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徒然ならない話 #20 最後にして永遠に続く手紙



こんにちは。
3月になり、1月から始まった内定先のアルバイトにもそこそこ慣れてきました。
仕事仕事仕事、たまに休み、といった具合で、
実は自分はまだ大学4年生であることを忘れかけるような日々です。
友達とも本格的に住むところや生活サイクルが異なるようになり、
早くも寂しさを感じています。

仕事場では覚えることや課題が多く、思うように頭や手を動かせない自分にイライラしてしまうこともしばしばで、
学生時代の、あの何もしなくてよかった、空っぽだけど満たされていた日々が、
まだその延長戦にいるにもかかわらず、遥か遠くの記憶にも思えます。

そんなこんなで執筆中の今、
僕は大学生活を思い返しています。
良くも悪くも色々なことがあって、多くの人と出会って、
自分の中でも多くのことが変化した4年間でした。

思えば僕は、いつも誰かと一緒にいました。
というより、一人の時のことが記憶にありません。
いつもできるだけ友達といるように心がけ、
楽しく寂しさとは無縁な状態を望んでいました。
僕は人とのコミュニケーションが得意な方ではないので、
多くの人と関わることはありませんでしたが、
その分一人一人と濃い時間を過ごせたと思っています。

本当に色々なことをしました。
ナラタージュも、天使がくれた時間も、キッズ・リターンも、エヴァも、silentも、Love letterも、言の葉の庭も、ビューティー・インサイドも一緒に見ました。
京都や大阪、北海道、秩父、鬼怒川、ディズニーも行きました。
3日に1回くらいのペースであってはご飯を食べたり、カラオケに行ったり、家でずっと音楽や生活の話をしていました。

特に3人の友達とは、感謝してもしきれないほど多くの時間を共有してきました。
今回はこの場を借りてA、B、C、それぞれにメッセージを残したいと思います、個人的ですが。


1人目 "A"

3人と仲良くなる大きなきっかけになったのが彼との出会いでした。

入学式にピンク髪で出席する空気を読めない僕は当然、周りの人と喋れるわけでもなくトボトボと入学ガイダンスに出席しました。
その時隣に座っていたのがAでした。
その後他の男子も含め食堂に向かいましたが、結局食堂に着くまでにバラバラになってしまい僕とAだけでご飯を食べました。
それからというものの、履修科目を一緒にしたりご飯を食べに行ったりと、多くの時間を過ごすようになりました。

そして大学2年の頃、たまたまAの友人だったB、Cと一緒に4人で話す機会がありました。
そこから段々と4人で過ごす機会が増え、今日の僕の人間関係に繋がっています。
Aがいなければ僕は今以上に孤独な思いで社会人生活を迎えることとなっていたでしょう。

友達として、面白い、優しい、すごい、などいいところはたくさん挙げられます。
だけども僕にとって、Aは僕に「縁」をもたらしてくれた人です。
出会いがどれだけ人に影響を与え、人生を変えるのかを、僕はAと出会って実感しました。
A、B、Cの中で言えば、Aは僕の人生の土台となる環境に連れてきてくれた恩人です。

いつもありがとう。また新しい香水をお披露目し合う遊びをしましょう。


2人目 "B"

Bとは何と地元が一緒でした。それもかなり近いところ。
不思議な縁もあるなあと思いながらBと過ごす中で、
僕が一番印象に残っているのはBの笑っている顔です。
彼は爆笑すると目がなくなるタイプの笑い方をします。
普段からよく微笑むタイプながら、豪快な食べっぷりや体躯、毒を吐く時の潔さなど、そのギャップがたまらなく魅力的な、面白い友達です。

大学4年の夏休み、帰省時期が被った僕たちは地元のサイゼでご飯を食べました。
僕も彼も就職先が決まり、後は遊びまくるだけだったのですが、
彼はインターンで知った職場の環境ギャップに悩んでいるようでした。
またAは一年休学していたり、Cから就活関連の話題を聞いていなかったこともあったのか、同じく就活を終えた僕にしか話せないという悩みもあったようでした。

