私と彼のこと(232)- No means no -

昨日、「 No!! 」と題して、次のような文章を書いた。

彼は、嫌なことにはハッキリと「イヤ」と意思表示する。
顔を背けたり、口を引き結んだり、手をブンブンと振って払いのけようとしたりする。
その様子がまた可愛らしくて、ついニコニコしてしまうのだが、それでいいのか、ふと不安にもなる。
原則として、子どもが「No」「いやだ」「やめて」とハッキリ意思表示をしたとき、大人はその行為をすぐにやめた方がいいと私は思っている。
子どもには、自分が表明した拒否・拒絶の意思には、他者の行為を止める力があると学んでほしいから。
そうでないと、本当に嫌なことをされても、それに対抗できないし、他者の拒否・拒絶を軽んじるようになってしまうかもしれないから。

すると偶然にもその数時間後に、尊敬する弁護士・寺町東子さんを中心としたメンバーが「1から知りたい性暴力に関する刑法改正:今って何が問題なの?」という公開討論を行っているのを ClubHouse で聴くことができた。

「私が『嫌だ』『やめて』と言ったら、それは文字通り『嫌だ』『やめて』という意味なんだよ」という、誤解しようのない当たり前の主張が、日本の刑法性犯罪規定では、認められないケースがある、というか多いらしい。
被害者側が「無理やりだった」「同意していない」と訴えるだけでは、犯罪としては認められないのだそうだ。
こうした被害者保護の不十分さを是正するために、刑法改正の議論が続けられているとのこと。

性犯罪に関しては、その性質・背景からして、これが重要な問題であることに疑問の余地はない。
しかし、もっと広くあらゆる人権侵害の場面で、この " No means no " は認知されるべきだと感じている。
だから私は、「子どもが『嫌だ』と言ったら、その行為はすぐにやめよう。二度言わせないようにしよう」と主張したい。
何度も繰り返さなければ効果を発揮しない「嫌だ」の力を、子どもが信じられなくなるから。

そして、諸外国では既に、" No means no" は " Yes means yes " へと進化しているのだそうだ。
それに関しては、また次の機会に書こうと思う。

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