田舎ずしにふられた話
↑の話の続き。
鳥居杉のある地主神社はとても静かな場所だ。たまに山道を工事しているトラックなどとすれ違うこともあるが、ここに来るまではめったに人に会うこともない。山道を車で走っているとヤマガラなど見かけて大変気分が良い。キジかヤマドリか区別がつかなかったけどそんな鳥も見た、雌鳥が3羽いて写真に撮りたかったけど逃げられてしまった。こんな時だけ望遠レンズが欲しいと思う。
そんな静かな場所なのに10分ほど車で移動すると民家のある集落が出てくるのは本当に不思議。四国の山はそんなところが多い。これどうやって住むんだろ、などと思うが、意外と町まで近かったりもする。
そういえば先日テレビを見ていたら「秘境に住む14歳」みたいな子が登場していたが、その子の家の建っている場所は割と最近建ったような民家が多く、神奈川の秘境には家が多いのだと思った。四国はマジで山の中に目立たないような集落があるので、平家の落人伝説があるのもわからなくはない。この地主神社の近くの集落はそこまで目立ちにくいという感じでもなかったが。
さて、無事お詣りを済ませたのでどこかで食事をしよう。実は私は高知県の山のほうに行ったら田舎ずしを食べたいと思っていたのだ。
地主神社に来る直前にも道の駅があったので寄ったのだが(道の駅大杉)、そこは小さな店のせいか田舎ずしが売っていなかった。そして食堂らしきところがあり一組のお客さんが食事をしていたが、不思議なことにメニューがどこにも見あたらなかった。彼らは何を食べていたのか。
まあその時はそんなにお腹が空いていなかったので先に鳥居杉を目指したのだが、その辺を散策しているうちに14時が過ぎたのでまた田舎ずしを探すことにした。今度は最寄りの産直市場に向かった。
Googleマップで産直市場を探してナビを開始する。途中棚田を通り抜けるところがあり、とても良い道だった。今度は夏に通ってみたい道。
そして産直市場(本山さくら市)に到着。産直市場は正月休みだった。またGoogleマップに騙された。いつも営業中と書かれているところに行くと閉まっている。
そのすぐ近くにスーパーマーケットがあったが、どちらかというと田舎ずしは道の駅のような、少し観光客向けの店にあると考えてまた違う道の駅を目指した。
道の駅土佐さめうら。四国の水瓶・早明浦ダムの近くにある。高知県の皆様いつもお水をありがとうございます。ここは大きなお店があったが、ここに着いたときにはすでに15時が過ぎており、元からなかったのか売りきれたのか、とにかく田舎ずしはなかった。でも大きなお店なのでジビエなどが売っていて、鹿のソーセージがなかなかおいしそうだった。買わなかったけど。ここではお土産にあいすくりん風味サンドクッキーというのを買った。
そしてまた来た道を戻り、産直市場近くで見かけたスーパーマーケットに行った。
以前愛媛に行ったときにショッパーズというローカルスーパーに行ったら香川では見たことのないお菓子が売っていて、ローカルスーパーの良さを知った。
よし、行くか。
田舎ずしが手に入る可能性はかなり低いがとりあえずスーパーに向かった。サンシャインというローカルスーパーである。間口は小さく感じたが、中に入ると結構品揃えが多く楽しい。自宅最寄りのスーパーより色々売っている。鮮魚コーナーではナガスクジラの肉、精肉コーナーでは土佐赤牛(地元名産らしい)のモツやテールがたくさん売っており、よっぽど買いたかったが高速道路を利用しても帰宅に2時間かかることを考えて今回はやめておいた。今度からクーラーボックスを常備しよう、そうすればクジラも牛テールも道の駅の鹿ソーセージも買えるのだから。
そしてやっぱり田舎ずしは売っていなかった。普通の握り寿司や手巻き寿司はあったが……。さすがにお腹が空いて来たので生春巻を買って車に戻り、帰路につく。
「サンシャイン」の駐車場は小さめで、ここで買ったものを食べているとなんとなく他の人の目が気になるため、どこか別の場所で食べようと移動する。そのうち本格的に空腹になってきたのでやっぱりこれは高速のSAで食事をとったほうがいいかも、と思い直し高速道路に乗ったが、運転を続けるうちにでも生春巻買ったしなあ……とさらに思う。田舎ずしが買えなかったせいで計画がブレにブレている。
結局PAで生春巻だけ食べることにした。よく見ずに買ったが、生春巻のソースがスイートチリソースではなく「酢味噌ドレッシング」という見たことのないものだったのがさらに私をがっかりさせたが、食べてみたら意外とおいしかった。生春巻よりちょっとくさみのある魚のカルパッチョとかで食べたいと思う味だった。
2025年初めての遠出は私らしくいろんながっかりがあったが、これはこれで楽しいものである。次はどこへ行こう……。