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ARCHERYコラム #4 【射法八節/ドロー】

執筆者

光永嶺(ミツナガ レイ)24歳
アーチェリー歴は15年ぐらい、ぼちぼちベテラン。
2017年〜2021年まで同志社大学アーチェリー部在籍。
主な戦績:2018全日本Tベスト16、2019インカレT4位

Ⅰ. はじめに

こんにちは!BUKATSU PROJECTの光永です。
ARCHERYコラムも第4回目、連載の折り返しに入ってきました。
「折り返しに入ってきた」とか言っていますが、まだコラムとしてはセットアップまでしか辿り着いておらず、ようやくこの第4回目で【ドロー】という弓を引く動作に入っていきます!
当然セットアップでも弓は引きますが、いやぁ、丁寧に準備動作を解説してきたなあ。。。と感じています。
丁寧を尽くした第3回・セットアップのコラムは
↓こちらです。
https://note.com/bukatsu_project/n/n3e1b1242c6c3

それでは今回も楽しく、ARCHERYコラム第4回目【射法八節/ドロー】について見ていきましょう!

Ⅱ. 射法八節とは?【再掲】

シューティングにおける8つの基本の動作(射法八節)

射法八節とは、
シューティングの一連の動作を八つの基本の動作に分けたもの
であり、上図の8つから構成されています。
そしてこれら8つの動作は射法八節と大層な名前が付けられるほどに、
アーチェリーにおいてとても重要な動作です。
この1つ1つの動作のポイントを理解し、
着実に技術を身に付けていくことが、
点数UPや綺麗なフォームの習得に直結します。

僕自身これまで様々なトップ選手を見たり、
話を聞いたりして来ましたが、
どの選手も意外と複雑な動作は意識しておらず、
徹底的に8つの基本的動作の精度を上げて上達しているように感じています。
アーチェリーは決して複雑な動きをするスポーツではなく、再現性を高めるスポーツです。
基本に忠実に、技術を磨いていきましょう!

Ⅲ. 射法八節その④【ドロー】

シンプルだからこそ大事なドロー

ドローはその名の通り弓を引いてくる動作です。
セットアップで目線の高さほどに上げた引き手を、弓を下ろす力を活かしながら後ろに引いていきます。
ここでは、次回に解説するアンカー(引き手を顎の下につける動作)までの範囲の動きをドローと定義します。まさに、上の写真はドロー中を切り取ったものですね。
ドローは、前回解説したセットアップと比べると比較的簡単そうな、言ってしまうと「弓を引いてくるだけ」の動作と言えるかもしれません。
しかし、ドローもただ弓を引いてくれば良いというものでもなく、ちゃんと注意すべきポイントがあります!!
弓を引いてくるというシンプルな動作だからこそ、しっかりとポイントを押さえて良いシューティングにつなげていけるようにしましょう!!

Ⅲ-1. ドローの3要素

ドローの3要素「速さ」「角度」「ずれないこと」

一見シンプルに見えるドローですが、僕は3つの要素があると考えています。
(持論なので一般的な理論ではありません)
それは、
弓を引いてくる「速さ」と、
弓を引いてくる「角度」と、
弓を引いてくるときに「ずれないこと」
です。
ではそれぞれが、どういう意味でどのようなポイントがあるのか1つずつ見ていきたいと思います!

Ⅲ-2. ドローの「速さ」 

(写真なくてすみません泣)
ドローは当然、人によって弓を引いてくる速さが異なります。
セットアップで決めた後に、
ゆっくりめに引いてくるタイプと、
勢いを活かしてスッと速く引いてくるタイプ、
それぞれありますね。
一般的には、ゆっくり引いてくると正確なドローが出来ますが、筋力の負荷は大きくなります。
また、素早く引いてくれば勢いを使うので筋力負荷は減りますが、一定性などの正確さが損なわれる可能性(あくまで可能性)が出てきます。
したがって、
これも決まった正解があるわけではないので、
自分にとってどのぐらいの速さでドローするのが最も効率的で射ちやすくなるのか、色々試してみるのもアリだと思います!
イメージが掴みづらい人は、YouTubeなどでトップ選手の動画を参考にしてみてください!

