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長い一日(2018年10月31日)

グッドデザイン大賞受賞後について記しておこう。

最終プレゼン、決選投票、授賞式、記念撮影、会場にいた方々からの激励!そして場所を移動しての記者会見のあと、最終の新幹線に飛びのった。ついさっきまで自分の身に起こっていたこと、なりやまないスマホの通知、、そして審査員の皆さんからいただいた言葉を反芻していた。

審査委員の評価コメント

従来、寺院が地域社会で行ってきた営みを現代的な仕組みとしてデザインし直し、寺院の「ある」と社会の「ない」を無理なくつなげる優れた取り組み。地域内で寺院と支援団体を結んでいるため、身近な地域に支えられているという安心感にもつながるだろう。それができるのは、寺院が各地域にくまなく分布するある種のインフラだからだ。全国800以上の寺院が参加する広がりも評価ポイントのひとつであった。活動の意義とともに、既存の組織・人・もの・習慣をつなぎ直すだけで機能する仕組みの美しさが高く評価された。

担当の審査委員 岩佐十良 伊藤香織 太刀川英輔 並河進 服部滋樹

帰り際、審査委員長の柴田文江さんが「あなた達がこれから世界をどれだけ変えてくれるか、期待しています」と声をかけてくださった。

新幹線はまもなく名古屋。そろそろハロウィンパーティーも終わりの時間だ。会場で何度も聞かれた“志の美しさ”が我が身に押し寄せてくる。そう、僕は自分の中にあるどうしようもない、決して美しくない己の姿を知っている。今日の出来事は、なにかの間違いではないか。これから苦悩する日々が続くことになる。ほんとうに長かった2018年10月31日はこうして終りを迎えた。

翌日からは、取材の日々がはじまった。

「おてらおやつクラブ」は、お寺が本来持っているポテンシャルを社会の課題に生かし、その仕組みづくりやコミュニケーションがとてもわかりやすい。そして何よりも、審査委員みんなが「ああ、お寺があったか!」と気付かされたんです。昔から私たちの暮らしの中にはコンビニのようにハブになる場所があったんだ、ということを改めて教えてもらった。とはいえ、その仕組を構築するのは簡単なことではなく、全国のNPOやお寺への説明会などを実施して、いまに至っていると聞きました。そういう部分も含めて、この仕組が私たちの暮らしの中で機能していくであろうという希望のようなものを感じました。よい発明が次の良い発明を見つけるように、よいデザインが次のよいデザインを見つけるきっかけになる、「おてらおやつクラブ」にはその兆しがあると思います。

ブレーン2019年2月号 柴田文江さんの言葉


現在、認定NPO法人おてらおやつクラブでは春から始まる新年度に向けて、クラウドファンディングを企画しています。ぜひお力添えください。

年間15,000世帯以上のひとり親家庭から支援要請。子どもたちにおすそわけを届けたい。

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