私と彼のこと(594)-ベビーベッド-
長男A(彼の父親)が、彼の弟のためにベビーベッドを組み立てていた。
組みあがったものを見て、自分が使っていたときのことを思い出したのか、彼はよじ登って中に入ろうとする。
あなたのためのものではなく、明日やってくる弟用だよと説明されたがキョトンとしていた。
コロナ禍以前であれば、入院先にお見舞いに行き、お母さん(Rさん)と弟が一緒にいる姿を見ることで、自分に降りかかった事態を少しずつ理解をしていったことだろう。
長男Aに弟妹(双子の次男H・長女T)ができたときのことを思い出す。
面会時間が終わり、お母さん(妻)と別れるたびに、病院中に響き渡るような大声で泣いて私たちを困らせた。
母と会いたがるので、毎日面会に行ったが、離別の悲しみを繰り返すことが長男Aにとってよいことなのかどうか、かなり悩んだ。
今回はそうした悩みがない代わりに、彼の主観的には突然弟が出現したように感じるだろう。
どんな反応をするのだろうか。
心配し過ぎても仕方がないので、興味深く観察しようと思う。