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私と彼のこと(56)-車内放置-

また痛ましい事件が起きてしまった。
自動車の中に置き去りにされた6歳と3歳の姉妹が熱中症の疑いで亡くなった。

JAFが行った検証によれば、気温35℃の炎天下に駐車した場合、エンジン停止後10分で、熱中症指数(暑さ指数)は「厳重警戒」域まで上昇する。
ちなみに、私が勤務する園では熱中症指数が「厳重警戒」「危険」のときには外遊びは禁止となる。
子どもは大人に比べて体温調節の機能が弱く、短時間でも熱中症になるからだ。

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彼はもうすぐ生後2か月に達するが、日中に外出したことがほとんどない。
今の日本の夏は、特にお年寄りや子どもにとっては、非常に危険だ。
ましてや、エアコンが止まった自動車の中など、死に直結すると容易に想像できる。

しかし、保護者による子どもの車内置き去り事件は毎年のように報道されている。
幸いにして死亡に至らなかったケースは報道されないこともあるだろうし、通報等で救出された場合も私たちの目に触れるようなニュースにはならないのだろう。
そう考えると、事案そのものは、毎年相当な数発生していると思われる。

ひとり親世帯であったり、母親だけに家事・育児の負担が重くのしかかっていた場合、「短時間で済ませれば……」と考えてしまうこともあるのかもしれない。
就学前の子どもたちを2人・3人と連れて買い物をするのは、精神的にも体力的にも消耗する行為だ。
いわゆるワンオペ育児を余儀なくされている子育て家庭に、何らかの支援の手を差し伸べなければ、悲劇は繰り返されるように思う。

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