30代後半男性(非管理職)の日系大企業へ転職活動体験記。「やって良かったこと」、「やっておけば良かったこと」
3つのフェーズに分けて共有させてください。第一フェーズは「応募する企業を見つける」。第二フェーズは「応募し選考に進む」、第三フェーズは「内定を獲得した企業から入社する企業を選ぶ・転職前の思いを実現していく」です。
転職活動初期: 応募する企業を見つける、転職活動を円滑に進める準備をする
JAC Recruitmentさん (外資/日系グローバルに強いエージェントのイメージ):
我々「求職者」と「採用企業の営業」を1人の方で両方ご担当されているようで、企業の採用背景や、採用予定部門の方の人となりなど深い情報をお持ちで、入社後をより深くイメージできたり、質の高い面接対策ができました。そうしたリレーションを生かし、求人としてはまだない案件でも、JACさん側の働きでポジション創出(私の売り込み+求人化)まで提案いただけました。ハマるととても心強いエージェントさんだという印象です
他方で知っておくといいかなってポイントもあるかなと思っており・・・
持たれている求人の数は後述するリクルートエージェントと比較すると限られている可能性があり、個人的には他のエージェントとの併用もおすすめです
求人をメールで求人を紹介いただくのですが、自身の希望職種や経験を活かせない業界、そもそも応募要件を満たしていないよ・・・ってな紹介もありました。
最初、いただいたメールは全て返信しなければと思い、負荷がかかっていましたが、JACのエージェントさんから、スルーしていただいてもいいですよ。と言っていただき、楽になりました笑
ビズリーチさん (企業の人事や採用担当部門から直接、声がかかります):
私がお声がけいただいた企業では、正式な選考前に「カジュアル面談」という形で60分程度で、まず企業側から会社紹介や採用背景、縁があれば任せていただける仕事などを紹介いただき、その後、私から自己紹介やどういった軸で転職活動をしているかなどを共有し、希望すれば書類/面接選考に進むという形でした
普通に応募書類を出したら選考通過しないのでは・・・と思うような企業からも数社お声がけいただいたこと、企業側からのアプローチに応じる形で応募していくと、その後の選考は非常にスムーズでした。選考要素がないことが強調されるカジュアル面談ですが、そこで企業側に採用したいと思っていただくことは、ある意味、面接より重要かもな・・・というのが私の所感です
こうした企業側からのアプローチを受けるためには、企業側で検索した際に目に留まりやすくする工夫も必要だと後から気づきました
例えば、企業側が我々求職者を検索する際には「キーワード」により自社が必要な人材の候補を探しているかと思いますが、同時に「最終ログイン日」や「レジュメ更新日」、「スカウト返信率」などの項目でも絞ったり、並べ替えをしているようです
そのことを知った後は、企業から声がかかるよう、職務経歴書に自身の次につながるキーワードをふんだんに入れ、定期的に更新する。定期的ににログインする。興味が薄いスカウトも、お礼メールだけ出しておく。など工夫をしていました
※相手目線で作戦を立てるために、人事採用担当者向けにまとめられビズリーチの運用アドバイス記事を多々読んでいました笑
ちなみに企業より数的には多いのが、中小の転職エージェントからのお声がけでした。何社かお話しましたが、内容としては「目玉求人の紹介+自社サービス登録への勧誘(後者メインの印象)」でした。小回りがきく、特定の企業へ紹介実績が豊富、特定の企業との関係性が深く驚くような情報をお持ちのエージェントさんもいましたが、多くの求人は後述のリクルートエージェントのパーソナルデスクトップ(マイページ)でも検索すると引っかかりました。多くのエージェントに登録すると応対だけでも工数が嵩むため、私はリクルートエージェントに途中から集約していきました
リクルートエージェントさん (テレビCM通り、本当に求人の数が多いエージェントでした笑):
担当のキャリアアドバイザー(求職者担当)からも紹介が求人紹介に加え、登録後は自身でも「パーソナルデスクトップ」というマイページのようなものから、非公開求人が検索できるようになります。私はこちらをメインに、求人を探していました
キャリアコンサルタントの方は非常に多くの求職者をお一人で抱えられているためか、3日/週やすみという働き方をされているためか、とてもご多忙そうで、手取り足取りの手厚いフォロー・・・は難しいだろうな、という推測のもとに接していました
「私を支援すれば売上になりそう・・・支援してあげよう」と思ってもらえるよう転職への意思の強さ、積極性などが見えるようにしていました。(これは他のエージェントさんでも心がけていました)
