パスティーシュオールスター!大乱闘シャーロック・ブラザーズ3

「よくぞ見破った!」

目の前のホームズ幻霊は消え、一人の線の細い男が立っていた。

「私はシドニー・パジェット。ホームズの挿絵を描いていたものだ」
「ミスタ・パジェット!ストランド・マガジンの、あの!!」
立香も絵を見せてもらったことがある。鹿撃ち帽のホームズ、ワトソン医師とくつろぐホームズ、虚ろな禿げ頭のモリアーティ、ライヘンバッハに落とされるモリアーティ・・・

あっ。

「貴様か!貴様が!あんなもん描くから!私が!アラフィフで!ホームズめが!イケメンで!現界して毛があったからよかったものの!私がハゲワシそっくりだと後世にまで伝わってるんだぞ!この!この!」
「何をする!やめろ!本当に落ちる!離せ!・・・失礼、若き魔術師と少女よ。後世まで私の絵が残っていてうれしく思う。さらばだ!」

パジェットは光となって消えた。残りのホームズは2人・・・


2.ホームズ2号

以下、インタビュー内容

マシュ「出身は?」
ホームズ「内緒さ」
マシュ「では活動時期は」
ホームズ「ヴィクトリア王朝時代」
モリアーティ「研究熱心なほうかね」
ホームズ「無論だ。第四特異点ではマキリに気付かれないようメモを残す程度だったが、あそこに至るまでは大変だったとも。ミス・キリエライト。アトラス院で話した内容を覚えているかい?結構。単独レイシフトは一定確率を下回ると存在消失するし疲れるから研究熱心というよりは仕事熱心なのかもしれないね」
マシュ「・・・!」
ホームズ「新宿でエドモン・ダンテスの姿を取ったときは些か苦労した。あれは神秘の類だからね。だが根本を模倣すれば些細な差は自然と修正されていく。初歩的なことだよ、友よ」
モリアーティ「忘れるなよホームズ、新宿で貴様が勝てたのはマスター君のおかげだということを。ところでパイプでもどうだ 普段はあのクリミアの婦長がうるさいだろう」
ホームズ「いただこうか。毒などないだろうね?しかし懐かしい」

マシュ「特異点のこと、全部記録と齟齬がありません・・・」
モリアーティ「もう少し引き出したいところだがここへ来て口数が減った・・・どうするね?マスター君」

「彼はホームズだ」

「彼はホームズではない」

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