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ロックダウン中のイギリスの田舎町を歩いて
4月の下旬、週1回の買い出しの帰りに友達の家に寄った。症状が軽いため検査は出来ないが、明らかにコロナの症状があるその友達に食糧を頼まれ、ドアの前に置いて自分の寮へ戻った。私の父親も先月感染し、コロナはもう日常だ。
その帰り道、"JESUS Christ is coming AGAIN!" と落書きされている階段を見つけた。先週はこんな落書きはなかった。未知のウイルスへの恐怖で気が狂ったのかと思ったが、宗教って一体何なんだ、とつい考えてしまった。
宗教が信仰というより文化・伝統という形で定着する日本で育ってきた私にとって、宗教というと戦争やカルトを想起させたりとあまり良いイメージはない。
4リットルの牛乳を抱えて階段を登っていたので、疲れて少し立ち止まっていた。ふと上を見上げると大学の窓を彩る大きな透き通ったステンドガラスが目に入った。天使が描かれていて文字通り "神聖" という言葉を想起させる美しいステンドガラスだ。この窓に悪意はないし純粋に綺麗だなと感じた。そして、「宗教がなかったらこういう芸術作品も生まれてなかったのかな」と思った。
部屋に戻ってスマホを見ると、その友達からPayPalでお金が送られてきていた。便利な時代だ。そういえばこのイギリス人の友達と去年パブで喋っていた時、彼のハウスメイトのアラブ系イスラム教徒の子が、生物学を学んでいるに進化論を信じていないというのにショックを受けたという話を聞いたのを思い出した。彼は進化論を一から説明したらしいが理解してもらえなかったという。
この話を聞いてあなたはどう思うだろうか。「イスラム教ってやっぱり、、、」と思うだろうか。そうだとしたら、それは「科学」を「信じている」からそう思うとは考えられなないだろうか?
コロナ渦中、神が人類を救ってくれると言う人がいる、ワクチンが人類救ってくれると言う人がいる。存在するかどうかも分からない神を信じる人たち、科学者でもなく仕組みを完全に理解している訳でもないのに科学を万能薬だと信じる人たち。この両者って大して変わらないんじゃない?と思ってしまった。
物事には二面性がある。完全なものなんてない。どちらの肩を持つとかではなく、自分で信じられるものをうまくつくっていかなくてはいけない。それは一人一人もちろん異なる。とりあえず今日はこう結論づけた。