泣ける・伯瑜の親孝行
お昔中国に伯瑜という男の子がいた。
その伯瑜の母は継母。
しかも大変短気。
伯瑜がちょっとでもミスをすると激しく鞭でひっぱったいた。
あなたも会社に入って、その会社の上司が大変に短気とか無責任とか変な人とかあるかもしれません。
またあなたのご両親をあなたがあまり尊敬できないことがあるかもしれない。
「借金したらだめよ!」っていいながら、母ちゃん思いっきり借金踏み倒しているとか。
「うそつくな!」とかいいながら自分はおもいっきりうそついているじゃないかとか。
伯瑜のお母さんはただ冷たい、意地悪な人であった。
お母さんのほうはすぐに鞭をうつようなあまり人間的には関心できない人であった。
伯瑜はお母さんが厳しく当たってくださるのは自分を成長させるために愛の鞭をうってくださっているのだと思っていた。
愚痴や不足一ついわず、ただお母さんの言われるとおりに叱られ、鞭に打たれていた。
普通だったら、そんなふうにされたら
「私もやってやる!バシッ」とか。
「いて—なー」とか。
「全くもう!」とか。
すぐにうじうじしたり、身の不遇をなげき、インターネットでそれなりのサイトに発言して助けをもとめる。
しかし、伯瑜は不足も愚痴もこぼさなかった。
ある日のこと。
伯瑜が鬼婆に打たれてほろりと涙をこぼした。
それを見た母親。
「どうした、痛いのか。かわいそうだと思ってもらえると思っているのか。思ってやんないぞ」
ピシッ、ピシッと一層もりあがった。
伯瑜は
「いえいえ、違います。今日のお母さんの鞭は弱くなっていました。
私はお母さんの教えているとおりに成長できず、ただ時間だけすぎていきました。
一方、そうこうしている間にお母さんのほうは寄る年波には勝てず、
鞭をうつ力がよわくなってしまった。
申し訳ないやら、なさけないやら。
お母さんの身体を案じて涙がこぼれたのです」
それを聞いた鬼婆は自分の鬼のような心に比べて、伯瑜は真面目で純粋。
思わず鞭を落として、それまでのことを悔い改め泣かずにおれなかった。