私と彼のこと(678)-お風呂⑦-
兄・N君は、しばらく前からお風呂前にぐずるようになった。
お風呂が沸いたことを知らせる音楽に敏感に反応し、大人の手を逃れようとするし、そもそも夕飯後はじいじやパパから距離をとり続ける。
なんとか説得して脱衣所まで連れて行っても、服を脱ごうとしない。
なだめすかして入浴にたどり着くと、今度は逆にお風呂から出たがらないし、服を着るのも嫌がる。
要するに第一反抗期(イヤイヤ期・ジブンデ期)なのだが、特に入浴の場面でそれが顕著にあらわれて興味深い。
幸い大人の手はたくさんあって、役割分担もできているので、イライラしたりはしないのだが、たまには最初から最後まで気持ちよく過ごせたらいいのにな、とは思っていた。
そこで昨晩は、時間の余裕があったので、ずっと彼のしたいようにさせておいた。
彼が浴室に行きたくなったら…
服を脱ぎたくなったら…
浴槽に入りたくなったら…
身体を洗いたくなったら…
お風呂から上がりたくなったら…
パジャマを着たくなったら…
その都度、私はそこを援助することに徹してみた。
すると、(当然なのだが)彼は終始ご機嫌で過ごした。
もちろん、じいじはのぼせた上に湯冷めしたけどね。