アニソンって音楽ジャンルじゃないよねって話
音楽ジャンルと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
ロック、ポップス、ファンク、演歌、メタル、パンク、スクリーモ、レゲエ、メタルコア、ピコリーモ、ゴシックメタル、スラッシュメタル、ブラックメタル、デスメタル、ネオクラシカル、パワーメタル、スピードメタル、メロディックパワーメタル、メロディックスピードメタル、ジャーマンメタル、北欧キラキラメタル、森メタル、ヴァイキングメタル、プログレッシヴメタル、パイレーツメタル(ヴァイキングメタルとは別ものだよ!)、グラインドコア、ブルータルデスメタル、エピックメタル、ピュアメタル、ジャパニーズメタル、日本風メタル(SAMURAIなんちゃらとか、NINJAなんちゃらとか)、などの音楽ジャンルが比較的メジャーです。
さて、アニメソング(ここでは特撮ソングも含みます)は、どの音楽ジャンルでしょうか?
……と、ここまで聞けば、もうお分かりかと思います。
アニメソングとは、厳密には「音楽ジャンル」ではありません。何らかのアニメとタイアップしている、あるいは関連している楽曲である、という、「音楽ジャンル」とは異なる区分けなのです。
アニメソングをちょっと思い出してみよう
コテコテのザ・アニソンと評するしかないような『マジンガーZ』や『宇宙戦艦ヤマト』は、当然ながらアニソンです。黎明期のアニメソングは、アニメのタイトルと楽曲の名前が同じなんですよね。
(音楽ジャンルの何に分類されるのか、詳しい人は教えてください!!!)
(しかし例えば、『宇宙戦艦ヤマト』を歌われているささきいさお氏は、歌手としての原点はロカビリーにあります。ザ・アニソンとは……? ロックンロール? となっている。)
(同曲の作曲家は大ヒット歌謡曲であるザ・ピーナッツの『恋のバカンス』なども手掛けています。アニソンとは歌謡曲なのか?)
時代は下りますが、同じくザ・アニソンとして有名な『ドラゴンボールZ』の主題歌『CHA-LA HEAD-CHA-LA』を歌った影山ヒロノブ氏は、レイジーというロックバンド(のちにヘヴィー・メタル路線へ)出身です。
そういえば、アニソン特集とかテレビでやってても、3位:CHA-LA HEAD-CHA-LA、2位:タッチ、1位:マジンガーZとかだった時代があるよね。平成で、だぜ!?
件の『タッチ』ですが、かなりのヒットを記録しています。同曲を作曲している芹澤氏は歌謡曲もたくさん作っていますが、当然ながらアニソンも多数手掛けています。そのなかの一曲、『機動戦士ガンダムΖΖ』のOP『アニメじゃない -夢を忘れた古い地球人よ-』の作詞は秋元康氏です。そうです、おニャン子クラブやAKB48シリーズの、あの秋元氏であっています。
タッチに話を戻すと、作詞である康珍化氏は、歌謡曲もアニメソングも特撮ソングも手掛けています。『渚のはいから人魚』と『恋の呪文はスキトキメキトキス』と『仮面ライダーBLACK RX』(『運命の戦士』も!!)が、同じ作詞家さんなんだ……こいつはすごいぜ(政宗一成)……。
エヴァの『残酷な天使のテーゼ』についても話そうと思いましたが、ぜんぜん先に進まないのでちょっと飛ばします。
『X』のhide氏による『hide with Spread Beaver』の『ROCKET DIVE』もアニメのオープニングなのでアニソンです。
我々の時代、盛り上がるカラオケソングの定番でもあった『ココロオドル』もアニソンです。(徹カラで中ダレしたら、コレかモンパチだったよね??ね??)
マキシマム ザ ホルモンもアニメタイアップを何度か行っています。『絶望ビリー』『What's up, people?!』や、その名も『アカギ』など。アカギの楽曲解説のテンションが高かった気がします。『F』はちょっと微妙な感じです。アニメ公式が、楽曲へのアンサー的に寄せてきたので。
なかでも『ROLLING1000tOON』は『エアマスター』EDで使われた曲で、とても好きです。アルバムの曲解説のところに、”「深夜アニメなんか見てないで早く寝ろ」みたいなタイトルにしようとしたけどダメだった”的なことが書いてあって、反骨精神があっていいなぁ、と思いました。アルバム持ってる人はブックレットを確認してみてください。
同じく『エアマスター』のOP『烈の瞬』は、ロックバンド『ジャパハリネット』の曲。アニメタイアップではないですが、彼らの『哀愁交差点』を聴いたら、今なら確実に泣いちゃう自信があるな。
個人的にそんな『哀愁交差点』と同じ位置づけにある、歳をとるにつれて良くなっていく曲『酒燃料爆進曲』を歌う『怒髪天』は、少しシブめのロックバンド。同バンドはアニメ『銀牙伝説WEED』のOPとEDを担当しており、同アニメと同名の楽曲『銀牙伝説WEED』を発表しています。
全然進まないのでもう少し加速します。
ラノベ原作のアニメ『天鏡のアルデラミン』は、主題歌もアニメタイトルと同じ曲名で、歌詞も相当内容に寄り添っています。「アニソンって、こういうのだろ!」という気概が伝わってきて、とても良い。歌っているのは『岸田教団&THE明星ロケッツ』です。ロキノン系ミュージックが源泉にあるって言ってるけど、私としては「東方アレンジの人たちでしょ??」という印象もあります。当然めちゃカッチョイイぞ!
