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私と彼のこと(27)-どんなかんじかなあ-

彼に絵本を読む機会を心待ちにしている。
自分の子どもたち(長男A・次男H・長女T)には、小学校低学年くらいまでは、夜寝る前に布団の上で、しばしば読み聞かせをしていた。
今はだいぶ機会が減ったが、園児に読み聞かせを行うことは、もちろんある。
でも、じいじとなって、孫に読み聞かせるって、どんなかんじかなあ、と思うのだ。

きっと最初に読むのは、定番のオノマトペ絵本になるのだろう。
『じゃあじゃあびりびり』とか『もこ もこもこ』とか『ごぶごぶ ごぼごぼ』とか。
視覚が未発達な時期は、音やリズムを楽しめる絵本が中心になるだろう。
色覚が発達し、物の形の認識ができるようになる時期からは、色や形を楽しめる絵本もいい。

ところで、保育関係者ではない一般の男性には、オノマトペ絵本やナンセンス絵本を苦手とする方が多い。
それ以前に、絵本の読み聞かせそのものに苦手意識がある方が多いのかもしれない。
「どう読んでよいかわからない」という声も聞く。
どう読んだっていいと、私は思うけどね。
私はかなり楽しんで読んでいる。

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彼にとって、私(じいじ)に絵本を読んでもらうのは、どんなかんじかなあ。
掠れた低い声で「もこ、もこもこ」とか「ふんわ、ふんわ、ふんわ、ふんわ」なんて聴こえてきたら、彼はどう感じるのだろうか。
皺と血管の目立つ節くれだった指が、色鮮やかな図形が描かれたページをめくっていくようすは、彼にどんな刺激を与えるのだろうか。

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今日、サブタイトルに引用した、『どんなかんじかなあ』(中山千夏・和田誠/自由国民社/2005年)は、年長児にも少し難しいかもしれない内容の絵本。

ともだちの まりちゃんは めがみえない。

それで かんがえたんだ。
みえないって どんなかんじかなあって。

そんな風に始まる、この絵本は大人にも充分読み応えがあると保証できる。
いつか私が彼に『どんなかんじかなあ』を読み聞かせる日が来るかもしれない。
それは、どんなかんじかなあ。

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