苦手と向き合う!図形伝達ゲームのハナシ
就労継続支援ビルドでは不定期にセミナーを開催しており、先日は「図形伝達ゲーム」をしました。
ざっくり言うと、全員に違う図形を配って、言葉のみでその説明をするゲームで。
コミュニケーションが苦手という利用者の皆さんにとっては最難関のゲームで、日ごろは苦手と真っ向から向き合うことをしていません。精神的負荷も高いので1年に1回くらいの特別プログラムです。
一般企業等ではリーダー研修や初任研修で行われることが多いでしょうか。相手の理解に合わせてわかりやすく伝えること、どんなに言葉を尽くしても認識の相違が生まれることなどを体感することが目的ですね。
ビルドの利用者さんたちは総じて耳から受け取る情報を処理することが苦手で、聞いた情報を脳内で処理して紙に出力することもとっても苦手です。=聞きながらメモも苦手です。
終了後は、皆さんぐったり。
でも、皆さん伝え方をとっても工夫されていて
苦手なことって、なかなか取り組まないですよね。
使わない機能が衰えることは脳の神経細胞も一緒。
少しでも「こうしたら伝わる」経験をできるといいなと思いました。
質問をしてもらえると正確に伝えられているか確認できていい、という感想もいただきました。
伝えるコツや模範解答を示した上で、皆さん工夫して説明をされていました。
コツ1:全体→詳細で伝える
コツ2:具体的に伝える(大きい→10cm)
コツ3:言葉は正確に使う
全体の印象としては「上手に伝えられているな」という感じで
発信は得意だけれど受信が苦手な方が多い印象です。
なので、合理的配慮としては周囲の人がどれだけ伝え方を工夫できるか?というところにかかっているのですよね。
ビルドでは、基本的にチャットのツールを使います。文字情報で指示を渡した上で口頭と実演で説明ということが多くて、本人にメモを取ってもらうことが少ないです。というか、メモが苦手なのに無理やりメモを取らせて、結局そのメモが読めなかったり意味がわからなかったり、そもそもメモを取ることに神経を注ぎ過ぎて話を聞いていない…なんてことになっていたら、もう一度説明しないといけなかったりして、全く非効率的です。図形伝達ゲームは、どちらかというと障害者雇用を受け入れる企業の方に体感していただくために導入してもいいかもと少し思いました。
ちなみに先日のトリセツ!第3期企画会議でも、メンバーから指示関係の希望として「一つずつ言ってください」「一気に言わないでください」等の提案が多かったです。結果としては「紙に書いてください」を採用しましたが「情報は伝わりづらい」ということを周囲の皆さんにご理解いただけると、みんなずーっと働きやすくなると思います。
可能ならば利用者の皆さんが、ご自分で把握し「こうしてもらえると助かる」を発信できるようになるといいなと思いつつ、裏テーマの「大きな声を出す。口をはっきり開ける」をまんまと達成して満足したのでした。
最後に、今回の図形伝達ゲームで使用した図形を公開します。よく見る図形も混じっていますが、もしよければお役立てください。