私と彼のこと(403)-人馬一体-
私たちが住む地域も、ついに緊急事態宣言の対象となることが決まった。
しかし、宣言が発出されるだけで、社会的な感染拡大防止の手立ては何も示されない。
空しく、そして空々しい。
それはさておき、彼は一歳一カ月を過ぎたが、まだ歩行に至らない。
つかまり立ちのスピードは上がったし、立っちしていられる時間も長くなったのだが、まだ一歩目が出ない。
彼のノンビリした性格を象徴しているようだ。
一方で、抱っこされた状態で大人を自在に操る技術は高い。
人馬一体の境地に達した騎手のように、手足や視線、そして体重移動で私たちをコントロールする。
大人はさながら、馬かバイクかセグウェイだ。