合意形成と意識の共有のハナシ
就労継続支援ビルドでは土曜の開所日に各種セミナーを開催しているのですが。
今回2020/7/4はコンセンサスゲームをやりました。
4月以降リモートワーク併用になったタイミングから新規利用になった方と、たまに通所される方がいて、ビルドは登録の全員が事務所に揃うことがほとんどありません。
すれ違いの連続で
それまでは「誰が誰かなんとなくわかる」という状態でしたが、徐々に「いつのまにか人が増えている」状態になっていました。
顔は見てる、なんならたまに言葉も交わす。で、誰?ということもしばしば。
※初対面の人と話すときは名乗りましょうね!アシタカを見習って!!
障害特性も影響するのですが、人の顔と名前を覚えることが苦手な方が多いです。座席表と名札もありますが。
というわけで
久しぶりにコミュニケーション系のワークでした。
もちろん、ソーシャルディスタンスに配慮して個人ワークはGoogleフォームを使い、各自の席から2メートルくらい空けた状態で話し合いました。
今回取りあげたのは【雪山での遭難】
NASAゲームとして有名な宇宙船や砂漠のものは他の機会に経験している方もいらっしゃったようなので、少し違ったものをチョイスしてみました。
コンセンサスゲーム、多数決でもなく無理強いでもなく、合意を形成する。というところがポイントなのですが、20分程度の制限時間でそれぞれの考え方を確認し、歩み寄り、アイテムを取捨選択する優先順位をつけるところまで話し合う必要があるので、けっこうな極限状態が訪れます。
ゲームだけではなく会議や打ち合わせ、普段の会話においても、決めたい方向性を共有しないまま脱線し続けていくことが多々あると思いますので、今回は
・まずはじめに、方針を決めること
・方針を共有した上でアイテムの優先順位を決めること
と、話しあう順番を最初に提示してみました。
結果
方針を決める(その場に留まって救助を待つか、助けを求めて移動するかの二択です)だけで40分かかりました。
チームワークを形成すること、その場のみんなで同じ結論に達することが目的だという意識の共有が足りなかったのかもしれません。
5人で実施したのですが、3:2で意見が対立して平行線のままでした。
合意形成って難しいなー!!!と実感できてよかったです。
話し合いって「自分の意見を主張する」とか「意見を押し通す」ものじゃないし、双方の歩み寄りが必要なわけですが……難しいですね!
コミュニケーションを深めるワークなのに、人間関係に亀裂が入るかとひやひやしました。
一晩くらい経ってから「あー、こんな妥協案提示できたなあ」と思いついたこともあったのですが、その場では思いつきませんでした。(傍から見ていただけなのに)
ただ、一人で考えているときよりも全体で話し合ったほうが結果が良かったことは事実で、少しでも「一人よりみんなのほうが力になる」と実感できていたら幸いです。
今回はゲーム形式でしたが
打ち合わせや会議でしばしば起きる状況と似ているなあと思ってみていました。
無理を押し通そうとするクライアント!
無茶ぶりをする上司!
指示されたことや聞かれたことに答えたつもりなのに「違う」って言われる事態!
どんな風に伝えるか?
いかに都合の良い(笑)妥協案を提示できるか?
今、何を目的にしているのかを共有できているか?
相手が求めているものが何なのかを的確に捉えられているか???
高等テクニックの連続ですね。
言葉の意味の捉え方・情報などは共有しやすいのですが、自分が何を大事に考えているかの価値観だとか何を決めるかの目的というものは意識しないと共有することが難しいものだそうです。
自分の考え(主観的情報)って、自分でも意識していないものなのかもしれませんね。
結果、話し合いがすれ違うことが起きるようです。
就職面接や職業訓練校でよく使われるというコンセンサスゲームですが、そもそもNASAの宇宙飛行士(選抜)のために開発されたものであるならば
宇宙飛行士という超絶に優秀な人が集まったときでさえ意見は食い違い話し合いは紛糾するということですよね。(優秀すぎるがゆえに頑固なのかもしれない…)
だから、うまくいかなかったからといって落ち込まず、諦めず、取り組んでいく課題なのです。
ゲームマスターとしての未熟さも感じたので、またブラッシュアップしてやってみようと思います!
ビルドでは、お仕事のスキルアップのほかにコミュニケーションスキルや自己理解に役立つワークも随時実施しています。次回はストレスコーピングになる予定です。
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