泥田んぼを歩く~足を摺る
よく空手や日本武道における足捌きに、「摺り足」というものがある。
足を地面から離さず、滑るように体を運ぶ技術のことをいう。
私は、幼き頃空手を学び始めた時、摺り足を学び、とても難解な技術だなと思った。
素早くカンガルーのようにピョンピョンと体を上下に弾ませるというイメージで身体を動かしていたが、武術にはそのような動きはなかった。
体を動かすということ。
そこにはさまざまな文化や歴史的な背景やそして身体感覚のイメージの違いなどを感じた。
筋力を意識して動くのか、重力を意識して動くのか。
その意識でも体の表現は変わったものになる。
もしかしたら、武術というのは体を運ぶ身体操作のみならず、心の動きをコントロールしながら、穏やかさを保ちながら、戦をするそのような術がこめられているような感覚がある。
争いが少ない現代だからこそ、
古の武術の体の捉え方
意識の置き方というのは
とても参考になることが多いと思う。
温故知新。
昔があるから今がある。
今を生きているから昔を感じることができる。