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私と彼のこと(34)-俺のギター-

今我が家は大変に散らかっている。
特にリビングが酷い。
彼ら3人の生活スペースを新たに作り直すにあたって、物置と化していた一室を明け渡すことになったのだが、そこから運び出した物が溢れかえっているのだ。

彼とRさん(彼の母親)が、ご実家から戻ってくるまでに片づけておかなければならなかったのだが、私も妻(彼の祖母)も長男A(彼の父親)も徹底したズボラなので片付けが一向に進まない。

その中でも、もちろん私が一番ひどいわけだが、特に家族からのやり玉にあがるのはギター関連と、バイク関連。
もう何年も、いやモノによっては20年位使っていないのだが、それはそれで愛着があって捨てられない。
断捨離が苦手なのである。

昨晩のこと、Rさんから、お風呂に入っている間、彼を見ていて欲しいと頼まれた。
長男Aは仕事で疲れて爆睡していたらしい。

腕の中でグズる彼をしばらく接待させていただいたが、どうやらただ身体を揺らしているよりも、ゆっくり歩いた方がお気に召されるらしいと気づいた。
そういえば、長男Aや次男Hもそうだったっけ。

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ところで今、リビングは非常に散らかっている。
最初のうちこそ上手いこと隙間を縫って歩き回っていたのだが、案の定、躓いた。
グレコのSGベースに向う脛をぶつけて、かなり痛い思いをした。
チラッとこちらを見た長女Tの目が「だから、使わないものは捨てようよ」と言っていた。

でも、これは捨てられないんだ。
父(彼の曾祖父)にもらったものだからね。
初めて組んだ、今思えばかなりしょぼいコピーバンドで弾いた、最初の相棒だからね。

これは俺のギター
俺がただ弾くためのギター
指に馴染んでとても具合がいい
さすが俺のギター
俺だけが弾くだけのギター
これを他人が弾いても
こうゆう音しない

私の子どもたちは誰もギターやベースを弾くようにはならなかったけど、彼はどうだろうか。

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