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FRB、利上げ0.5%に減速 来年は5.1%を予想

バフェット太郎です。

FRB(米連邦準備制度理事会)が12月FOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利を0.5%引き上げて、「4.25-4.50%」とすることを決定しました。

また、来年以降の利上げ幅は0.25%とし、ターミナルレート(利上げの終着点)は5%を上回るとの見通しが示されました。

FRBは3月、6月、9月、12月の4会合で、SEP(経済予想サマリー)を公表しています。SEPはFOMCメンバーが予想する経済及び金利見通しのことです。

たとえば、23年末の実質GDPは+0.5%と、9月時点の+1.2%から大幅に下方修正されました。また、限りなくゼロに接近しているということは、FRBは「米経済はリセッションの瀬戸際にある」と認めたことを意味します。(実際、FOMCメンバーのうち数人は、マイナス成長に陥ると予想しています。)


また、23年末の失業率は4.6%が予想されています。11月の失業率が3.7%だったことを考えると、およそ1年で1%弱の上昇が見込まれていることを意味します。

過去を振り返ると、1年程度で1%上昇すると、その後必ずリセッション入りしていましたから、仮にFRBの予想通り失業率が4.6%に上昇すれば、米経済はリセッション入りする公算が大きいです。

FRBがインフレの指標として特に重要視しているPCE(個人消費支出)インフレ率は、23年末に+3.1%まで減速することが予想されています。9月時点の+2.8%から0.3%ポイント上昇したものの、FRBがインフレは沈静化に向かっていると考えていることを示唆しています。

政策金利は23年末に5.1%まで引き上げられると予想しています。これは0.25%の利上げがあと2~3回実施されることを意味します。

また、パウエル議長はFOMC後の記者会見で、記者団から「来年は2月FOMC以降、0.25%ずつの利上げをする方向か?」と聞かれると「まだ方針を決めていないが、おそらくそうなると思う」とし、0.25%の利上げを連続して行うことを示唆しました。

FOMCメンバー19人が予想する、将来の政策金利をドットで表した「ドットプロット」を眺めると、23年の「5-5.25%」のレンジ内(赤枠)に10個のドットが並んでいるほか、その上にはさらに7個のドットが並んでいることがわかります。

これは、FOMCメンバー19人中17人が23年末時点の政策金利は「少なくとも5-5.25%になる」と予想していることを意味します。この見通しは市場参加者の見通しを0.25%分上回る水準です。

たとえば、この表は市場参加者が予想する将来の金利見通しを表したものになるのですが、市場参加者は2月と3月にそれぞれ0.25%の追加利上げをしたら、そこで打ち止めになると予想していることがわかります。

つまり、FRBは市場参加者よりも1回(0.25%)分多く予想していますから、ややタカ派寄りの印象を与えました。

また、パウエル議長は「23年の利下げを予想していない」とする一方で、市場参加者は「11月と12月に、それぞれ0.25%の利下げがある」と予想しています。

これは、パウエル議長がターミナルレートが5%前後であると示唆したことを意味します。また、パウエル議長がタカ派というわけではなくて、インフレ圧力の再燃を警戒しているほか、将来の金融政策の選択肢を確保する狙いがあります。

たとえば、FRBが来年下期の利下げを示唆すれば、株価が急騰することで、資産効果からインフレ圧力が再燃しかねません。また、利下げを一度示唆してしまうと、もし利下げをしなかった場合、株式市場は急落する可能性があります。

そのため、パウエル議長の「23年の利下げを予想していない」という発言はタカ派でもハト派でもなく、中立と受け止めるのが自然です。

12月相場は株を買い向かう局面

さて、12月FOMCを受けて米主要三指数が軒並み下落したことで、怖気づいている個人投資家も少なくありません。しかし、大方のシナリオが変更されたわけではありませんから、過度に懸念する必要はないです。

たとえば、FRBは3月に0.25%、5月0.50%、6月、7月、9月、11月にそれぞれ0.75%の大幅利上げに踏み切りましたが、12月には一転して0.50%と、今回の利上げサイクルで初めて減速させました。これは、パウエル議長が引き締め政策の方針転換を宣言したことに他なりません。

また、利上げの打ち止め時期については、3月か5月かでFRBと市場参加者の間で見方が割れていますが、わずか2カ月の差でしかありません。

さらに、ターミナルレートに至っては、わずか0.25%の違いでしかありません。

つまり、恐れることは何もありませんし、ましてや弱気筋が期待している暴落など起こりようがないのです。2~3%の株安で怖気づくなんてクソダサいことは止めてください。

グッドラック。

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