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1人で悩むなら、武者修行しようよ
さすらい型日本語教師のknkです。
タイトルから、どっか行って厳しい訓練でも受けるのかと思われそうですが、そういうわけではありません。
私なりのステップアップ法が、今考えると武者修行だったなと。
私はこの日本語教育の世界に戻った際、とにかく直接法でのクラス授業に戸惑いました。
というのも、これまでの私は
海外で、その国の言葉を使いながら教える(しかも初級のみ)
あるいは
国内プライベートで、レッスン中はその人に付きっきりかつ基本は会話がメイン(場合によっては英語を使う)
しか経験していなかったから。
日本語だけで、しかも大人数の授業はしたことがありませんでした。
上のクラスで、たくさんの人数を前に読解や聴解のテクニックを教えるなんてもうどうすんのって話でした。
自分自身が英語の長文読解が苦手だったので、外国語の読解というものがイヤな気持ちはいやってほどわかりましたが、なんせ自分の学生時代は
嫌いだから捨ててた。笑
でも、教える側がそうするわけにもいかないので、学生時代の頭に戻ってどうやって解いてたかを思い出しながらやりました。
そうは言っても日本語と英語は違うしなぁ…しかも読解は日本人の先生に日本語で教わってたしなぁ…迷走。
そして読解が絶望的なのとは反対に、私は学生時代、リスニングが
超得意でした。
自己採点ですが、センター試験のリスニングはおそらく満点。英語もスペイン語も聞いて覚えたと言っても過言ではない。
日本語教育能力試験(日本語教師の試験)でも聴解がありますが、1番点を取れる箇所でした。
なので私にとって、リスニングが苦手な子は「何が聞き取れないのか」「何が問題なのか」が見えない。これもネックでした。
しかし、悩んでも仕方ない。仕事はせねば。
そこであることを実践。これは数少ない自分のいいところだと思うんですが、
「分からんもんは誰かに聞く」にためらいがない。
よく「こんなこと聞くなんてしょうもないと思われそうで…」と一人悩む方がいらっしゃいますが、
新人だからこそ聞いてもおかしくない。
むしろ聞かれて「そこでそんなこと聞くなよ」と思うやつは「キミは一人で大きくなったのかい?」と言いたい。
大人なんだからよっぽどアホなこと以外は分別をもって聞きますよ。
なので私は恥ずかしげもなく聞きまくりました。常勤・非常勤関係なく、皆さんどうされてるんですか、と。これに困ってるんですけど何かいい方法ありませんか、いい本があったら教えてください、聴解が得意だった分苦手ポイントがわからないんです、、、など。校長にまでも聞きました。外国人の通訳スタッフに、日本語をマスターするまでで何が難しかったか、どうやってそこを乗り切ったかも聞きました。
そうすると案外面白い結果が得られました。
ベテランは読み方のポイントを、同じくらいの経験値の先生は一緒に悩んでくれました。今となっては当たり前ですが、日本語は文末に重要なヒントがあること、逆説の表現が出てきたらその後に注意、テストの際、漢字は読めなければ同じ形のものを探して絵だと思え、など。
ここで「えー…」と言葉を濁すベテランがいなかったのと、「わたしも困ってます〜」という先生が多かったのは大きな収穫でした。
そこでなるほどーと思う反面、自分がそれをうまくできるか?となると別。
だから次の一歩。
「授業を見学させてください!」
この時の学校は、新人の場合、私がやることがその後入ってくる先生の基準になる傾向があったので、割と融通が効いたのもありますが、とにかく見学できる限りの授業を見学させてもらいました。私より後に入社された先生でも元のキャリアが長ければ先輩です。盗めるものは盗ませてもらおうと思い、学校の許可を取ってたくさん見せていただきました。4人の先生、合計5回お願いしました。(やりすぎたのか、今は3回までという規定ができたそうです…滝汗)
そこでわかったのは
同じことをやっていても個性と調理の仕方で味付けは変わる。
職人のような緻密に練られた授業
落語のような話を聞いているだけで見えてくる世界観とテンポのある授業
体育会系で真正面から学生に向かっていくハキハキした授業
雑談をしていたと思ったら実は今日の授業内容に入っていて、いつの間にか使えるようになっている授業
などなど。
いろいろ見ていく中で自分にもやれそうなこと、使えそうな構成を組み合わせつつ、自分のやりやすいやり方を模索しました。
見学後はその活動のポイントと意味を聞いたり、気をつけるべき点を確認させてもらいました。話し方一つ、目線の方向も参考にしました。
うん、やっぱり聞くだけと本当に見てみるのは違う。
自分でいろいろ調べ、自分のやり方を邁進することでできる方はそれでいいのです。頭いいしクリエイティブ。憧れます。
しかし私はそこまで賢くないので先人の知恵は思いっきり借りようと思いました。そのおかげで最近は少し、私のカラーも出てきました。
さらに、このもがき期間中から今まで、大学時代にお世話になったゼミの指導教授が学内で面白い日本語教育のセミナーがあるたびに誘ってくださるのでそれにも出来る限り参加しています。卒業から何年も経っているのに、未だに気にかけてくださる指導教授に出会えたのも私のラッキーの一つです。
ここまで書いてきてわかったのは、人間、なんか困ったー困ったーって割とわかりやすく言うてると、誰かが引っ張り上げてくれる。
それはとてもありがたいし、引っ張ってもらえる人間であり続けたい。そして引っ張ってもらった分、今度は私が誰かを引っ張り上げたい。今は無理でもそうなりたい。
今は流石に「見学させてー」は言わないですが(出来るもんならしたいですが)、なるべくいろいろな先生と「授業でこんな活動をしたら盛り上がった」やら「この文型ってどう説明したらすんなり理解できますかね?」という話をするようにしています。自分では気づかなかった説明法や活動案が垣間見えて面白い。先日は学生に大喜利をさせたという先生がいらして、それはマジで見てみたかったと思いました。
悩める時は一人で悩まず誰かに相談、できるものならいろんなところに首突っ込む。そうすると案外答えが見えてくる気がしています。
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