徒然ならない話 #18 2022年の楽曲、マイベストテン!
みなさんお久しぶりです、こしあん派です。
最近は引っ越し先での新生活のスタートもあって、全く文章を書く気になれない日々が続いていました。
ようやくひと段落してきたので、ぼちぼちと再開できたらと思います。
さて、今回は僕的年間ベストソングの発表です。
先日関ジャムでいしわたりさん、蔦谷さん、佐藤さんの3人が選ぶ年間ベストテン発表回が放送され、SNSを賑わせていましたね。
僕も毎年この企画にあやかってマイベストを考えてはいましたが、こうやって外に発信するのは初めてです。
こういう人に見せるランキングを作る時って、やっぱりどう見られたいか、どう思われたいかによって選曲に影響がありがちなところってあると思うんです。
やっぱり共感してもらえたり感心してもらえると嬉しいですし。
ただ今回は、できるだけそういう気持ちを抑えたつもりで選びました。
それができるのは、やっぱりこの文章が向かう先が自分とは何の関係もない名も知らない人だからかもしれないけど。
第10位 得田真裕 "silent snow"
まず最初にドラマのサントラを持ってくるのもどうか、と思いはしますが良しとさせてください。
一つ前の投稿でもsilentについては取り上げましたが、このドラマはやっぱり音楽も欠かせない要素です。
髭男の主題歌や劇中で重要な役割を占めるスピッツの楽曲たちも軒並み素晴らしいですが、得田さんのサントラが個人的に今年は大ヒットでした。
ドラマのサントラ、というものにハマったのも初めての経験です。
この楽曲はsilentを一度でも見たことのある人は聞き覚えがあると思います。
印象的なメロディがドラマの記憶と繋がって、景色が浮かぶいい曲です。
個人的に5話ラストで紬と想が話すシーン、最後の最後で紬が「ハンバーグ、以外にして」と手話で想に伝え、何か吹っ切れたような彼女の絶妙な表情で終わる場面。
ここで流れたこの楽曲のラストのピアノソロがすごく印象に残っています。
言葉や大袈裟な動作のない静かなシーンだからこそ、紬たちの心情やこれまで見てきた物語の記憶を感じられました。
いまだに何回聞いても言葉で表せない感情にさせられるメロディです。
第9位 結束バンド "星座になれたら"
「ぼっち・ざ・ろっく」は間違いなく今年のアニメ界隈でトップクラスの覇権を握った作品の一つでした。
アニメや漫画だけでなくこのアルバムも爆売れ。
音楽ファンも唸らせる楽曲製作陣と演奏シーンの入れ込み具合。
僕自身も、年末のタイミングでコロナに感染し時間を持て余していたタイミングで一気見しました。超面白かったです!
中でも一番聞いたのがこの楽曲。「進撃の巨人」の"悪魔の子"でも話題になったヒグチアイさんが携わっているようです。
サビ終わりの「僕がどんなに眩しくても」という歌詞が何故か頭に残っていて、メロディとも相まってついつい鼻歌で歌ってしまいます。
2022年は自分の中で間違いなくロック旋風が巻き起こった年だったので、その年を締めくくるアルバムとしてこの作品に出会えたのもすごく象徴的なことだなあと感じました。
第8位 宇多田ヒカル "誰にも言わない"
この曲自体は2020年リリースですがアルバムリリースが今年なので選びました。
この曲は特に歌詞に惹かれます。
この二人の関係がいかに特別で、異常で、それでいてとてつもなく強固なものであるかが伝わります。
向こうみずな危うさを感じさせながらも、その尊さや美しさに少し憧れに近い感情を抱きました。
第7位 NewJeans "Ditto"
2022年、相変わらず盛り上がり続けるKPOP界に大きなターニングポイントがありました。新たなガールズグループNewJeansのデビューです。
実際のところ、KPOP界は飽和状態にありました。BTSやTWICE、BLACKPINKら世界的グループの活躍に乗じて、多くのグループがデビューしていきました。
ただ大きな流れとして、特にガールズグループにはガールクラッシュ(女の子がかっこいいと感じる女の子)をコンセプトにしたグループが量産されており、大衆にも若干の飽きが来ていたのも事実です。
かといってその時代の前に流行っていた"TT"の頃のような可愛らしさのある正統派アイドルのコンセプトに流行が逆戻りするかも怪しい中で、NewJeansは全くの異色さを纏って現れました。
従来のデビュー方式であれば、個出しでメンバーを公開してプロモーションスケジュールを公開し、MVのティザーを公開して本映像を公開、同日にアルバムを発売、という流れが普通です。
しかしこのグループは、ほとんど何の予告も無しにいきなりデビューアルバムのタイトル曲の一つ"Attention"のMVを公開し、その後メンバーを公開し、スケジュールを公開しアルバムを出すという変則的なデビュープロモーションを行いました。
ブームになりつつあったY2Kの雰囲気を踏襲しつつも、華やかでアグレッシブなKPOP特有の個性を抑えたナチュラルでアーバンな雰囲気が他のグループとは圧倒的に異なっていました。
そんなこんなで異次元級のデビュー成功を収めた彼女たちが次に放った楽曲がこの"Ditto"でした。
前回のY2Kスタイルとはまた変わり、制服姿やアナログな映像のMV、落ち着いたサウンドが話題となりました。
特にMVはあちらこちらで岩井俊二監督っぽいという声を聞きます。