前職上司・チームメンバーと良好な関係を戻す: 外資系企業だけ実施だと思っていたリファレンスチェック(自身のことをよく知る、過去に一緒に働いた上司やメンバーへ、働きぶりや人柄などを直接ヒアリングする)が日系企業でも普通に使われてて驚きました
私が紹介を受けた求人では、NECさん、リコーさん、楽天さんなどの日系企業が選考プロセスの中に、リファレンスチェックあるとエージェントから聞きました。こうしたサービスの大手であるback checkの導入事例からも幅広い業態・規模の企業が採用していることがわかります
エージェントの方によると、新型コロナウイルスの影響でリモートによる面接が一般化したが、面接で企業側が候補者のマイナス点を見抜けない事が増え、日系でもリファレンスチェックが増えたそうです。違う企業の複数のエージェントの方が同じことを仰っていました
リファレンスチェックは最終面接の後、ほぼ内定が決まった段階で、2〜3名推薦者を紹介してくださいと企業側から依頼を受けることが多いようです。紹介する人のプロファイル(上司だった人、同僚だった人)などを指定される場合もあります
短期間で応募企業に自身の推薦者を紹介する必要が出てきます。そのため、企業側から依頼を受ける前に、あらかじめ協力いただけそうな方に事前に挨拶+αなどをしておけば・・・より安心だったと思っています
今後は過去のキャリアでお世話になった方には、たまに飲みに誘い情報交換、毎年正月に挨拶ラインやFacebookで誕生日のお祝いメッセージを送るなどで、リレーションを維持しておこうと思っています笑
加えて、現職の同僚と良好なリレーションを構築しておくことは、こうした面からも重要ですね・・・
自身のこれまでのこれまでのキャリアを紹介する1枚物(+補足ペーパー数枚)のスライドを作っておく: 転職エージェントやスカウトを送ってくださった企業とのカジュアル面談で役立ちます
転職エージェント: 私の場合登録後、30分程度のWeb面談で転職理由や希望のヒアリングがあるケースが大半でした。こちらで話した情報をベースに求人紹介、また応募時には推薦状に記載される推薦文が作成されます。そのため初回に自身の希望や意図を資料も用い正しく伝えることは今後の円滑な転職活動に大きなプラスになります
企業とのカジュアル面談: 印象が良くなります笑 私はプレゼンが得意です!というより、多少デザインを凝った端的にポイントがまとまったスライドを準備し説明した方が説得力があったのかもしれません
記載していた内容
転職エージェント向けには毎回同じものを使用していましたが、企業とのカジュアル面談で使用する場合には、毎回その企業に合わせ若干記載する内容を調整していました。転職理由 (転職の契機はさらっと、転職後にどう貢献したいかメイン)
これまでの所属企業での経験職種、業務内容と簡単な実績(数値)
口頭では自身の貢献や行動の背景にある自身の考えなど、転職先でも再現性ありそうだなと思っていただけることを意識していました
企業とのカジュアル面談では、求人票に書かれている内容と関連がありそうなものを厚めに
希望業界・職種(活かしたいこれまでの経験)
転職活動をしていなくても、職務経歴書を更新しておく: 転職活動をしている時はメンタルが通常時より少し弱くなっているのは、きっと私だけでないはず!笑
私は過去の転職活動をしていた際に、エージェントの方のアドバイスを元に、年に数回、職務経歴書に記載する「経験と成果」のネタ帳を追記して、企業に提出する前にエピソードをピックアップできる状態にしています
このネタ帳は今回の転職活動でもとても役立ちました(後述のChat GPTに食べさせる元ネタになっていました)
このネタ帳を作る前は、数年前のアクティビティだと記憶が曖昧(実施期間や数値)、また大枠は覚えていても、微妙に貢献内容を忘れている部分があったりもしました
優先度低: SPI/玉手箱などのWeb試験対策をしておく
日系大手の多くはSPI/玉手箱などのWebテスト受験の指示がありましたが、受験期限までに数日しかない・・・!平日に受験しないと間に合わないという企業もありました。問題の形式も特殊だと思っていて、ある程度問題を解いて慣れておく必要はあったかと思いました
テストの種類はエージェントが把握しており教えてもらえる場合もあります。エージェントにも開示されていない場合、「就活会議」などに記載されている新卒向けの情報が参考になります
エージェントの方によると、書類や面接を通して評価される経験/実績面とその再現可能性やスキル面の方がより重視していることも多く「試験だけで見送りになった例はありませんのでご安心ください」というコメントを多く頂戴しました
時間があれば事前に内容だけでも確認しておくと安心・・・程度でいいと思っています
私が受験した企業では、中途でも新卒と同じ会社のテストを使用していました。ただ新卒ではフルの試験、中途は同じ会社の性格診断だけというケースもあるようです
