ビンテージ靴の修理。今までにない緊張感と戦う。
靴修理の記事です。
このビンテージ靴はおそらく1940年代のものかな?といったところです。それはつまり今から約80年前の靴ということです。
あぁ、自分らの靴が80年後にもまだどこかの誰かに履いてもらえていたら嬉しいな、嬉しすぎるやんな。と、しみじみ感じました。
そんなビンテージ靴は、歩いていて蹴躓いた拍子にソールがベリッといくくらいのお品です。
原型を留めているだけすごいような状態。革はもう朽ちています。
そんな靴をバラす作業は、いつも通りにはいきません。力任せにやると全破壊の恐れがあります。丁寧に慎重に作業していきます。
こんな状態ですが、ハンドソーンでしっかりと丁寧に作り込まれた靴だということが分かります。
ハンドソーンの靴は頑丈で長く履けますよーと、新品の状態でいくら言ってもあんまりピンとこない方が多いのは当たり前です。でもこの状態を見ると何となーくそれとなく伝わるのかもと思います。だって80年前の靴ですのよ。
中底を直接すくい縫いしているハンドソーン製法では他の部分が朽ちていても何とか靴の形を留められているのは、この基礎部分をしっかりと組み立てているからかなと思います。
中底が取れましたー。太い糸でしっかりと縫われていたことがわかります。
さて、ココからアッパーを洗います。
80年分の汚れをさっぱりと落とした後、しっかりと保湿メンテナンスしていきます。
履いておられた時にもしっかりとお手入れしてくださっていたので、このアッパーも何とか生きておりますが、やはり80年の年月は長かったです。慎重に作業していきます。
バラバラにしたついでにライニングの破損を見つけたので、つま先分だけ新しくします。
中底を新しく作り直して、吊り込み直していきます。
木型はできるだけ近い形のものを使います。
今回の吊り込みは、いつも以上にヒヤヒヤものでした。
カスタム等で行う「吊り込み直し」の作業は、一から靴を作る時よりも"吊りしろ"が少ない状態で吊り込みます。つまりギリギリ。
靴を作るときには元々1.5cmくらいある"吊りしろ"ですが、吊り込みが終わると余分な部分をカットします。
その状態の靴をバラして、また吊り込む。ってことは、"吊りしろ"ほとんど無いんですよねー。
そんな状況で、超ビンテージなこの靴を吊り込み直すというリスキー極まりない作業。何度も言いますが慎重に行いました。
ココから先の作業写真がないのですが、動画も作りましたので宜しければどうぞ。
んで、すく縫いして、ソールも新しくして、何とか蘇りましたー!!
ココからは、ビフォーアフターでご覧くださーい。
この後、靴紐も新調して完璧でしたー。ご依頼いただきありがとうございました!!
本日も最後までご覧頂きありがとうございましたー。
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