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私と彼のこと(24)-指さし-

指さしは世界共通

Rさん(彼の母親)が送ってくれた写真が、なんとなく彼が自分を指さしているように見えたので、赤ちゃんの指さしについて整理してみた。

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生後10か月~12か月頃、ハッキリとした言葉を話し出す前の段階で、指さしが出現する。
これは、世界共通。
どんな言語体系の国・地域でも同じ。

叙述・情報提供・質問・要求

赤ちゃんの指さしは、その機能・意味の視点で四つに分類できる。

叙述の指さし:自分の発見と興奮を大人と共有するための指さし

たとえばネコを見つけたとき。
「(あ、ニャンニャンだ!)」と、嬉しそうに赤ちゃんが指さす。
これに対して、大人は「あー、そうだね。ニャンニャンがいるね。可愛いね」と、同じく嬉しそうに応答する。
この経験の積み重ねで、赤ちゃんはたくさん指差しをするようになる。
大人が無視したり、詰まらなそうな反応を続けると、指さしをしなくなってしまう。

情報提供の指さし:大人が気付いていないことを教えるための指さし

たとえば、大人がよそ見をしている間に、何かが机から落ちたとき。
見失った大人が困っていると、赤ちゃんは指差しをして教えてくれる。
赤ちゃん自身には興味のないものでも、大人が困っていることが判ると指さしで教える。

質問の指さし:見慣れないものについて、大人に教えてもらうための指さし

「正しい情報を教えてくれる」と信頼している大人といるときにだけ、指差しをする。
「間違った情報を与える」と見做した大人には、質問の指さしはしない。

要求の指さし:欲しいものを示して、大人に取ってほしいと伝えるための指さし

自分で取ることのできる距離にあるものを指さすこともある。
取れないから取らせるのではなく、取ってほしいことを伝えている。

指さしは会話

上述したものを少し整理してみると、下記のようになる。

叙述の指さし:自分の感情を大人に感じさせる
情報提供の指さし:大人が知らないことを大人に気付かせる
質問の指さし:大人が知っていることを聞き出す
要求の指さし:自分の要求を大人に理解させる

全て、大人の思考や感情に働きかけて、自分の世界をより良いものにしようとしている。
つまり、指さしは会話と同じ機能を持っているということなのだな。

早く彼と話し合ってみたい。

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