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私と彼のこと(3)-ココハトウチャンニンドコロ-

休暇取得

退院するまでは面会もできないことが判ったことは昨日書いた。
幸い、彼もRさん(彼の母親)も健康状態は良好なので、退院予定日時はすぐに決まり、周知された。

私と妻は既に仕事の都合をつけた。
勤め人である長男A(彼の父親)も、職場に相談している。
一番、調整が難しそうなのは、Rさんのお母さんだと思う。

私と妻は、幼保連携型認定こども園の副園長と園長という立場だ。
二人そろって休むということは極力避けてきたが、ルール上も実務上も不可能ではない。
理事長や、主幹・副主幹に許諾と理解を得ることはできるだろう。

長男Aは別の園で保育士をしている。
こちらはシフト調整が必要なので、「休みます」「はい、どうぞ」というわけには行かないかもしれない。

Rさんのお母さんも、保育ではないが対人援助職なので、急な休みを取りにくい職業ではある。
でも、きっと何とかして休みを取るのではないだろうか。
だって、彼とRさんに会いたいもの。

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新生児の発達

彼とRさんは、退院後もしばらくの間、Rさんのご実家で過ごすことになっている。
我が家では日中、二人きりになってしまうので、慣れない育児のスタートを切る環境としては不安が大きいからだ。
その点、Rさんのご実家には、お祖母さんが同居されていて心強い。
なによりも母親が安心し、リラックスできる環境であることが、生まれたばかりの彼にとっても大切だ。

彼は今どんな世界に生きているのだろうか。
視覚は一番発達が遅いとされている。
生後3日目の彼の目に映るのは、白・黒・グレーの明暗だけの世界のはずだ。
明暗の境界を認識し、ものの輪郭を捉えられるようになるのはいつ頃なのだろうか。

最初に区別できるようになる色は赤。
生後一週間頃から、としている資料が多い。
お世話をするときは赤系統のハッキリした色合いの服を着ると良いかもしれない。

両目を連動させて、焦点を合わせてものの動きを目で追えるようになるのは生後3カ月頃。
それ以前にもキョロキョロと目を動かしてはいるが、視線追従できているわけではなく、そのための練習をしているということなのだろう。

一方で、聴覚は出生以前から発達しているらしい。
「胎教によい」などと妊娠中にクラシック音楽を聴いたり、父親がお腹に話しかけたりすることに学術的な根拠はないらしいが、母親がリラックスして過ごせるのならば、それで十分だとも思える。

わらべうた

耳が聞こえているのであれば、話しかけたり、綺麗な音を聴かせたり、わらべうたを歌うことは、赤ちゃんの発達にとって意味があることなのだろう。

私は、赤ちゃん向けのわらべうたのレパートリーがとても少ない。
元々、保育の現場に出ることが少ないし、関わったとしても3歳以上児が殆どだから。

歌えそうな、赤ちゃん向けのわらべうたを思い浮かべてみたけれど、「バッタンバッタン」「モグラモックリショ」「おでんでんぐるまに」など、さすがにお座りができるようにならないと無理なものしか出てこない。

さんざん悩んで「メンメンスースー」や「ココハトウチャンニンドコロ」などの顔あそびならできると思い至った。
でも、彼の顔に触れながら「ココハトウチャンニンドコロ」と歌ったら、きっと彼のトウチャン(私の長男A)の幼い頃の顔を思い浮かべてしまうんだろうな。


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