1982年のTikTok 15
あなたといると不思議・・・。
とっても穏やかな気分になれる。
まるでこごち良い、陽だまりのように、
いつも、私を包んでくれる・・・。
困った事があっても、別にこれといった
アドバイスをしてくれるわけでもない
ただ、黙って聞いてくれるだけ・・・。
話しを聞きながら、コーヒー豆をローストしていくあなた・・・。
こごち良い焦がしの香りが、部屋の中に漂う。
あなたは、私の話を聞きながら、手を止めない。
炒った豆を挽き、サイフォンに投入する。
私の、とめどもなく流れ出す毒を受け留めながら、
あなたは目線を、コーヒーから離さない。
貴方お気に入りのカップに入った
珈琲が、私の前に出てくる・・・。
苦くも無く、酸味も強くない、私好みのアメリカン。
あなたは、酸味の強いコロンビアが好きなのは知っている。
私の為にいれてくれる珈琲。
いつもあなたは、自然体。
私が、ホッとできる瞬間が、ここにある・・・・。
だから・・・、あなたを恋人に出来ない。
どちらかが、1歩み寄ったら・・・、
きっと、このひと時が、壊れてしまう。