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就活生の親としての考え方(2)


前回 就活生の親としての考え方(1)

1.就職相談会に参加

3年生の11月に大学で開催された就職相談会に参加しました。どのようにしてこの相談会を知ったかというと大学保護者会から郵送された案内文でした。

二人の子供が大学に行きましたが、大学からの情報は大学ごとに全く違います。

上の子の大学では、国家試験の模試の情報や保護者会が中心となった就職活動に関する案内がありました。

下の子の大学では、半年ごとに成績表や出席状況が書かれた情報が送られてきてちゃんと学校に通っているかどうかが分かるものが送られてきました。

今回の就職相談会は、保護者会の企画により就職相談会が開催され、それに学校のキャリアセンターが出てきて説明を行うといものでした。

大学として学生の就職率は気にしてはいますが、保護者に対して積極的に就職活動に関する働きかけは行っていないということです。

このことは親がある程度意識して大学の情報を手に入れるという心構えを持っておいた方がよいということを表していると思います。

2.相談会の様子

相談会の参加者は、正直それほど多くはなく、20名未満だったと思います。学生と一緒に参加されている保護者もいました。

壇上には4年生の就活を終えたばかりの方や、企業に就職して2年以内の先輩が6名ほどいらっしゃいました。

大手ビール会社、大手レンタル、公務員、舞台設営会社、自動車販売会社、病院等バラエティーのある業種、男女が登壇していました。

それぞれ一人ひとりからどのような就職活動をしたか、キャリアセンターの活用方法、情報収集、就職面接の練習、就活にかかった費用等、インターネットや本には書いていない、より具体的な生の声を聞くことができました。

参加者が少なかったことは逆にラッキーだったと思います。なぜなら、コロナがなかった当時は、相談会が終わった後に先輩の方と昼食を取りながら直接お話をする機会が設定されたからです。

3.先輩からの言葉

私は一番興味を持った一部上場企業の大手ビール会社に採用が決まったばかりの4年生のそばに座り、積極的に声をかけさらに詳しい話を聞くことにしました。その方は1万人を超えるエントリーの中から選ばれた5人の中のひとりでした。

ビール業界は学生からの人気が高く、当然上位校の学生も多く受けます。その中で上位校とは言えない体育系大学の学生が合格することが出来た話は大変貴重です。

彼が言った

中小企業だから簡単に受かるというわけではない、中小企業でも落ちるときは落ちる、大企業であっても受かるときは受かる。なので最初から諦める必要などなく大企業でもどんどん受けたら良い

という言葉には大きく勇気づけられました。

また大学のホームページにある就職先一覧を見て、大企業は特別な成績を残した学生にしか無理じゃないのか、という私の就活に対する考え方を大きく変化させるきっかけになりました

彼は体育会系の部活には所属していませんでした。やりたいこともなく自堕落な学生生活をしていたと言います。

子供たちをまとめる屋外活動のゼミに所属していましたが、それ以外にはこれといって特徴のある活動はしていませんでした。

そのな彼が就活を目の前にして一念発起、キャリアセンターに通い、エントリーシートの添削を受け続け、就活する仲間とグループを作り、就活の情報を共有し、模擬面接を繰り返し受け、自分の自己紹介の動画を撮ってはチェック、就活に徹底的に注力しました。

また、学生時代にやったことをエントリーシートに書くときは無いことは書かないが、あることは少し膨らませて書いたり、要領の良さも発揮していたようです。

就活はただただ真面目にやれば良いというものでも無いことを教えてくれました。

マーケティングをやりたいとキャリアセンターの先生に相談したとき、他の優秀な学生とその同じ土俵で戦って勝てると思うか?自分の強みは何だ?まずは得意分野で会社の中に入ってからマーケティングを目指したら良いのでは、といったアドバイスを受けました。

ここで彼はアドバイスを受け入れ営業をやりたいというエントリーシートを作成し面接を受け、自分のキャラクターを全面に出して内定を勝ち取ったとのことでした。勝てる土俵で勝つ、ということですね。

彼との話を聞きながら、部活もやっていない、ふらふらと目標をモテずに迷っている息子の姿が重なって見えました。

思い切って直接私の子供から話を聞かせてもらえないだろうかと尋ねると彼は快諾してくれました。その場で彼の連絡先を教えてもらいました。

厳しい競争をくぐり抜け、他の方にも支えられながら自らの力で内定を勝ち取った彼は今日出会ったばかりの人に対しても優しくなれるのです。自信に満ち溢れた笑顔はとても頼りになる先輩のそれでした

思い切って行動すれば道は開けます。図々しいかな、などと思わず思いついたことはどんどんチャレンジすれば良い、ダメならまた次を考えれば良いのです。

特に就活は限られた時間の中での勝負です。幸せの女神に後ろ髪は無いといいます。行動することだけがチャンスを掴む方法だと思います。

後日息子は大学の先輩である彼に連絡し、外で食事をしながら就活について話を聞かせてもらうことが出来ました。又聞きでない、直接の生の声は息子の心にも響くものだったに違いありません。

親としてそのような機会を作ることが出来たことで就職相談会に参加した意味があったと思います。

4.知らないことの恐ろしさ

それから半年以上たったある日、ある保護者の方から相談された内容で驚いたことがありました。地元の息子の同級生の親御さんからの質問でしたが、その時は4年生の6月の段階で息子は第一希望の企業から内定をもらっておりすでにその時点では就活を終了していました。

それは

子供の就職活動についてまだ大学から子供に連絡が無いようなのだけれど大丈夫なのかしら

というものでした。授業と同様、就活も大学が教えてくれるという意味なのでしょう。

大学生の就職活動について4年生の6月1日に解禁されると言われていますが、実際には3年生からインターンシップや会社説明会と言う名前で選考が行われています。

4年生の6月1日の段階では、中小企業や外資系ではすでに内々定が出されており、大企業にあってもその時にはほとんどの選考活動を終えていて、6月1日には最終面接を持ってきて、その場で内々定をいただく、というのが当たり前になっています。

つまり就活が6月から解禁というのは建前であり、情報を知らないと就職活動を始めることすら出来ないという状況に陥ることになります。

親御さんとお子さんの間では、せめて就活開始時期についての情報は共有するべきだと思います。


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