ホラーのようにも思える少し不気味な雰囲気と、戻らない時間の美しさや危うさが混ざり合った素敵な映像です。
第6位 TOMOO "Cinderella"
今年ようやくというか、満を辞してメジャーデビューしたシンガーソングライターのTOMOOさん。
楽曲の王道ポップな、その中にひと匙クセを残す感じが好きでハマっていました。
今回もメロディの面白さはさることながら、個人的には歌詞にすごく惹かれました。
景色が浮かぶし、経験したこともする予感も全くないことでも、まるで自分ごとのように頭に記憶が浮かびます。
玄関先に〜の部分は、多分共感できる人が一番多い部分なのではないでしょうか。
TOMOOさんの幸せを歌う曲も好きですが、こういう過ぎ去っていく何かや叶わないものへの感情を歌う曲は一段と頭に残るなあと感じます。
第5位 Bialystocks "Upon You"
このバンドも年末ギリギリに知ったのですが、YouTubeチャンネル「みのミュージック」や関ジャムの蔦谷さんのランキングにも登場していました。
映画監督としての顔を持つヴォーカルと、ジャズピアニストという異色のメンバー構成。こうして聞くと何だか玄人向けの音楽に思えますが、この曲を一聴してそのイメージは裏切られました。
全くストレスや圧を感じない、爽やかで暖かく、優しいメロディと透き通る歌声。歌詞もどこか民謡のような親しめるテイストと文学のような言葉選びの混ぜ様。
優しいものに触れたくなった時に聴きたい曲です。
他にも蔦谷さんが選曲した"灯台"やドラマ主題歌にもなった"差し色"など、素敵な楽曲がたくさんあるので是非チェックしてみてください。
第4位 Paramore "This Is Why"
洋楽大好き人間時代に死ぬほど聴いていたバンド、パラモアが帰ってきたのは2022年の中でも大きなニュースでした。
2017年の"After Laughter"以降バンドとしてのリリースはなく、ヴォーカルのヘイリーのソロ活動もあってなかなか新情報がないまま時が過ぎていました。
そしてようやく、2023年にニューアルバムのリリースが発表され、先行シングルとしてこの楽曲が公開されました。
"Still Into You"や"Ain't It Fun"、"Misery Bussiness"といった音圧強めのロックサウンドの頃の面影は控えめになり、前作に続き現代的なポップパンクサウンドと融合していました。
それでもパラモアならではのエネルギッシュなパワーは健在で、アルバムの解禁が待ち遠しいです。
第3位 KANDYTOWN "Curtain Call (feat. KEIJU, Ryohu, IO)"
来月で活動を終えるヒップホップクルー、KANDYTOWN。
KEIJUやGottz、Holly Qなど多くのビッグネームを抱え、個々の活動と並行しながら定期的に作品をリリースしてきた彼らですが、その最後の作品となる"LAST ALBUM"が昨年リリースされました。
その第1弾シングルとして発表されたのがこの楽曲です。
トラックのクラシックとヒップホップの雰囲気が合わさったクールなサウンド、クルーたちの等身大のメッセージがKANDYTOWNという屋台骨の存在の大きさを感じさせます。
「俺のNIKEが踏みつける綺麗事」のようなシンプルに耳に残る歌詞だけでなく、「人は独り でも分け合う同じ夜」みたいな深みのある言葉をサラッと言い放てるのもかっこいい。
第2位 King Gnu "カメレオン"
今年初め、ドラマ「ミステリと言う勿れ」の主題歌として発表されたこの楽曲。
少しゴスペルというか、神聖な雰囲気を感じさせるパイプオルガンっぽい音と、いつもながらちょうど良いバランスの常田さん・井口さんの高低ツインボーカルが、何とも不思議な雰囲気を感じさせます。
「叶わない」君を象徴するかのような美しく儚いイメージが浮かんできます。
今年は全体的に、激しくない、暖かみのある、だけどひねくれのある楽曲を好んでいた節があるので、その源流はこの楽曲から始まっていた様にも思えますね。
転調したラスサビの盛り上がりは、それまで静かだった曲の雰囲気を一気にクライマックスで爆発させるように凄まじく、ゴスペルでいう最後の盛大な合唱部分のような壮大さを感じさせます。
第1位 Official髭男dism "Subtitle"
文句無しの圧倒的1位でした。10月に発表された楽曲ながら、今年の僕のApple Music 2022年マイプレイリストでぶっちぎりの1位。とにかく、ドラマと合わせてハマりまくりました。
サビで爆発するエネルギー、Cメロ前の荒々しいギターソロ、全体を通してよく響くシンセベース、土台でずっしり響くドラム。サウンドやメロディも、よくもまあこんなに人の感情をしみじみと刺激できるよなあといった感じの素晴らしさです。
まあやっぱりあとは歌詞ですよね。
藤原さんの歌詞は比喩的・抽象的でもありながら、聴き手に非常にクリアなイメージと感情を与えてくれます。
愛おしさともどかしさ、苦しさと優しさ、相反したり絡み合ったり、複雑で言葉にできない人と人の関係性や感情を、歌として捉える藤原さんには本当に感動というか、尊敬の念を抱きます。
以上が今年の楽曲マイベストテンです。いかがでしたか?
2022年も、それまでに引き続きまた新たなジャンルやアーティストにたくさん出会えた年でした。
今年は一体どんな楽曲やアーティストに出会えるのかが楽しみです。
それでは。