交際費の上限
今年の4月から企業の交際費の上限が引き上げられた。
企業には接待交際費の上限がある。規模によってそれは違っていて、例えば資本金1億円以下の会社だったら年間で800万円以内に収めないといけない。
ただし、少額の飲食代は無制限に落とすことができ、今まではその額が5千円以下であった。それが今年2024年の4月1日から1人当たり1万円まで引き上げられた。
インフレで飲食店の値段も上がっており、5千円じゃ足りなくなってるからだろう。
だからこの先、上限を1万円に引き上げる会社が出てくるわけだ。
例えば今、円安で輸出企業は儲かっているので自動車業界、電気関係、運輸系あたりは引き上げてくる可能性が高い。
ただしそう言う会社は少数で、おそらく多くの企業は7000円〜8000円あたりで落ち着くと思う。なので飲食店は場所によっては飲み物込みで1万円以下のコースを作ったら需要があると思う。
特に都心部は大企業が多いのでそうするべきで、すぐにでも高単価のコースを作った方がいい。
ただし地方は厳しい。インフレで地域格差が生まれており、廃れてしまってるところも多い。さらに地方はデフレマインドの人間も多いので値上げできない企業も多い。
地方のデフレマインドは根深い。今年の3月に地元の山口県で飲んだが、選んだ和食屋が5800円のコースが上限で、1人15000円でできないかと相談したら迷うことなく断られた。安くしてくれと言って断られるのならまだしも、高くしてくれと頼んで断られたのは初めてで衝撃的だった。
これから先、人や地域、企業間や個人事業者間など、あらゆるところで格差が生まれてしまうだろう。インフレだからしょうがないのだが、覚悟を持って生きないと簡単に下の層に落ちてしまう。
そして接待費の上限はまだまだ上がっていくと思う。まだ序の口だと言うことだ。
上限が5千円になったのは2006年からで、1万円になるのに18年かかったわけだが、それはデフレだったから遅かっただけで、インフレの今そのスピードは速くなるだろう。10年後には上限が3万円になっててもおかしくない。
だから飲食店はそれを想定して動いた方がいい。
為替の動き、インフレ具合、賃金上昇率、消費者物価指数、日経平均など。世の中を複合的に見てコースの価格設定をしていかないといけない。
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