私と彼のこと(655)-自分で-

数ヶ月前から、兄・N君が入浴を嫌がるようになった。
日中は「じゅいじゅい(じいじ)」と私の手を引いて一緒に遊びたがるのに、夕食後になると(そろそろお風呂の時間だ)と察知して、私から逃げ回るようになる。

それでも、浴室に入ってしまえば楽しく遊び始めて、逆にお風呂から出るのを嫌がるような始末だったのだが、先週あたりからは髪や身体を洗うときに泣いて抗うようになってきた。

一過性のものだろうと長い目で見ることにして、数日前からは順番を入れ換えて私が先に洗髪等を済ませるようにしていた。
昨晩は、私が洗っているのを見て、自分の手に石鹸を付けてほしいと要求し、身体にこすり付け始めた。
「そうかー、自分で洗いたかったんだ?」と尋ねると、「ウンッ、ウンッ」と頷く。
その後は最後まで機嫌よくスムーズにことが運んだ。

これからも同じ手が通用するとは限らないのだが、じいじも引き出しを増やしていかないとね。

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