徒然ならない話 #16 親友が死んだ
お久しぶりです。こしあん派です。
ここ数ヶ月、大学の卒論の締め切りやら新生活準備やら何やでとんでもなく忙しい日々を過ごしていました。
先日ようやくそれらがひと段落してきたので、ここいらでまたnoteを再開したいと思います。
全く時間がないというわけではなくても、やっぱりまとめて文章を書くのにはエネルギーと時間が必要です。
まさか自分がここまで余裕がなくなるとは思わなかった、、
あともう一つ、今回から言葉遣いを変えました。
ですます調というほどではないですが、「〜だ」「〜である」的な書き方をやめてみようと思います。
できるだけ普段の言葉使いに近い形で語る方が、より自分の言葉として実感を持って発信できる気がするからです。
もちろん親しい友達にはもっと砕けた話し方をするんですけど、そこまでカジュアルすぎずに、だけど気負いすぎない感じで話せたらと思います。
だけどいまいちしっくり来なかったら戻しますね。
前置きが長くなってしまいましたが本題です。
タイトル通り、僕の親友が先日この世を旅立ちました。
「#10 親友」の話に出てきたあの子です。
僕にとって唯一と呼べる親友で、僕に夢や好きなもの、たくさんの経験を与えてくれた人生の恩人でもあります。
尊敬できるところ、魅力的なところがたくさんありました。
彼の死に際について語ります。
彼は「#10 親友」の頃に付き合っていた彼女とは破局していました。
そしてそれをきっかけに、僕と彼は再び連絡を取るようになりました。
今までは彼女との同棲生活だったので、気軽に連絡を取ったり電話をかけたりするのも憚られていたんですよね。
それまでの空白期間が嘘だったかのように、一瞬で昔みたいな高頻度の連絡が始まりました。
ほぼ毎晩、深夜までLINE電話を繋ぎながらどうでもいい話やゲームをしました。
地元に帰った時には一緒に居酒屋やカラオケ、ショッピングを楽しんで3日間一緒に過ごしました。
そんなこんなで当たり前に連絡を取り続ける生活が続いていたんですが、
流石に秋が深まってきたころには僕の卒業論文の作業が忙しくなって毎日連絡を取るわけには、、となってきました。
そして11月の終わりを最後に、彼とはしばらくLINEのやりとりをしていませんでした。
でもこれはよくあることで、どちらかが連絡すればすぐに以前のようなやりとりが始まるんです。そういうはずだったんです。
だけど卒論が終わる頃にも一向に連絡は来ませんでした。
まあそれはいいか、と僕から連絡をしました。
「年末空いてるタイミングある?会おうよ〜!」
一日経っても既読はつきません。
これもよくあることです。
彼は連絡がルーズなタイプで、返信が数日後になったり、未読のまま返信を忘れたり、そういうことは日常茶飯事です。
6年以上の付き合いなのでこんなことはよくありました。だから今更、1日ぐらい返信がなかったって、気にはならないんですよ。
ここで一つ、話は逸れますがinstagramの話をします。
僕は地元の数少ないいわゆる「イツメン」だけのサブアカウントを持っています。
そこで彼のサブアカウントとも繋がっています。
彼の本アカウントも、僕の本アカウントとサブアカウントの両方でフォローしています。
彼もまた、僕の両方のアカウントをそれぞれのアカウントでフォローしてくれています。
そんな彼の本アカウントは、よく僕の本アカウントやサブアカのフォローを外します。
不思議です。嫌われた?と思いつつ、遠回しにフォローが外れているよね、と伝えると彼は
「アカウント乗っ取られること多くて、よく勝手にフォロー解除とかされてるんよ笑笑」
と言って再フォローしてくれました。
乗っ取られてたならしょうがないですよね。
それが何回も続いても、乗っ取られ続けているんだからしょうがない。
そして昨日。僕はサブアカウントを開きました。
そしたらプロフィール欄に違和感を感じました。
確かめてみると、彼のサブアカウントが僕のフォロー欄からもフォロワー欄からも消えています。
あれ?と僕は戸惑いました。
別に彼に「フォローを外されること」は、さっきも話したようにしょうがない事情があります。
だけど、それは彼の本アカウントでの話です。
彼はサブアカまで乗っ取られたのかな〜、災難だなあ、
だけど今まで彼からのフォローが外れても「僕からのフォロー」は外れたことなかったなあ、、、
あ、ブロ解じゃんか。
乗っ取り犯はフォロー外しだけじゃ飽き足らず、フォローされることも嫌になったのか。
不思議ですよね。不思議と思いませんか?
彼はアカウントを乗っ取られても、パスワード変更とかが面倒だからとそのままにしているそうです。
それはまあ彼の自由ですから。
だけど、彼のアカウントが複数乗っ取られて、しかも毎回僕のアカウントだけをご丁寧にフォロー解除するんです。今回はブロ解でしたが。
そんな器用でピンポイントな乗っ取り犯、聞いたことない笑笑。
ここで僕、気づきました。
乗っ取られてるって、ほんと?
