三年博士課程太郎
一日中村の大学で遊んでいて、村人から怠け者と嫌われ、ハカセタロウと呼ばれている男がいた。さすがに一週間に二回はバイトして、日銭を稼いでいるものの、それ以外はもう三年も大学で遊んでいた。
ある年に、村が日照りで田んぼに水がなくなってしまった。村人たちはこれはこの村に罰当たりがいるせいだといい、ハカセタロウを殺そうとした。
その夜、ハカセタロウは夜中に起き出して山の上の大きな岩をつかみ、崖下に落とした。岩は大きな山崩れを引き起こし、その下を流れる川の流れを変え、村の近くまで水が届くようになり、田んぼにも水を引くことができた。
ハカセタロウはただ大学で遊んでいたのでなく、どうすれば村が助かるかを博士課程在籍中ずっと研究していたのだった。
その後紆余曲折があって、大学での研究費が爆増して雇用も任期制がなくなり事務作業は専門のスタッフがほぼやってくれるようになりましたとさ。めでたしめでたし。