【新作】ホールカットのアンクルブーツをハンドソーンノルべジェーぜ製法で作りました。
新作できました。
贅沢な一枚革を使用したホールカットのアンクルブーツです。
一枚のパーツから成るホールカットは、大きく部位が必要となるので贅沢と言われています。むしろ一回で切り終わるし、何回も縫製しなくていいから、ラクなんちゃうんー?と思った方もいらっしゃるかもしれません。妻もそう思っていました。
「手ぇ抜いてるんちゃうん?」「違うわ!」そんなやりとりがありました。笑
しかし、革の傷や穴開きなどを避けてパーツを取るのは、良い革でないと案外難しいこともあるのです。革の向きや伸び具合を慎重に確認しながら部位を選んでパーツを取る必要があります。
逆に細かくパーツを分けるデザインの靴は、傷や穴あきを避けられるというメリットがあるのです。
まぁ革も天然なものですので、傷や穴はしょうがないし、それも味やと思っています。何にでもメリット、デメリットはあるということです。
更に、仕立てる際にも一枚革やと吊り込みにくいという難点があります。パーツを分けていると、余分な肉の逃げ場ができるのですが、一枚革には逃げ場ゼロの大ピンチ。寄せたお肉がぐるぐると回って戻ってくるだけです。
例えば、スマホの液晶フィルムを貼るときにど真ん中に入ってしまった気泡のように厄介です。
革が木型にピタリと沿うことで綺麗な靴が仕上がるのですが、そこに隙間ができるとピシッとしきらないフワッとした仕上がりになってしまいます。一枚革をピタリと綺麗に吊り込むのはいつもより少々時間が掛かります。ブヒの好む分厚くてワイルドな革なら尚更です。
元々平面の革を立体にしようとするのですから、それなりに大変なのです。実は。
後ろから見ても継ぎ目なし。
横から見ても継ぎ目なし。
ライニングの踵面も継ぎ目なし。
内側に切り返しがあるのみでーす。
短靴ではたまに見かけますが、ブーツでは珍しいのかもしれないです。
カモフラ柄と鎚起加工で立体感も出ているので、カジュアルすぎず、ドレッシーすぎずのブヒの好きなバランス感で仕上げています。
それから、お馴染みのチェーンステッチ。
今回は3色使い。キャメルと焦茶と生成りの3色です。アッパーのカモフラに合わせて仕上げました。
コバとソールは鎚起加工とアイアン仕上げの合わせ技で、鉄っぽい風合いに仕上げました。
「なんなんこれ?鉄?」と思って頂けたのなら、バンザイです!
アウトソールはビブラムのNEW FREX 配合の#528K というソールです。
ラバーソールの比重の50%軽量ながらも、ワークテイストを残しつつ軽さと耐久性を備えたソールです。
見た目は鉄みたいで重そうですが、軽いです。
素材の感じはビブラムの#2021と似ているような気がします。軽くて強いの最強。
このソール、気に入ったのでこれから多様しそうです。
ちゃっかり靴紐もご紹介!!
リネン混のワイルドな風合いの靴紐。
使用した色はモカでーす。
今回の新作たちは面白いシリーズになったなぁーと思っています。
作りたいもののイメージと完成した姿がバチーっ!と合った感じです。お気に入りたちです。ホールカットのブーツはまた他の革でも作る予定です。
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