余談ですが、東方音楽イベント「Flowering Night 2011」に行ったときに買った、物販で唯一残っていたクソデカイベントTをお気に入りのパジャマにしているのですが、そこにバッチシ『岸田教団&THE明星ロケッツ』の名前がありました。この記事を書きながら気づきました。なんかうれしかった。
(なんか、なんとなくイベント物販だとクソの役にも立たなそうなものじゃなくて、なんか役に立つ可能性に賭けてイベントTを買うんだけども、着る機会がなくて結局パジャマになりますよね。海外バンドのTシャツLサイズ、日本人にとってはXXLくらいあるんじゃあ。)
「アニソンって、こういうのだろ!」という気概でいうと、Linked Horizonが思い出されます。Sound Horizonがタイアップするときに使う、別名義の名前です。『進撃の巨人』の主題歌である『紅蓮の弓矢』『自由への進撃』は、めっちゃアニソンしています。
世界観に寄り添ってる! 主人公の名前を叫んじゃってる!!!
その一方で、ちゃんと「紫=死の象徴」とか、そういう自分の世界観も保っています。でも、実はそういう作りになることは知っていました。
ゲームではあるものの『イリスのアトリエ グランファンタズム』の主題歌である『schwarzweiß 〜霧の向こうに繋がる世界〜』の作詞作曲を、Sound Horizon主宰のRevo氏が手掛けています。歌っているのは霜月はるか氏で、二者のコラボ企画でもありました。この曲、ゲームの世界観をめちゃめちゃなぞっているのはもはや当然で、主人公のエッジとイリスの名前がちゃんと歌詞に出てくるし、それどころか「アトリエシリーズ」なので「アトリエ」という単語も出てくるし、なんなら同ゲームのメーカーであるガストの名すらも歌詞に出てきます。メーカー名は、さすがにやりすぎだろ……。
ヒップホップグループ(ということになっているが、独特かつ唯一無二のサウンドが非常に心地よく、しかしなかなか言語化できない)『SOUL'd OUT』も、いくつかタイアップしています。
『焼きたて!!ジャぱん』のエンディングにもなった『To All Tha Dreamers』。劇場アニメである『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』の主題歌として『VOODOO KINGDOM』もあります。彼らは『ジョジョの奇妙な冒険』好きを公言していたので、「好き&タイアップ」が機能して、ちゃんとジョジョの曲ができて良かった。しかも、ディオの曲でめっちゃ不穏で素敵。
Diggy-MO'としてのソロ名義の曲も『ソウルイーター』や『BLEACH』のエンディングとして使用されています。Diggy-MO'としてはさらに、ヒプマイの波羅夷空却に楽曲提供していますね。あの唯一無二の歌い方に相当近づいており、声優さんは本当にすごいなぁと思います。本当は、ヒプマイでは白膠木簓のCV岩崎氏がSOUL'd OUT好きを公言しているので、そちらにやってほしかったですけれども。ここでは「好き&タイアップ」がうまく実現しなかった……!!
頭がオオカミになっている5人組であることが有名な『MAN WITH A MISSION』は、かなりタイアップが多くなっています。『ログ・ホライズン』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』『ゴールデンカムイ』あたりが有名ですが、ほかにもめちゃめちゃタイアップしています。キャッチーでありつつカッコいいリフが印象に残りやすいので、ついタイアップしたくなっちゃうのでしょうか。
「なんちゃらラスベガス」こと、『Fear, and Loathing in Las Vegas』も、かなりアニメタイアップをしています。覚えている限りだと『逆境無頼カイジ 破戒録篇』『HUNTER×HUNTER』『寄生獣 セイの格率』『覇穹 封神演義』『バキ』あたりが出てきますが、調べてみたらもっとあったのでビビりました。やはり印象に残るしクソカッコいいのですが、「再現して歌ってみて?」と言われると不可能です。
最近ではアニソンのメジャー化が進み、タイアップという形とは少し異なる曲も増えました。LiSA氏の『紅蓮華』などは顕著ですね。
とにかく、これらを「音楽ジャンル」として「アニソン」とくくるのは、無理があるというわけです。
いろんな音楽ジャンルから「アニメソング」が出てきているね、という感じでしょうか。
最後に
なんで唐突にこんなページを作ったのかと言うと、別のページの解説のために書いていたら長くなりすぎて、本質からズレたので隔離しました。
でも、消すのももったいないし。楽しくなっちゃったし。
とはいえ、分量が多くなり過ぎたので、適度にカットしました。
そんな感じです。みんな、好きな曲を聴いて楽しく生きていこうな!!!
それから、コンレボ好き。もっとはやれ。(唐突な告白)
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