普通じゃない!クセ強漫画の誕生秘話♡
1.明るいだけが取り柄!そんな取り柄のない女の自己紹介
私は特段仕事ができるタイプではない。
高校の時コンビニのアルバイトでは、肉まんを全て床に落下させたり、ピザまんを頼んだ客にあんまんを間違えて渡し、お弁当についている醤油をレンジで何度も爆発させた。
終いには、アイスクリームと温めた弁当を「こちら一緒の袋にお入れしてもよろしいでしょうか?」と丁寧に伝え、客をキレさせたことは一度や二度の話ではなかった。
当時のバイト先の監視カメラは、店長がいつも私を監視するためにあったようなものだ。
そして残念ながら、私は家事ができるわけでもない。
クッキーには間違えて塩を入れ、卵焼きは真っ黒にする典型的なズボラタイプだし、パンツのポケットにティッシュを入れたまま洗濯をしてしまうタイプだ。
洗濯機がティッシュまみれになったこともある。
ついでにおまけに、頭もよろしい方ではない。
算数障害だから二桁の足し算がきたらもう終わりだ。
小学3年の算数問題からもうお手上げだから、将来子供の宿題担当は必然と旦那の役割になるだろう。
今のうちに頭の良い旦那候補を探すことにしよう。
社会人になって、営業をかじったが成績は安定に悪かった。
幸いにも私はとにかく明るくて人当たりの良いお調子者だったので、どうにかクビにならなくて済んだ。
こんな自分を嫌になる時もあったが、持ち前の明るさでなんとか乗り越えてきた。
なぜ、私がこんな話をするかって?
その「不完全さ」が後々のぶぶ様のテーマにつながるからなのです。
2.もうやめた!やりたくないことはやらない女の話
その後、ある会社に転職した私は人生の挫折を味わった。
当時私は、接客のロープレになかなか合格できず、現場に出してもらえない日々が続いたのだった。
その会社は顧客満足度を高めるために、お客さんのニーズに合わせたコミュニケーションスキルに力を入れていた。
会話のキャッチボールを意識すればするほど、私は普段どんな風に人と会話していたかすらわからなくなっていった。
その結果、毎日のように女性の上司にこっぴどく叱られる地獄の日々が続いた。
「あなたは人の気持ちがわからない、脳みそ。だからもう諦めて、会話の技術だけロボットのように学びなさい。」と言われたことは忘れない。
むしろ共感力や人の気持ちを汲み取ることが、唯一私の良いところだと思っていたのにそこを否定されたら、もう私には何もないと思った。
生まれて初めて生きづらい感覚を覚え、心が壊れるかと思った。
何を食べても美味しくないし、何をみても面白くない。つまんなかった。
仕事に責任感のあるばばぁ…いや、上司だったからこそ、その圧はすごかった。
その時は流石に神経やられた。
最終的には、その会社には迷惑をかけまくって、泣きまくって速攻やめた。
私は退職の傷を負いながらも、今後の人生について考えた。
1日に8時間働くとする。
1年で考えたらどのくらいの時間を「やりたくないこと」に費やすのか?
それを考えるだけで、ゾッとした。
(算数障害だから実際どのくらいの時間が費やされるかは、計算できないけど。)
どうせ生きるなら、楽しく生きたい。
そんなことを考えるのは甘い考えだろうか?
そこから私は「自分ができること」ではなく、「自分の好きなこと」をやることに決めた。
そんなこんなで、昔から好きだった漫画を描く運びに。
ふざけた漫画を真剣にね。
3.ふざけた漫画を真剣に描こうと決めた理由
このアカウントを本格的に始めたのは、2022年の9月。
当時は家族系、仕事系、恋愛に限らず、ジャンルは決めず適当に漫画を作って、Instagramにアップし始めた。
当時の漫画を見ていた方はお分かりかと思うが、話のジャンルは違えど、登場人物には共通点があった。
それは、登場人物全員「クセが強い」ということ。
朝食を食べながら、「今日昼何食べる?」と先を急ぐせっかちな親父。
自身の誕生日にバースデイソングのボイスメッセージを送りつけてくる承認欲求の強いキモい友達。
クレーム対応に慣れすぎて、遂には椅子の背もたれを壊すほど、のけぞりながら電話で謝罪するようになった偉そうな上司。
「北斗の拳」の影響を受け、終いには私のことを「貴様」と呼ぶようになったモロッコの元彼。
当たり前だが、「普通」ではなさそうな人たち。
言い方を悪くすると、ふざけた人ばかりだ。
そんな人達と過ごす日々がありがたいと気づけるようになったのは、漫画エッセイを始めてから。
自分をキャラクターに当て込め、反映させることで物事を俯瞰することができた。
自分のカッコ悪さや、人の不完全な姿がこんなにも愛しくて、こんなにも笑えるものなのか。
全てを楽しむと決めて、物事を見る角度がいかに大事か思い知らされた。
例えばの話、悲しいと思った失恋も教訓に変えれば、「この男は次に出会う人の踏み台だったんだ〜!」と捉えることができるように。
「過去は変えられない」と言う人がいるけど、私もそう思う。
勉強不足で落ちてしまった試験。
悔やんだって試験日に戻ることはできない。
素直になれなくて別れてしまった彼氏。
もうあの時に戻ってやり直すことはできない。
思いがけない事故で亡くなってしまった大事な家族。
どんなに泣いたって、叫んだって一生戻ってこない。
起こった過去はどんなに悔やんでも戻らない。変えることはできない。
だけど、私は気づいてしまったのだ。
過去に対しての自分の捉え方は今すぐ変えられる。
恥ずかしくて、時には胸を裂くような辛い過去の失敗からの自己救済。
そんな風に私は自分の過去をプラスに捉えるために、ふざけた漫画を今日も真剣に描く。
そして、贅沢で我儘な願いかもしれないが、その捉え方を読者に伝染させられたらなと、欲深く考えてしまっているのだ。
次回はなぜその中でも恋愛漫画に特化したのかということを書きたい。