「ストーリー・オブ・マイライフ〜わたしの若草物語〜」

はじめましておはこんばんちは。屋根です。

郊外の民の強い味方イオンシネマさんのコロナ休館がついに明け、ウッキウキで劇場に向かいました。数ヶ月ぶりの劇場で観たのはこちら。

「ストーリー・オブ・マイライフ〜わたしの若草物語〜」

こちら原作が1868年に発表された『若草物語』(原題: Little Women)で、同作が過去何度もメディア化されているようですね。今作の発表が2019年12月、この2020年6月に再上映された形ですね。

19世紀のアメリカで生きる4人姉妹と、彼女らを取り巻く人々のドラマを描いた物語です。

公式トレーラーはこちら

不勉強なものでわたしは前情報がほぼ無く、「綺麗な4姉妹の話だって〜楽しみ〜」くらいの感じで行きました。というか、コロナ明け一発目、なんでも楽しめるぜ!という気持ち。わくわく!フレーバーソーダとポップコーンのセットが500円!やったー!映画泥棒さんひさしぶり!イエーイ!あ!はじまった!

ぶっ刺さりました。

結論から言うと、そんな軽い気持ちで観れるタイプの映画じゃなかったです。社会の中で自分らしく生きようともがきながらも、どうしても楽しかった少女時代を思い起こしてしまう。そういう構成でストーリーが進んでいきます。「金持ちとの結婚だけが女のハッピーエンドだなんておかしい」けれど、女性が一人で生きるには社会は厳しくて寂しい。

もっと言うと、男と女の関係の終着点が「恋人」や「結婚」だけだとは限らないですよね。好きな人だからこそ「友達」と言う関係でいたいし、世間の言う「愛してる」という表現は少し違う気がする、とか。そういう世間とのギャップに苦しみながら、自分なりの結論を見つけるしかないしんどさだとか。

そういったそれぞれの人生の葛藤を、華やかな映像でガンガンに突き刺してくれます。

そこから振り返る「少女として生きた季節」は、こうも鮮烈で美しいのか。

いや〜わたしも振り返ってそんな美しい日々送ってないですわ〜みたいなこと言う暇も与えてきません。生きてる人間だいたい共感しちゃうんじゃないですかね。っていうのは言い過ぎかもしれませんけど。多分、感情移入して共感してしまうのは女性だけじゃないと思います。少なくとも、人との価値観の違いに悩んだり、友達や家族との関係に悩んだり、自分の幸せだと思う生活を必死に続けていたり、そういう人たちはどこかでぶっ刺さるんじゃないでししょうか。

で。

大人としての彼女らにバチバチに感情移入させておいて、少女時代の彼女らのルーツを遡る。物語が後半に進むにつれて、どんどんとその日々がいかに尊いものであったかを思い知らされていく。しんどい。心がしんどい。彼女らが「あの日々が恋しい」って言うから私もめちゃめちゃ頷いてしまいます。恋しいよね、わかる……。少女時代だって、いろんなことに悩んだり苦しんだりしていたと思うんですけれど。

おしまいに

さてこの映画、主人公が小説家を目指す次女ジョーなんですが、彼女は売れるために、一般向けで、刺激的で、最後にヒロインが結婚してハッピーになるストーリーを書くことを強いられます。でも彼女は叫びます。結婚だけがハッピーエンドだなんておかしい。この映画はなにを持って「ハッピーエンド」とするのか。皆さんに観ていただきたいです。

もっと言いたいことがあった気がするのですが、今回はこの辺で失礼します。次を観なきゃ。

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