BUDDHAHOUSE的、2020年年間ベスト集
みなさん、どうも。ブッダハウスです。
2020年もいよいよ終盤ということで、みなさま本当に大変な1年だったと思います。本当にお疲れ様でした。
当然私もその煽りを受け、昨年と比べかなり仕事が減りました。が、その分時間も増えたということもあり、いつもは「DJプレイ」を意識して曲を聴くことが多かったのですが、それが無くなりフラットに音楽が聴けたのでそれはそれで忘れてた感覚だったし良かったなと思ってます。
DJでよくかけた曲はもちろん、普段の生活でよく聴いていた楽曲などなど、ざっくり素直に部門別に分けて選出していこうと思います。
~日本語部門~
藤原ヒロシ - TERRITORY [NF]
日本語のボーカルでこういう優しいアレンジのディスコ/ハウスってなかなかなかったりする。コーラスに山口一郎さん、ベースにハマオカモトさん、アレンジに渡辺シュンスケさんと豪華メンツ。曲自体もあたたかい曲で普段よく聴いたしDJでもよくかけさせて頂きました。収録されてるアルバム「slumbers 2」もとても良かったです。
tofubeats - クラブ [WARNER MUSIC JAPAN]
tofubeatsによるEP「TBEP」収録のこちら。リリースされた頃はコロナによる自粛前でその時もいい曲だなぁって思ってたけど、3月頃から自粛により徐々に今までみたいに普通にクラブで遊べなくなってから歌詞がめっちゃ染みるようになりました。本人も意図してなかっただろうけど。7月に営業再開したばかりの渋谷VISIONでかけた時、フロア見てたらウルっときちゃった。余計なアレンジがなくスルッと歌詞が耳に入ってくるトラックもそうだし、kiki vivi lilyさんの「今夜クラブにでかけようかな…」のとこの歌詞と声がクラブのある「日常」を感じさせるし、より「失った日常」を恋しく思わせる。今後、今の自粛が落ち着いてもこの曲聴くと今年のこと思い出しそう。
Awich - Open It Up
トラック、ラップ、mv全部良かった。Bauuerプロデュース、日本語でラップ乗せるのめちゃくちゃ難しそうなトラックですが、サラりとモノにしててやっぱAwichさんすげえなって思いました。DJでも色んな現場でよくかけさせて頂いた。今年のリリースも良かったし来年の活動も楽しみです。
~韓国語部門~
ちなみ韓国の音楽は良い楽曲が多いことは知ってたのですが、DJ目線だと他のDJが選曲でとりいれていることが多かったのでそれなら僕はかけなくても良いかなぁとなんとなく掘らずにいたのですが、恥ずかしながら自粛中にようやく掘り始めた。(めちゃくちゃ遅かったと思うしかなり後悔してる)
そんな中、普段の生活で一番聴いてたのがこちらでした。(ちなみSpotifyのトップアーティストでした)
YUKIKA - SOUL LADY [ESTIMATE]
我がレーベルから先日リリースしたItoShinのアルバムの完成データを8月ごろ貰って、夏の終わりっぽい内容だったので夏っぽい景色の場所で一回通して聞きたいなぁと思い、終電で横浜に行って一通り聴き終わった後、港でうたた寝しながらSpotifyのアルゴリズムに身を任せてた時に、アルバム2曲目の「I FEEL LOVE」が流れてイントロでハッと目覚めたら綺麗な日の出が出ていて、その時の景色補正もあってか個人的に超思い入れのある曲になりました。
いろんな記事みた感じだとシティポップという括りで紹介されているけど、実際は90年代J-POPオマージュの方が強く感じました。ちなみにアルバムのプロデューサーのESTiさんも宇多田ヒカルさんや安室奈美恵さんとか意識してたらしい。言われてみれば「Yesterday」なんか聴くとめちゃわかる。
つい最近までポップスを聴いたりかけたりすることに対してあまり気乗りしないことが続いてたけど、このアルバム聴いてからまた再熱した感じあったのも良かった。
ちなみにYUKIKAさんは元々日本でモデルとして活動されていた日本人の方で、モデルの活動休止後、ふつうに一般人として生活(クリーニング屋とかで働いてたらしい)した後、韓国ドラマ版「THE IDOLM@ATER.KR」のオーディションを受けたことをきっかけに韓国でミュージシャンとして活動再開された異色の経歴の持ち主です。
SUMIN - XX, [MOTHER]
SUMINさんに関してはこの作品がっていうより今年関わったリリース全部よかったです。ただ、その中でも特にこのEPが一番ヘンで良かったです。
ジャンル的にはいわゆるHyper Popって括りになるのかなぁ、一曲目の「TURNON」なんかはどうしてこうなるの???ってぐらい突拍子もなく展開が変わったり聴いててめちゃ面白かった。客演で参加してたSTUTSくんの「Mirrors」でもそうだったけど、三曲目のSWIMでは日本語使ってたり、そのカタコト発音の感じも良かった。もともと日本人による日本語の発音した英語の歌詞とかも好きだし、めちゃその感じに近い良さがあった。あと、ストレートにかっこいい/かわいい両極端な歌い方できるの本当にすごいと思う。今後のリリースもめちゃくちゃ楽しみ。
ZICO - Any song [KOZ ENTERTAINMENT]
最初のピアノの時点で名曲確定ってなった。あと、韓国のポップスってラテンっぽいアレンジ取り入れることけっこう多く感じるけど、音楽の聴き方とか作ったり聴いたりするノリみたいなのがそもそも日本人と違うなぁってこの楽曲含め、色々曲聴いててすごく思った。
~クラブ部門~
Carpainter - Boogie Night Song [TREKKIE TRAX]
今年のTREKKIE TRAXはマジですごかった。自粛中だけど関係なくいつも通りリリースしていく姿に勝手に勇気づけられました。その中でもCarpainterのリリース楽曲の数の多さ、そしてクオリティが毎回高いしDJでもめちゃくちゃかけさせて頂いた。とくに今年序盤にリリースしたフロア向けのテクノトラック集「SUPER DANCE TOOLS Vol.1」収録の「Quica Loop」とかbpm130帯でDJする時毎回かけてた。
