り扱う際は素手で触れないように注意してください。
また、使用しない時は密閉容器に入れ保管してください。

⑥ピレスロイド系殺虫剤

ごく低用量に希釈したもので生体の表面を拭くという処置方法が紹介されていることがありますが、使用は推奨されません。
死亡例を含む中毒例が多数報告されています。

爬虫類に対し、ピレスロイド系殺虫剤は強い毒性を持つため、ごく低用量での経皮投与でも容易に死亡します。

番外：オイルの使用

日本国内外で、ヘビダニの駆除にココナッツオイルやオリーブオイルを用いる事がありますが、あくまで民間療法です。
ブリーダー間でも賛否両論あり、ヘビの体表を拭き取る際にペーパータオルにダニを付着しやすくするという作用を期待して、少量のみ使うと紹介されていることが多い印象です。

ダニを窒息させるという目的であれば油分を用いず、水のみの温浴でも同様の作用を得られます。
ダニを生体から引き離す目的であれば、油ではなく温浴で用いる水に数滴の食器用洗剤を混ぜる方が適切と言えます。
ただし、洗剤を混ぜた水で温浴させる前に、水単体のみの容器でしばらく温浴をさせるようにしてください。生体が洗剤入りの水を飲んでしまう可能性があります。

市販のスプレーには油脂、界面活性剤両方が含まれている事が多いです。
例①
例➁

ヘビの表皮にも、哺乳類と同様に脂質を用いて皮膚のバリア機能を保っていることが示唆されています。根拠➁

不要なオイルの塗布や界面活性剤の刺激により有害事象が生じない可能性は否定しきれず、もしダニの駆除にオイルや界面活性剤を用いる場合は自己責任で行って下さい。

ヘビダニの至適温度

温度：24-29℃
　　　(成虫は20-23℃の空間に留まろうとする)
相対湿度：70-90％

　

ヘビダニを殺すための環境条件

・55℃を5分間維持で100％死亡する
・卵は相対湿度50％以下で孵化率0％、また50％の幼虫が脱皮を失敗し死亡する
・41℃以上、または2℃以下に数日間さらすと死亡する
・湿度20％以下で脱水状態(回復可能)、水にぬれると多くは溺死する

乾燥状態に弱いことを利用し、シリカゲル等の乾燥剤を床材に混ぜる対策が紹介されていることがありますが、
①床材に混ぜても乾燥剤がダニと接触するとは限らない
②乾燥剤に表皮への刺激性がある
③誤飲のリスクがある
といった理由から、使用は推奨されていません。

ヘビダニのライフサイクル

ヘビダニは孵化から産卵までのライフサイクルを、およそ7-16日で終えるとされています。
通常であればほとんどを環境中に棲息し、吸血時のみ生体に取りつくという生活様式ですが、生体の鱗の下で一生を終えるダニもいます。

ヘビダニはにおいに反応し、特にヘビの匂いを好み、
脱皮殻　＜　糞　＜　凝固したヘビ血　＜　生きたヘビ
で反応しやすいことがわかっています。

卵　egg　40‐50時間

産卵直後の卵には粘着性があり、ケージ内に付着しています。
25℃の環境下で40-50時間で孵化します。
未受精卵であっても孵化し、その場合生まれるダニは全てオスになります。未受精卵から生まれた場合でも、ダニの寿命に影響はないことがわかっています。

　

幼虫　larva　1-2日間

ほとんど移動せず、暗所に固まっています。この段階では食事はしません。
50％以下の相対湿度で50％の幼虫が脱皮失敗し死亡します。
2℃以下の低温環境でも活動が可能です。

　

若ダニ　protonymph　3日‐2週間

この段階から吸血を開始します。視認できない大きさであることが多いです。
10℃以下の低温環境で活動が停止しますがすぐには死亡しません。
鱗の隙間に入り込み、皮膚を傷つけて流血させ、吸血します。
吸血した後は生体から離れ、ケージ内の暗所に集まり、塊になっているところを観察されることがあります。
吸血できなくても25℃の環境下で最大31日間生存します。

　

第二若ダニ　deutonymph　1日間

吸血せず、脱皮するための期間です。
25℃の環境下で24-26時間生存します。

　

