iGEM初心者の振り返り
これはの9日目の記事です。Advent Calendar2024
はじめに
はじめまして。私はiGEM Tokyo Techにてwet memberの一員として活動してきました、岩渕巧知です。
この記事では今年度のプロジェクトについて2年生の立場でどのようなことを思って参加していたのかを一部書いていきます。というか大体はiGEM初心者が参加するとどのようなことで躓くかの一覧になると思います。
プロジェクトについて
案出し
wikiにもそこそこ書いてある内容ですが、今年度は案出しの仕方を当初工夫してやっていました。その名も発散と収束です。最初は連想ゲームで様々なアイデアを自由に出し合います。これが発散の段階です。その後に出てきたアイデアたちを並べて見て様々なアイデアの中から共通点を探し、プロジェクトのアイデアとして形にしていきます。アイデアを組み合わせる過程ではどう考えても無理なものなどプロジェクトの形にならないものがたくさん出てきてしまいます。しかしとにかくたくさんアイデアを出していけば思いもよらない組み合わせから良いプロジェクトが出てくる可能性があります。このようにたくさんのアイデアを絞っていくのが収束です。このような流れで最初は案出しを行っていました。
結局これがどうであったのかというとあまりうまくはいきませんでした。途中まではうまくいってました。この中で登場したアイデアたちの中ではプロジェクトの案として使えそうなものがいくつかありました。PFASや睡眠、バイオレメディエーション、セシウム吸収、簡易トイレ、リプロダクティブヘルスなどうまく詰めればいいプロジェクトになりそうなものが多かったです。しかしこの後が問題でした。その後何班かに分かれてそれぞれのプロジェクトを詰めていったのですが、うまいことプロジェクトが形になりません。専門家へのインタビューも行ったのですがプロジェクトのイメージがボヤっとした状態にしかならず、最終的な設計まで行けるプロジェクトは先輩が考えた現在のプロジェクトしかありませんでした。なぜほとんどのプロジェクトがボヤっとしたまま終わったかというと単純な知識や実力の不足です。プロジェクトに使用する具体的な遺伝子やシステムの理解が浅くそもそもの引き出しの少なさを痛感しました。
さらに社会問題ベースで考えているプロジェクトがとても多かったのでそれに対する適切な解決策を考えだすことができずにあまり良いアイデアが最終的に完成しなかったものも多かったです。
実際いいアイデア自体は出ていたのでやり方はとても良かったと思うのですがアイデアを出した後の詳細を詰めるところが甘かったなというのが反省です。
実験
時間は少し飛んで実験の話になります。
実験に入るまでの段階ではプロジェクトのメインにあまり参加することができずに申請書や実験方法の改善はほぼ先輩に任せている状況でした。今思えばここでしっかり関わっていかなかったため学習するべきものが学びきれずに終わってしまったなと思っています。
実験自体は7月くらいから始まり、ほぼ初心者の私は先輩から指導を受けつつ実験手法を取得してきました。途中からは2年生だけで実験を行う時がありました。しかしその過程で何度も何度もミスをし、実験が遅れる原因となったので自戒の意味も込めて置いておきます。経験者の方々は初心者はこんなことをミスるのかという温かい気持ちで眺めてくれると幸いです。
ラベリング 実験が遅れた元凶です。 わかるやろってチューブの名前を1,2,3とかにしない!! 実験当日に使うものはまだしも長期で保存するやつに番号だけ振っているパターンや自身でも何を書いたか覚えていないP1,P2など(これは後にプラスミドを指してることがわかりました。)遺伝子名だけ書いてあって断片なのかプライマーなのかプラスミドなのかわからない!照会にめっちゃ苦労しました。なんなら日付を書き始めたのが途中からですので複数チューブ作ったものなどはどれが最新版か分からないものばかりです。電気泳動でうまく結果が出ず、プラスミドの抽出量が少なく、クローニングの進みが遅かったのは最初の方でここらへんが混ざって本来の配列になりきれてなかったからだと考えています。
PCRなど必要な試薬を入れ忘れる PCR後確認の電気泳動をしたら何の反応もなかったとなったらだいたいこれでした。私たちが使ってるPCRmixは色がついているので入れ忘れようがないのですが、プライマーを入れ忘れたりすることがあります。対策としては入れる順番を決めるとか入れたらフタを閉めるとかなんですがこれをなんとなくでやってしまうと失敗が起こります。
電気泳動のゲル
電気泳動のゲルを作るときってコームを刺して泳動したいものを流し込む穴を作るじゃないですか、これ刺すタイミングを失敗していたのにしばらく気づいていませんでした。本来は温めたゲルの素を流し入れて固まる前にコームを刺しておくんですけれども、私はコームを固まった後に刺していたんで穴が歪んで泳動物を入れたそばから溢れ出るようになってしまいました。しかもそれで泳動するとバンドがウネウネになります。このおかげでしばらく電気泳動の調子が悪くなっていました。
実験ノート
私たちは実験ノートとNotionを使用して実験内容等を管理していました。しかし、この閣僚が十分ではなかったのです。実験の手順と結果のみ載せていましたがしばらくたってみてみると当時の自分が何位を考えてこの実験をしていたのかが伝わらないことがしばしばありました。途中から書きすぎでないかってくらいメモを残すことによって改善しましたが…マジでノートはどれだけ手間がかかってもちゃんと書くべきだと思いました。
とこのような反省点がありました。全体的にしっかりやるべきところを横着しているとことが原因なんですよね。ちゃんとやるべきところはちゃんとやるとお言うことを反省とします。
余談
iGEMとは直接関係のない話になるのですが余談を
夏休み中ほとんどは一日中実験室で実験するという生活をしていたのですが、昼ご飯どうする問題に毎回困っていました。
そもそも切りがいいとこまで実験しようとなるとオートクレーブやPCR、アッセンブリ中などの待ち時間になるのですが、その間にもできる作業をやってると昼ご飯を食べるのが15時や16時頃になってしまうことが何度かありました。そこまでになると食べる店を探すのにも困りますし学食もやってないしで何を食べようかよく迷って商店街をうろちょろしていました。
さらには毎日ご飯を決めるのがめんどくさくなって人にどこ行くかを任せることも多かったです。
他の方々とかどうしているんですかね、自ら弁当とか持参しているのでしょうか。少し他のwetのiGEMerと実験中の昼ご飯について話してみたい気がします。(まあまあ盛り上がる気がします)
自分から言えることは調子に乗ってココイチの5辛のカレーを食べると辛さにやられてしまって午後の実験がしばらくできなくなるので刺激物には気を付けましょうってことです。(一緒に食べた後輩は涼しい顔して自分より辛い物を食べてました。化け物だと思います。)
終わりに
今年度のiGEMでは自分の実力不足や知識不足を目の当たりにしました。この仕事量をやり切った先輩方はほんとにすごいと思います。自身が次やるならいろいろ切り詰めて超ストイックになってないとできないくらいです。(なってもなおできないかもしれません)
次のiGEMではこのiGEM Science Tokyoという組織、iGEMという活動に何か良い影響を少しでも残せるように頑張っていきたいと思います。