私と彼のこと(86)-俺のギター②-
長男AとRさん(彼の両親)が買い物に出かける間、彼のお世話を仰せつかった。
光栄なことである。
出かける前にRさんがミルクを飲ませて行ってくれたので、お腹の心配はない。
しばらくはご機嫌で「ンックー」「ダァー」と声を出していたので、ベビーボールを揺らしたりして一緒に遊んだ。
しっかり視線で追うし、手を伸ばしてつかもうとするような様子も見られるけど、まだ狙い通りには動かないようだ。
オシッコが出たのでオムツを替え、ちょっと眠くなった様子が窺えたので、外気浴がてら近所を散歩した。
薄曇りで涼しくて、彼も気持ちよさそうに周囲を見回しながら、ほどなく眠ってしまった。
帰宅して布団に降ろすと目を覚ましてしまったが、グズることもなく機嫌が良さそうだったので、思いつきでギターを弾いてみた。
大きな音を出すとビックリしてしまうので、静かにつま弾く。
パッと思い浮かぶ子守歌が「ゆうなの木の下で」しかなかったので、適当にコードを当てながら弾き語りをしてみた。
ゆうなのきのしたで
ゆれるふうりん りんりらりん
ねんねがせ ねんねがせ
りらりらりーんりん
ゆなのきのかげに
ゆれるゆりかご りんりらりん
ねんねがせ ねんねがせ
りらりらりーんりん
ゆりかごのゆめを
うたうふうりん りんりらりん
ねんねがせ ねんねがせ
りらりらりーんりん
聴いているうちに、彼はまた眠ってしまった。
私のギターも少しは役に立つところを見せておかないと、また「邪魔だから捨てろ」って怒られちゃうからね。
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