彼のアカウント事情は僕には確かめようのないことだから、彼は好きに僕に説明できます。
もしかしたら、万が一ですが、彼は故意に僕のフォローを外していたのかもしれません。
そしてその度に僕から遠回しな冗談のつもりの指摘をされて、面倒ながらも再フォローしていたのかもしれません。
そして今回も周期がやってきたみたいに、いつも通り本アカウントでフォローを外し、そのあとついでにサブアカでブロ解したのかもしれません。
僕はハナから「ダルい」と思われていただけだったのかも。
そう思うと、今までのことやLINEのことも合点がいきました。
それに彼は以前こう言っていました。
「お前(僕)はまじ親友だよ。ていうか俺めちゃくちゃ迷惑かけてるよな笑。待ち合わせ1時間遅刻したり借りたもの忘れたり」
僕は「まあ別にいいよ、気にしてないから」と言いました。
「まあそうだよな。お前優しいから大抵許してくれるし」
彼はそう言いました。
インスタの一件に気づいた時、僕の頭にはこの時の会話が蘇っていました。
彼に取っては些細なことだったのかもしれません。
動揺や不安、恐怖や静かな苛立ちを感じるほどのことですらないのでしょう。
そして彼はこうも言っていました。
「お前はよく弱音を吐くし、メンタルが落ち込んでる、参ってきてるとか言うけど」
僕「そうだね。最近もネガティブモード中だし、、」
「世の中のうつ病とかメンタルの不調とかそういうの、ただの甘えなんだよ。そこからどうやって自分を上げてくか、どう乗り越えるかって話。燻ってるのは自分に甘えて言い訳してるだけだからさ」
彼の言う通りかもしれません。
僕の不安や悩みからくる心の不調は、病気でもなければどうしようもないことでもなくて、僕自身の現実逃避や甘えから来ていたのかもしれません。
僕が弛んでいるだけ。
全ての記憶が一斉にフラッシュバックして、次の瞬間に僕は泣いていました。
ああ、僕は親友に、悲しい気持ちをいだいてる。
彼は正しいし、いい人で優しい。僕を正しい方に導いてくれるし、与えることも多い。
だけど、正論はたまに人を傷つける。
僕もそれを薄々感じながら、今自分が親友に感じてる気持ちを認めたくなくて、「別に大したことない」「許すも何も、最初から気にしてないよ」「大丈夫」と都合良く優しい存在に徹していました。
彼にその気は一切ないかもしれないし、僕の低すぎる自尊心が悪いのかもしれません。
だけど僕は悲しかったです。
なぜ我慢するかは単純です。
数少ない関係の糸を、自分で切るなどあり得ないからです。
寂しがり屋で自尊心の低い僕にとって、自分の周りにいる他者の存在は貴重で必要不可欠なものです。
他者のぬくもりや関係性から、僕は安らぎを感じます。
そして僕にとって親友である彼は、その中でも一際太く長い糸でした。
その糸が切れてしまう恐怖は凄まじいものです。
かと言って糸を切らずに、逆に糸のほうに変わってもらうのも違います。
彼は彼のままであるべきだし、それは彼の個性や価値観を尊重するというだけのことです。
僕ごときのエゴであれこれ彼の考え方を変えるものでもありません。
だから僕が我慢すれば、全てが平和に、僕と彼は末永い友情を続けていけると思っていました。
だけど我慢が重なった末、僕は思いました。
なんで僕は親友のことを考える時、悲しい気持ちになるんだろう。
なんで親友のことを考えるのに、不安や疑念ばかりが出てくるんだろう。
僕は彼を、キチンと葬ってあげることにしました。
燃えカスも残らないように、丁寧に。
あんなに積み上げてきたLINEのトークを消しました。
中には10時間以上電話した日もあって、少し微笑ましい気持ちになりました。
あんなにとった写真も、インスタの投稿やストーリー、彼の投稿へのいいねも消しました。僕から彼へのフォローも外しました。
僕の携帯から、彼にまつわるあらゆる痕跡を消去して。
残ったのは、ここまでしておきながらまだ期待を持ってしまう僕が、かろうじてブロックしなかった彼のLINEです。
だけど、今や検索しないと彼の名前は僕の端末には表示されません。
彼は静かに、旅立ちました。
彼は今でも僕の親友です。彼が本当はどう思っていようとも。
彼が僕に与えてくれたものはあまりにも大きく、彼なしに僕は今を生きていられなかったでしょう。
だけど、僕は親友を見送ることにしました。
今までありがとう。
別にもう気にしてないよ。
全然大丈夫だから。
長くなりましたが、僕の親友はこうして死んでいった、という話です。
親友には感謝しています。それと同じだけ悲しみも感じます。
自分の胸の内なのに、自分でも理解が追いつかないのは困ったものです。
それではまた次の投稿で。
読んでくれてありがとうございました。