私と彼のこと(1)-誕生-
誕生
2020年7月11日、孫が誕生した。
男の子だった。
私の長男AとパートナーのRさんとの間に生まれた第一子となる。
コロナ禍の真っ只中の今、2ヶ月以上新規感染者が確認されていない田舎ではあるが、産院を訪れることが許されているのは、父親である私の長男だけ。
しばらくはRさんと長男がシェアしてくれる写真だけが彼のことを知る唯一の手がかりとなる。
ドキュメンテーション
ところで私は、職場であるこども園で、副園長という立場で写真記録に力を入れている。
いわゆる保育ドキュメンテーションという記録の手法だ。
ふと思いついて「孫の成長をドキュメンテーションにしてみるかな」と呟いたら、園長でもある妻に「そりゃそうでしょう、何をいまさら」と笑われてしまった。
彼女の中では既定路線だったらしい。
そうか、私がそうするのは当然なのか。
そう言われてみると、確かにそうしないはずがないとも思えてくる。
どこにどのように記録しようかと考えて、アカウントを取得して以来放置したままの、この「note」というものの存在を思い出した。
せっかくだから、しばらくはここに記録してみることにする。
タイトル
タイトルは「じいじと孫」にしようか迷ったが、二人の関係性をそこだけに限定するのもつまらないと思えてきたので「私と彼のこと」とした。
まだ会ったこともない「彼」のことを想い、こんな文章を書き始めてしまうくらいには「私」は冷静さを失っている。
彼が成長していく姿を記録し、その意味を考えていく中で、私がどう変わっていくのか、それもまた楽しみだ。