Ⅲ-3. ドローの「角度」

ドローの角度ですが、僕はドローの3要素の中で、角度が最も重要な要素だと考えています。
ドローの角度は大きく分けて2種類、
引き手が押し手からどれぐらい離れて引いてくるのかの角度(=①)と、
引き手の肘がどれぐらいの高さで引いてくるのかの角度(=②)です!

①上から見た時のドローの角度(青線と赤線で明示)

まず①の写真からですが、
上の青線で示されているドローのラインは押し手から12.4°開いていますよと。そして下の赤線で示されているラインは押し手から8.6°開いていますよと。この時一般的に、青線のラインの方を「ラインが広い」、赤線の方を「ラインが狭い」と表現します。
そしてドローのラインが赤線のように狭くなってしまうと、引き手の可動域が窮屈になり効率的なドローがしづらくなります。
したがってドローでは、青線のように、ある程度自分の押し手から離れた角度で引いてくることをオススメします!断然引きやすいです!

②横から見た時のドローの角度(黄色線で明示)

次に②の写真を見ていきますが、黄色の線は引き手の肘の高さの角度を表しています。
ドローの間、○と付いているラインのように、矢筋の延長線上に肘の先があるぐらいの高さであれば理想的だと思います!
一方、×と付いている方のように、ドローの間に肘の先が地面の方を向くように引いてきてしまうことは注意しましょう。ドローで肘が下を向いてしまうと、その方向につられて押し手の肩が上がりやすくなってしまったり、ドローの軌道がずれやすくなったりしてしまうためです。
「ドローの肘の高さ(=角度)は矢筋の延長線上に」覚えておきましょう!

Ⅲ-4. ドロー中に「ずれないこと」

ドロー中に取りかけと押し手の肩がずれないように

ドロー中にずれないこと。
何がずれないように注意せよかと言うと、
「取りかけ」と「押し手の肩」です。
取りかけはセットで決めた位置をずっと保っておけることが理想的です。
しかし、取りかけがずれることで悩んでいる選手は多いのではないかなと。
実はそうした方の多くがドロー中から取りかけが浅くずれてしまっています。ドローで取りかけがずれてしまうと、その状態のままアンカーから伸びへと進むことになります。自分で自分の首を絞めないためにも、ドロー中から取りかけがずれないように意識しておきましょう!

そして押し手の肩がずれないことも超重要です。前回のコラムでも繰り返し書きましたが、セットアップでは押し肩を決めます。しかし、せっかくセットアップで綺麗に決めた肩も、その後のドロー中に詰まったり逃げたりしてしまうと十分に機能しなくなってしまいます。具体的には、フォームのラインが崩れたり、弓の力を十分に支えられなります。
したがって、ドロー中は押し手の肩がセットアップした位置からずれないよう、押す方向にも力を感じながら弓を引いてくるようにしましょう!!

Ⅳ. まとめ

以上、今回は【ドロー】についてコラムを書いてきました!
ここで1つ注意点です。
ここまで細かくドローについて意識するポイントなど書いてきましたが、ドローは基本的に、流れを意識して弓を引いてくるようにしましょう!
コラムの性質上、どうしても文字ベースで書くので動作の解説が小間切れにになってしまいますが、実際の動作では小さなことに気を取られすぎるよりも流れを繋げることが重要です!

では以下まとめです。
▶︎ドローはシンプルな動作ゆえに、
 しっかりとポイントを押さえよう
▶︎ドローには「速さ」「角度」「ずれないこと」
 という3要素がある
▶︎ドローの「速さ」は自分の最適を見つけよう
 
ゆっくり:正確だが筋力負荷大
 素早く :筋力負荷小だが正確性減
▶︎ドローの角度は、
 押し手から少し離れる角度で引いてこよう
▶︎ドローの角度は、
 引き手の肘の先が矢筋の延長戦上にくるように
▶︎ドローでは、
 取りかけと押し肩がずれないように注意しよう

今回の記事があなたのアーチェリー技術の向上に貢献できると幸いです!

ではまた次回!!!

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