成虫　adult

積極的に移動し吸血します。メスは2‐3回/週で持続して吸血し、1回の吸血で10-20個の卵を産卵します。生涯に60-80個産卵すると言われています。
メスは交尾しなくても吸血すれば産卵可能です。
吸血後、25℃の環境下で4‐8日かけ抱卵、生体から離れケージ内の湿った暗所を探し産卵します。このとき、重力に反応し上の方に這い上がる性質があります。
一定以上の大きさに育ったメスにはオスが反応しなくなるという習性があるため、周期的に発生する特徴があります。ダニが見つからなくなったので駆除が成功したと思い対策をやめたところ、2ヶ月後に再発生するという失敗例が多数報告されています。
10℃以下の低温環境で活動が停止しますがすぐには死亡しません。25℃の環境下で40日間生存します。

ダニを駆除すべき理由

爬虫類の皮膚に損傷を与え、寄生の程度が重症か制御不能である場合は皮膚の炎症、貧血や脱水を引き起こし、さらには死に至ることさえあります。
さまざまな病原体の完成経路になり得るうえに、まだ調査が十分になされていない致死性の疾患である、ヘビ封入体病(IBD:Inclusion Body Disease)の原因に関連性が指摘されています。用心に越したことはありません。

ほか検疫の際に考慮すべき疾病/感染症

・アカリア症
・アメーバ症
・アレナウィルス
・クリプトスポリジウム症
・蠕虫病
・ニドウィルス
・パラミクソウイルス
・ヘビ真菌症
・ダニのほか、外部寄生虫
　→それぞれの感染症の潜伏期間や症状は気が向いたら別記事にまとめます
　　まとめないかもしれない。

2022年11月20日に開催された爬虫類販売イベントで購入したボールパイソンで、隔離開始から13日目に目視でヘビダニを確認しました。
ボールパイソンは体重200g弱のオスで、体型は標準的、購入時点では目視で確認できる外部寄生虫や、皮膚の損傷はありませんでした。
糞便の性状は茶色有形で、糞便検査の結果はいまのところ問題ありません。

幸い、検疫のため隔離を行っていたのでダニはほかの生体へ拡大はしなかったようです。
処置を行うためネット上の情報収集を行ったところ、文献に基づいた簡潔なヘビダニ対策のまとめが見当たりませんでした。

経験則にのみ頼った内容ではない、文献やデータに基づいた対処方法一覧がほしかったため、自分で作る事にした次第です。

参考文献：
Stephen J. Divers BVetMed DZooMed DACZM DipECZM(herp) FRCVS(2019),Mader's Reptile and Amphibian Medicine and Surgery,pp.1168-1170

Edward J. Wozniak, Dale F. DeNardo, The Biology, Clinical Significance and Control of the Common Snake Mite, Ophionyssus natricis, in Captive Reptiles.Journal of Herpetological Medicine and Surgery (2000) 10 (3): 4–10.(参照 2022-12)

Dale DeNardo,Dale DeNardo,UNDERSTANDING THE SNAKE MITE AND CURRENT THERAPIES FOR ITS CONTROL.From the Proceedings of the Fourth Annual Conference of the Association of Reptilian and Amphibian Veterinarians,(1997), pp. 137-147.(参照 2022-12)

Hoppman E., Wilson H. 2007 — Dermatology in Reptiles — J. Exot. Pet Med., 16, 210-224.

三輪恭嗣(2019),エキゾチック臨床シリーズ Vol.18 爬虫類の疾患と治療.pp.255-257

BECK, W., PANTCHEV, N. (2006): Schlangenmilbenbefall (Ophionyssus natricis) beim Grünen Leguan (Iguana iguana) – Ein Fallbericht. Kleintierpraxis 51, Heft 12): 648-652.(参照2022-12)

補足

以下基礎的な知識として補足です

ヘビダニは1800年代前後から飼育下のヘビに発生したことが報告されています。
最初にヨーロッパ原産のヘビから発見され、その後、さまざまな地域産の爬虫類でも報告されるようになりました。

O. natricis属の16種のうち、15種が爬虫類の寄生虫、哺乳類からは 1 種のみが報告されています。
この中でも飼育下のヘビに発生しやすいダニには主にO.natricisとO.acertinusが含まれます。
肉眼でダニの種の同定は困難であるため、もし受診する場合は採取したダニをアルコールに漬けたものを持参するとよいかもしれません。

野生におけるヘビダニの蔓延について言及している論文①、論文➁
はありますが、大型種を除けば野生のヘビでは症例報告は少なく、飼育下で頻発している印象です。
飼育環境で発生しやすい要因としては、ケージ内の温暖かつ湿潤環境がダニの繁殖、生育に適していること、
狭いケージではダニが生体に接触する機会が自然環境よりはるかに多いことが考えられています。

現在までに、アフリカ 、ヨーロッパ 、オセアニア、アジア、アメリカ、メキシコ ➁ などで症例が報告されています。