最終的に彼は内定を辞退し就職浪人を選んだのですが、
僕はあのサイゼで過ごした時間がどうしても忘れられませんでした。
話の内容というよりは、Bの人間性に改めて魅力を感じたからです。
Bは普段から友達には十分すぎるくらい優しく、それでいてブラックな話にも飛び込めるチャーミングなところがありました。
この時も、4人で集まっている時に話すのがいいことなのか、不快な気持ちにさせてしまわないか、友達な柄に気を遣って考えていたんだな、と僕は彼の優しさを実感していました。

Bとは地元も一緒だから、帰省する時にでも会えたらいいなあ。
いつもありがとう。


3人目 "C"

Aが僕に縁をもたらし、Bがその魅力とさりげない優しさで楽しい時間を保っていてくれたとするなら、Cは僕の内面に大きく影響を与えてくれた人です。
総合して言えば3人の中で最も長い時間を過ごしたのはCだと思います。

大学1年の頃から授業被りなど面識はあったものの、そこまで深い関係地ではなかった僕たちが、今やここまで近しい存在になったというのも不思議な感覚です。

僕がどれだけ彼の影響を受けたのか、一目で分かりやすく判断するのなら、僕の部屋を見るのが一番でしょう。
部屋中に間接照明が張り巡らされ、本棚にはたくさんの小説や雑誌とレコード。
このすべてがCからの影響です。
Apple Musicのプレイリストも、いつしかミスチルだらけになりました。
嗅いでいて安心するタバコの匂いはウィンストンです。

映画を一緒に見た後に感想を語り合ったり、好きなアーティストのあれこれについて妄想や議論を繰り広げたり、自分の暗い内面について打ち明けたり。
深夜にほんのり薄明るいアパートの一室の中で、数えきれないほど多くの時間を過ごしました。

僕が彼の魅力の中でも一番好きなところが、人と接する時のスタンスです。
僕が自分の内面や経験について悩みや苦しみを打ち明ける時、
Cは必要以上に親身になって近い距離であれこれ話すことも、関心を寄せずに聞き流すこともありませんでした。
その絶妙な距離感と接し方を言葉にするのは難しいのですが、
とにかく僕はそれに幾分か救われていました。

また彼はしばしば自身の内面に抱える暗い部分や脆い部分を自覚しては、
打ち破るでも抱き締めるでもなく、
そっと脇に置きながら楽しく日々を送る術を探り続けているように僕は感じていました。

彼は言葉多めというほどでもないので、僕が彼のことを正しくわかっているとは思いません。
だけど、Cとの会話や時間の共有が、僕の中で自分の弱さとどう付き合うかの姿勢に影響を与えたことは事実です。
その一つがこのnoteとも言えます。

いつもありがとう。
まずはガリレオガリレイのライブを楽しみに頑張りましょう。


今回は本当に個人的な回になってしまいました。
それでも、こうして感情を言葉に変換する作業を通して、
改めて友達への感謝を自覚できた気がします。

これから先、僕たちの周りの環境も、境遇も、生活も、内面も、
何もかもが跡形もなく変わっていって、
4年間で共有してきた多くのことが砂みたいな感触に変わってしまうかもしれません。

出会ったままの綺麗な関係ではいられなくなる日が来るかもしれません。
今ですら4年間が綺麗な思い出になってしまっているのだから、
これから本格的に仕事を始めてしまえば、
僕は思い出ばかりに寄りかかって今の3人が見えなくなってしまうかもしれません。

それでも僕は、3人と長い時間一緒に過ごせてこの上なく幸せだったし、
これからもその関係を紡いでいきたいと思っています。

変わっていく中で変わらずにいられるものがあると信じたいです。

いつもありがとう。

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