「部屋も食器だよ」と食のエンターティナーが言った。 フードスタイリスト マロンさん
私はある雑誌でさまざまなアーティストやアスリートへのインタビューを担当していた。残念ながら、廃刊になってしまったけれど。
フードスタイリスト第1号
マロンさんにインタビューしたのは、2013年。もう10年も前のことだ。
彼は職業としてフードスタイリストを名乗った第1号の方だ。
フードスタイリストとは、雑誌や広告、TVなどのあらゆる料理のシーンをコーディネイトし、食にまつわるツールをスタイリングするプロ。マロンさんはそれにとどまらず、料理やオリジナルのレシピ提案、さまざまな食の企画立案まですべてこなしている。
マロンさんは、大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、料理家のアシスタントなどを経て、1983年フードスタイリストとしてスタート。料理家以上に、もっとトータルに食をプロデュースしたいという思いからだった。
撮影写真は、その後アー写になった。
実はマロンさんは、私の友だちの友だちだったことから、一緒にご飯を食べたり飲んだりしていた古い友人だった。取材をお願いすると、即、快諾。右手でVサインを作って、右目に重ねたポーズで、目ヂカラパワー全開!撮影は気合いの入ったものになった。この写真を彼はとても気に入り、ずいぶん長くプロフィール写真として使っていた。
次元を変えるのが、プロの仕事。
インタビューでいくつも記憶に残っている言葉がある。
「料理はどこで誰と食べるかが味に影響するから、部屋もテーブルも器だよ」や
「演奏する人で違う曲に感じるように、料理の決め手は再現力」。
そして、「おいしさの新次元を創り出すのがプロ」という言葉もなるほどと唸った。
60代だから勝負する!
昨年のこと、赤坂で仕事仲間と飲んでいたら、「あら、しのぶちゃん!」という声にびっくり。マロンさんが偶然、その店に入ってきたのだ。
本当に数年ぶりの再会だったけれど、ちっとも変わっていなかった。
髪がツンツンしていて栗みたいだったからマロンと呼ばれていたけれど、今は帽子姿。どうやら髪のチカラだけはちょっとパワーダウンのようだけど。(ゴメン)
マロンさんは歌うことも大好き。長年、食と音楽の楽しさをつなげていく試みも続けている。(5月14日青山のマンダラでコンサート!)
「60代になったし、これから新しいことをいろいろやろうと思っているの!」と元気いっぱいだ。
以前、会社のパーティーでサッと作ってくれたマロンのパスタ、美味しかった!
また食べたいなあ!
マロン公式サイト https://www.marons.net/
Photo by Kentaro Minami
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