転職活動中期: 応募書類を準備、提出し選考に進む
本当に役に立った、生成AI「ChatGPT」
最初から有償版を契約しフル活用していれば、もっと効率的に活動が進められたな・・・と思っています
主な用途は、職務経歴書の文章校正、加えて求人票も読み込ませた上での面接での想定質問と返答案の作成、直接応募した企業の人事とのやりとりメールの作成/校正などです(詳細後述します)
最初は無償プランを使っていましたが、ファイルの読み込みなどをするとすぐに無償で使える分を消費してしまいましたので、無償版やCopilotとの併用で凌いでいましたが、途中から¥3,000/月のChatGPT Plusに切り替えたら・・・一気に効率化できました
生成AIを活用した、効率的な企業研究
企業研究でもChatGPTは非常に役に立ちました。例えば「日本におけるA業界の状況と今後の予測をまとめて」や「A業界における株式会社Bの立ち位置をまとめて」などのプロンプトで現状を整理、「あなたは優秀なプロダクトマネージャーです。株式会社B(応募企業)が提供している製品Cを新たに担当することになりました。新規顧客をより多く獲得するためのプランを5つあげてください」「製品Cの競合優位性を教えて」などの質問で入社後に実施することへのイメージを膨らませておくのも役立ちました
職務経歴書は「必ず企業ごとにそれぞれ作る」
企業の求人票を読み込み、また転職エージェント経由であればエージェント経由でヒアリングをし「求める人材像(スキル、経験)」を整理し、それらに近い経験を中心に毎回、職務経歴書を構成するようになってから、圧倒的に書類選考の通過率が上がった以前の転職活動の経験をもとに、今回も毎回企業ごとに書類を作り直していました。特に前半に記載していた職務概要やスキルで興味を持ち読み進めてもらえるよう意識していました
また、記載する成果については、ChatGPTを活用し効率的に伝わりやすい文章を作成していました。
例えば「新しい発想で物事に取り組んで欲しい」ことや「周囲を巻き込み業務を推進できる人」などが求人票の職務内容や求める人材増書かれていた企業に提出した職務経歴書は、一旦前述の「「経験と成果」のネタ帳」の文章をChat GPTに貼り付け、「以下の経験を、新しい手法で多くのメンバーを巻き込み短期間で成功させたことを強調する文章に書き換えてください」などのプロンプトで文章案を作成してもらい、その後「文章を7割程度に削ってください」など追加で依頼をしながら修正していました
また最後に誤字脱字がないか確認してください。職務経歴書に記載する丁寧かつ端的な文章にしてください。などのプロンプトもよく使い、できれば2枚、最大でも3枚程度に収まるようにしていました
Webで検索すると、職務経歴書は2枚まで。との記載も多いですが、30代後半であれば職務経歴書は3枚でも全く問題ないというのは、複数の転職エージェントの方、皆さんが仰っていました(が、忙しい人事/採用部門の担当者のことを考えると、簡潔にわかりやすくする努力は必要そうです)
こうして書類を作ると、後の面接対策も楽です
デメリットとしては、時間をかけて書類を作ったにも関わらず書類で見送りになった場合の心理的なダメージです。
転職エージェント経由であれば、事前にエージェントに過去の選考合格者やエージェントのみに開示されている情報から応募するか相談した上で書類を作成していました
こうしたプロセスを経て作り込んだ職務経歴書を提出すると、エージェントの方もかなり売り込んでいだだけたのか、書類選考落ちは稀でした
面接準備
エージェント経由で受験する際には、「過去に面接で聞かれた質問集」の提供を受ける場合が大多数かと思います。こちらはフル活用することをお勧めします。実際に同じ質問を受けた事も少なくありませんでした(ある企業の一次面接で受けた質問は、全て質問集に記載されたものでした)
エージェント経由で応募してもこのような情報が貰えてない場合は、必ず事前に確認をお勧めします
必ず読み込み、全ての質問に対し、自身の考えをまとめる
企業によっては過去に見送りになった方の理由等が書かれているので、自身が該当しないように気を付ける
スカウトなど、直接応募の場合にはこのようなサポートは受けられません
転職会議」などのレピュテーションサイトには、面接で聞かれた質問も掲載されていますので参考になります
加えて、Chat GPTにPDFに変換した「自身の職務経歴書」と「求人票」を読み込ませ、「想定される1次面接での質問を5つ挙げ、それに対し採用したいと思う回答例を作成してください」などのプロンプトも役立ちました
リクルートエージェントさんなど、大手のエージェントに登録すると、面接力向上セミナーなどが無料で受講できるかと思います。職務経歴書作成においてもヒントになる話が多いため、登録後早めに受講しておけば良かったと思いました