共作も多く、guchonさん、isagen、oyubiくんとの作品もかなり良かった。てか誇張なしに全リリースマジで良かった。
ちなみにBoogie Night Songはメインの(Circle Side)より前にフロア向けのB面(Square Side)が完成してて、リリースするためにメインっぽい(Circle Side)を作ったらしい。(本人談)
andrew - Nautica [KSR]
こちらも先ほどと同じくTREKKIE TRAX所属のandrewによるシングル。小気味良いパーカッションとやりすぎない展開、だけど明るい気持ちになるいい塩梅のハウストラック。andrewに関しては昔から作る曲全部良くて、もっとリリースして欲しいなぁって思ってたら今年たくさんリリースされて嬉しかった。
他にも、由緒正しきDUBトラックの「In My Room Riddim」も良かったし、なかむらみなみ、Peavis、Saint Vegaを客演に迎えた「Bombtrack」もGqomに日本語のラップが乗る珍しい楽曲で、普段のみなみちゃんとの活動を見ててもプロデューサーセンス的なのも相当磨かれてるなぁと感じた。トレッキーは世界を相手にダンスミュージックをリリースしてることもあって日本語のラッパーと共作作った時の説得力が他と違うところも強い。日本のレーベルだけどローカルレーベルって感じ全然しないし来年の活動も楽しみ!
DJ Paulo - Sons Pa Curtir [Rave Tuga]
こちらのEPは今年めちゃくちゃDJでお世話になりました。中でもBPM遅めのブレイクス混じりのハウス「Guiar Pela Cidade」がお気に入りです。全部曲いいけどね。展開、音質、素材ぜんぶ良い塩梅です。ポルトガルのクラブシーンってなに流行ってんだろね。
Special Request - Special Frequency [R&S]
みんな大好きUKのSpecial Requestによる焦らし爆破ジャングル。最初聴いた時めっちゃ吠えた。はっきり言って昨年リリースしたアルバム「VORTEX」収録の「Vortex 150」のジャングル版って感じなんだけど、より爆発力増してるしいろんなジャンルのDJが使える便利なトラックだと思います。ジャングルパートを経た後半の展開も◎。今年DJでめちゃかけましたし今後もかけさせて頂くと思います。
Squarepusher - Be Up A Hello [Warp]
思えばこちらも今年だったなぁって最近気づいた。1年の初めにリリースしちゃうと忘れ去られがちなの年間ベストあるあるだなって本当に思う。原点回帰っぽい昔の作風を感じるアルバムなんだけど、そういった作風にした理由が90年代初期から一緒に曲作ったり、イベント遊びに行ったりした大親友が亡くなって、その彼との一緒にやってたことを肯定するものにしたいと思って今作ができたらしい。ちなみこのアルバム聴いて、UKの老舗エレクトロニカレーベルSKAM周りのIDMとか聴き直したりして過去の楽曲を現在のDJのプレイリストに放り込むことができたりしたのも良かったし、近年ずっと160以上のBPM帯って避けてたけど今年入って再びかけるようになったきっかけになったのも今作だったように感じます。個人的お気に入りトラックは「Speedcrank」。
Famitsu - Etherera [Hyperboloid]
昨年リリースしたアルバム「Mind Software」も最高だったけど今作も最高でした。アルバム通して聴くと音楽遍歴の幅の広さがうかがえるし、3曲目の「In the Dawn」なんかは使用している素材で言うとハードコアっぽいんだけど、レコードのちりちりノイズ入れたり、展開とかも全くそれとは別だったりとハイブリットミュータント感が半端ない。ロシアのアーティストなんだけど、どんな感じでクラブミュージックハマったのかとか今までどんなジャンル通ってきてるのかすごく気になるアーティストです。マジおそロシア。
Sligo - Aurora (DJ IBON remix) [Kriptika]
デンマークのDJ IBONによる超高速哀愁ピアノトランス。Blue Hourのリミックスで知ったアーティストなんですが、元々bpm速めではあるものの140前後だったのが最近の作品では150帯まで上がってきてます。テクノのbpmが上方に推移してく感じってもろに肉体的な欲求が絡んでる感じがして面白い。今作なんかは多分bpm落としてかけると良さが半減すると思うので、このbpm帯まで持ってきてかけたい。こういう絶妙なbpmの曲に出会うと、どうかけるか熟考することになるから楽しいよね。ちなみにまだ現場では一回しかかけれてない。
現在bpm速めのテクノがメインストリームにも浸透してきてますが、そんな中、デンマークのアーティストによるテクノは独特の地下感があって、なんて表現して良いかわからないけど表面的なダークさではなく内に潜んだ「危なさ」があって良いです。これはロシアのアーティストにも言えるかも。
Truncate - Reach [Lehmann Musik]
こういうのが一番好きなテクノです。Truncate最高!
と、まぁこんな感じで他にも色々あるにはあるんだけど、挙げ出したらキリがなくなる(年間ベストあるある)し、昔の曲でよく聴いてたのとかになってくるのでこのへんにしときます。
あと、わたくし主宰レーベル「FRUIT PARLOR」から今年は4作品のリリースがありました。元々、今年は自分のリリースよりも他のアーティストのリリースに力を入れたいと思ってて、目標としていたことは実行できたかなと思います。
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それではみなさま良いお年を〜!
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