推しに守られた日
5ヶ月前、自担が結婚した。
発表というのはいつも急だ。
忘れた頃にやってくる。
ライブ開催、アルバム発売、メンバー脱退、解散、結婚。色々なニュースが日常に突如としてやってくる。
5ヶ月前も突然だった。
速報を聞いた時は、それはそれは嬉しかった。親友が結婚したような感覚。そのくらい嬉しかった。
だけど自担はやっかいだ。嬉しさの裏側でしっかり失恋していたのだ。
それから、推しとの心の距離が空いた。感じる魅力が半減してしまい、面白いカッコいいとも感じなくなった。
だが、あんなにライブで感動し、応援していきたいと思った推しなのだ。
お仕事には関係ない、個人的な人生の出来事だけで離れてしまうなんてもったいない!そう思い立って、またアイドルとして応援できるまで離れた。
私生活を感じる映像は直近まで見れなかったが、グループの番組、個人YouTubeを通して少しずつまた戻っていった。
そして先週。4か月前の結婚後初となるイベントのかこみ取材映像を見た。
本題のあとにインタビュアーから結婚に関する問いかけ。
“奥さんから何か感想は?”
“奥さんももちろん応援してくれてますか?”
と記者の方に対応していた。
そのすべての人を傷つけず、周りの人を守りながらも自分の考えを表現する姿に、また惚れ直してしまった。
家族の話を聞きたくないわけじゃない。
聞いたらきっと、いい旦那だわー、と感心すると思う。
でもそれは今じゃない。心が癒えてからの話だ。
修復最中の心を守ってもらった。
初めての経験だった。
こんな推しに出会えて私は幸せものだと思う。
推しに守られた日。
これからの長い推し活の中で忘れない一日になるだろう。