書籍では安斎響市著「すごい面接の技術」が考え方の観点でとても参考になりました。各質問に対し、面接官の不安を払拭する、採用したいと思うにはどのように回答するのがいいか思考していく力が高まったと感じています
転職活動終盤: 内定を獲得した企業から入社する企業を選ぶ・転職前の思いを実現していく
面接選考を経て内定が出た企業から入社する企業を選んでいきます。こちらのステージで自分が何を考えていたのかは、将来のために残しておくと役立ちます。
自分はなぜ転職し何を掴み取るのか・・・偽らざる本音を紙に書く(転職前にも考えていると思いますが、再度言語化
自分のキャリアの軸や価値観(大切にしていること、想い)を項目として洗い出し、内定が出た企業/現職との比較表を作成する
こちらのメモは保管しておくことをお勧めします。なぜなら、転職後・・あぁ、転職するんじゃなかったなどと思った時に見返すためです
例えば転職後には多かれ少なかれ、「前職の方が良かった」と思ってしまうアイテムが出てくるかもしれません。また、中々新しい環境に馴染めず転職を後悔するかもしれません。そうした際に自分は何を掴み取りたくて転職したのか、思い出させてくれるペーパーにもなっていきます
そして、何かを成し遂げ再度、外で貢献しようと思った際に、その時の自分によりマッチした転職の軸が言語化できるようになったり、今回の転職で考慮しておくとより良かった観点が後からレビューできるようになります
個人的には今回の転職において、「現職を厳しめに」、「内定先を甘めに」評価してしまっていたことを反省しています。現職でのもやもや、不安に強くフォーカスが当たっていましたが、今から思えば「得ていた物」も数おおくありました。
番外編: 孤独な転職活動の心の支え
過去の職場で一緒に働いた同僚へ相談(飲みにいく)
私のことをよく知る過去在籍企業の同僚に話を聞いていただいた事は非常に参考になりました。その方は、私と一緒に働いた経験とご自身の転職活動などの経験を踏まえて、何時間にも渡りアドバイスを頂けました
(在職中、こんなにいい人だったとは気づいていませんでした笑)逆に、現職の同僚はどれだけ親しくても転職先が確定するまでは伝えないことをお勧めします。どこから情報がもれ漏れるリスクがゼロではありません。最終的に転職しない決断をした場合には、昇進などへの障害となるリスクが出てきます
有償のキャリアコーチング(転職だけに限らず、キャリアの相談に有償で乗ってもらえるサービス)を活用する
前述の元同僚が相談していた方を紹介いただき、一度オンラインで相談に乗っていただきました。1時間ほど、現在の「もやもやポイント」を聞いていただき、心がだいぶ軽くなりました。(有償サービスには登録しませんでした)第三者的な立場で、受験を考えている企業に対する意見やキャリアに対するアドバイス、職務経歴書の修正案などを頂きました。エージェントは転職者を企業に転職させることにより費用が発生する成果報酬型ですので、どうしても転職させる方向に持っていくことが出るのは事業モデル上そうなると認識していました。こうしたことからも第三者的な立場で寄り添ってくださる方の存在大きいです
こうした「転職を前提とない」キャリアコーチングは今後活用していきたいと思っています。どうしても転職エージェントは、転職させ、年収の30%の成果報酬を売り上げとして獲得する。がビジネスモデル上ゴールになってしまうと思いますので、こうしたサービスを併用し、寄り添ってもらい気づきを頂くことは色々な面でプラスになりました
良い縁をいただけるよう、孤独も乗り越え、実力が発揮できるよう・・・手を合わせる
転職は自身では如何ともし難い、ご縁の要素も結構あると思ってます・・・。もちろん自身で努力することが前提だと思いますが、自身が転職活動をしているタイミングで、自分の軸
/希望と合致する求人が出るか、それに自身が出会えるか。そうした面からも由緒正しきお寺で手を合わせ、良い縁がいただけるようお祈りさせていただくのも良いかと思っています面接前など、思い立ったときに少し早起きしてご縁のあるお寺へ訪問、手を合わせました。
私が訪問した池袋にあるこちらのお寺です。同じく行ってみる方は事前に電話かメールフォームから問い合わせしてみると安心かもしれません
毎朝6:30〜8:30まで朝のお勤めをやっており、誰でもウェルカムで勝手に入って、手を合わせて帰ってOKとのことでした
東京以外にお住まいの方も系列のお寺が日本全国にあるようです。名古屋近辺の方は私も訪問したことがあるこちらおすすめです
最後までお読みいただき、ありがとうございました。1つでも何かやってみよう、変えてみようと思っていただけましたら嬉しいです。転職中は私のように辛いことも多いかと思いますが、きっとその先には、今後の幸せにつながるキャリア形成が待っていると信じ、無理しすぎず頑張ってくださいね!